ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

歴史に埋もれる

元祖ひとり出版社。 『第一藝文社をさがして』早田リツ子/著、夏葉社戦前のひとり出版社「第一藝文社」の知られざる軌跡を描く。戦前の小さな出版社に興味を持って調べる。 そんな風変わりなことをする人が私以外にもいたのかと、勝手ながら同士の活動報告…

戦争と猫

戦争の愚かさを。 『シリアで猫を救う』アラー・アルジャリール/著、ダイアナ・ダーク/著、大塚敦子/訳、講談社内戦下のシリアで、人や動物を助ける活動を続けるアラー・アルジャリールの記録。子どもの頃から消防士や救急車の運転手になるのが夢だったア…

そっと見まもって。 『BとIとRとD』酒井駒子/作、白泉社ちいさな女の子、□(しかく)ちゃん。8編のショートストーリーで綴られた美しい大人の絵本です。子どもにしか見えない世界というのはきっとあって、それは空想とかあっちの世界とかではなく、自…

やさしさとはなにか

猫は出てこないけど。 『やさしい猫』中島京子/著、中央公論新社シングルマザーのミユキさんと、日本に暮らす8歳年下スリランカ人のクマさん。 出会って惹かれあったふたり、ずっと一緒にくらしていくという願いが、突然奪われて…。ずっと一緒にいたいだけ…

部屋の音

世界は音であふれている。 『おへやのなかのおとのほん』マーガレット・ワイズ・ブラウン/文、レナード・ワイズガード/絵、江國香織/訳、ほるぷ出版風邪をひいて寝ている子犬のマフィン。 目をとじて耳をそばだてると、家の中のいろんな音がきこえてきま…

うちの猫へん。

かわいいの意味で。 『うちの猫がまた変なことしてる。』卵山玉子/著、KADOKAWAトンちゃんとシノさん2匹の猫との暮らしを描いたコミックエッセイ。トンちゃんもシノさんも、性格や特徴をよくとらえています。 そして小さな変化も表情もしぐさも、全部拾っ…

赤革の手帳

愛は盲目。 『赤いモレスキンの女』アントワーヌ・ローラン/著、吉田洋之/訳、新潮社ある日パリの書店主が拾ったバッグには、赤いモレスキンの手帳とモディリアノのサイン本が入っていた。 手帳に綴られた不思議な文章に惹かれた男は、バッグの持ち主を探…

ねこよみ

ねこまた絵巻。 『ねこまたごよみ』石黒亜矢子/作・絵、ポプラ社ねこまたごよみは2月からはじまります。 猫の妖怪・ねこまたの五つ子家族とめぐる1年間のおはなし。なぜ2月からなのか。 それは猫好きならばわかりますよね。とっても密度の濃い絵本。 見れ…

絵物語ねこまち

ポップに、妖しく。 『猫町』萩原朔太郎/著、しきみ/絵、立東舎萩原朔太郎の「猫町」を美しいイラストとともに。物語が持つどこか不気味な雰囲気を、可愛らしくも妖しげなイラストで彩った1冊。不気味さは、増幅されている。 でも、可愛らしくもある。とて…

ラブレター

もちろん猫も。 『ラブレター』ヒグチユウコ/絵と文、白泉社少女、猫、たまご、夢…。 美しい32枚の絵と言葉で綴られた小さな絵本。1、2、3、4。 1、2、3、4。4枚めくるとリセットされる、美しく妖しく不思議な世界。そっと秘やかに開きたくなるのは、その大…

湿地の少女

沼にはまる。 『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ/著、友廣純/訳、早川書房ノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。 人々は「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。 6歳のときからたったひとりで生き延びてきた…

馬と娘

美しい馬の物語。 『野うまになったむすめ』ポール・ゴーブル/さく、じんぐうてるお/やく、ほるぷ出版馬が好きで、馬の気持ちがわかる不思議な力をもった娘がいた。 いつものように馬たちと草原ですごしていたある日、雷をともなった嵐に追われて、娘と馬…

猫魂

命はすべて等しい。 『猫だましい』ハルノ宵子 /著、幻冬舎自身の闘病、両親の介護と看取り、猫たちとの出会いと看病そして別れ。 すべて等しく「生命」について綴ったエッセイ。漫画家・エッセイストである著者は、吉本隆明の長女であり、よしもとばななの…

雪の楽しみ

まっしろ。 『ゆきふふふ』ひがしなおこ/さく、きうちたつろう/え、くもん出版東&木内コンビの「きせつのおでかけえほん」。 美しい絵とリズミカルな言葉がとっても素敵なシリーズです。これは、冬の絵本。雪の日には、特別な楽しさがある。 雪を丸めて、…

こわがりなトラ

なにがこわいの? 『こわがらなくていいんだよ』ゴールデン・マクドナルド/さく、レナード・ワイスガード/え、こみやゆう/やく、長崎出版とってもこわがりなトラのこは、いつもがたがたふるえていました。 「なにもこわがらなくていいんだよ」と、お父さ…

あなたも私も

通りすぎるまえに。 『ほんのちょっと当事者』青山ゆみこ/著、ミシマ社わたしたちが「生きる」ということは、「なにかの当事者となる」ことなのではないだろうか。 様々な社会問題を「自分事」として考えてみた社会派エッセイ。 社会派なのに明るくて、ユー…

猫を抱く

それぞれの幸せのかたち。 『猫は抱くもの』大山淳子/著、キノブックス東京郊外を流れる青目川に架かる「ねこすて橋」。 この橋では、夜になると猫たちが集会を開いている。 飼い猫、野良猫…それぞれの事情を持つ猫と人間たちが織りなす連作短編集。映画化…

賢治の愛

時代の波に消された恋。 『宮澤賢治 愛のうた』澤口たまみ/著、夕書房賢治には恋人がいた。生涯独身だったことから、その恋心は妹トシや親友に向けられたと解釈され「聖人」と呼ばれることの多い宮澤賢治。私は、賢治には結婚を考えるような恋人がいたこと…

冴子さんの日常

東京ライフ。 『冴子の東京物語』氷室冴子/著、集英社長電話魔の冴子さんは、莫大な長距離電話代を浮かすため、生まれ育った北海道から東京へ引越しをすることに。 1987年に書かれた、氷室冴子等身大のエッセイ。最近古本屋さんで見つけて、思わず手にして…

木彫りの猫

ねこをほる。 『はしもとみお猫を彫る』はしもとみお/著、辰巳出版猫ですか?いいえ、彫刻です。大人気の動物彫刻家、はしもとみおさんの初の猫作品集です。まるで生きているかのよう。 一瞬を切り取って木の中から彫りだされた猫たち。 圧巻の、猫まみれで…

ようこそ、トラ!

とら年ですね。 『おちゃのじかんにきたとら』ジュディス・カー/作、晴海耕平/訳、童話館出版お茶の時間に、突然ソフィ-の家を訪ねてきたとら。 おなかが空いているというとらを、ソフィーたちは快く招き入れます。 とらは、ソフィの家の食べ物や飲み物を…

2022

新年あけましておめでとうございます。毎度のことながら、猫とこたつで丸くなるお正月を過ごします。 キャットタワーで丸くなる猫。先が見えないコロナ禍ではありますが、ネコオドルは変わらずに、本との出会いを、そして本で繋がる人との出会いを、みなさま…

今年もありがとうございました

2021年もあとわずか。今年もありがとうございました。今年は、キジ(推定17歳)とのお別れがありました。 昨年、キジの子しゅんを見送っていたので、2年続けての悲しい出来事でした。今は4匹と暮らしています。ひょろひょろだった白茶のベル1歳は、プクプクに…

ぼうしつき

ずっといっしょ。 『わたしのマントはぼうしつき』東直子/作、町田尚子/絵、岩崎書店ふちのところがふさふさの、お気に入りの赤いマント。 雨がふっても雪がふっても、いつでも一緒。 悲しくっても恥ずかしくても、帽子をかぶれば大丈夫。くまと、うまと、…

白猫のクリスマス

わたしのサンタさん。 『サンタクロースのしろいねこ』スー・ステイントン/文、アン・モーティマー/絵、まえざわあきえ/訳、徳間書店世界で一番北にあるサンタクロースの家には、雪のようにまっしろな猫スノウがいます。 あるクリスマスイブのこと、スノ…

サンタさんのだっこ

ぎゅっ。 『だっこさんかいサンタクロース』角野栄子/作、よしむらめぐ/絵、小学館今日はクリスマスイブ。 サンタさんがちゃんと来てくれるか心配なアコちゃんとクマちゃんとトラトラちゃん。 みんなで一緒に、サンタさんをお迎えする準備をします。サンタ…

猫がいる百貨店

百貨店には魔法使いがいる。 『百貨の魔法』村山早紀/著、ポプラ社戦後の焼け跡のなかに、街の人々の希望として生まれ、愛されてきた星野百貨店。 創業50年を迎えた今、閉店が近いのではないかとささやかれている。 魔法を使う白い子猫がいるという噂がある…

読書会@小部屋

12月12日、寄居読書会でした。前回の開催が1月だったので、約1年ぶり。 コロナが少し落ち着いてきたので再開となりました。今は5人のメンバーで幹事を順番にまわしていくスタイルで行っていて、今回はMさんプレゼンツです。会場は図書館2階の素敵な小部屋を…

赤と青

『赤と青とエスキース』青山美智子/著、PHP研究所赤と青で描かれた女性の絵。 1枚の水彩画によってつながる5つの物語。今までの青山美智子さんの作品とは少し違う印象がありました。 でも読み終わると、これぞ青山さん、という感じなんです。じんわりとあた…

冬ごもりマルシェ

12月4日、冬ごもりマルシェ@桶川に出店しました。 会場は元郵便局だったというレトロで素敵な建物。 室内なので温かく、本の大敵である雨風日差しの心配もない快適な場所です。 ネコオドルのスペースはこちら。ブックイベントではないので、本は少なめ。 子…