ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

猫と日だまり

他にはない絵本。 『ひなたぼっこねこ』おづちともか/作、エディション・エフ猫の家には、東と西に窓があります。 猫とお日さまのおはなし。一筆箋のような姿のこの絵本。 子どもの手にもなじむかわいいサイズです。そしてこの絵本、フランス語が併記されて…

にゃおん

猫本はじめ。 『にゃおんのおはなし』いのまたむつみ/著、徳間書店イラストレーターいのまたむつみさんの愛猫イラストエッセイ。これはおそらく、私がはじめて買った猫本です。猫は好きだけど猫本や猫グッズには興味がなかった10代の私。 当時『風の大陸』…

母の願い

人魚伝説。 『赤い蝋燭と人魚』小川未明/文、酒井駒子/絵、偕成社小川未明の童話「赤い蝋燭と人魚」を、酒井駒子さんの絵で。北の海に棲む人魚の母親は、娘の幸せを願い、人間の老夫婦に託します。 でもやがて、欲に目がくらんだ人間によって、人魚の願い…

猫に媚びる

猫の幸せが私の幸せ。 『ネコに媚びる26の方法』エリザベス・キング・ブラウンド/著、弓場隆/訳、ベストセラーズA~Zまで、猫とうまく付き合う方法を教えてくれます。はじめに明かされる、この本が誕生するまでのいきさつがいい。 それは猫に仕える家族…

猫のおうち

「猫ちぐら」とも言うらしい。 『猫つぐらの作り方』誠文堂新光社/編、誠文堂新光社雪深い農村で、冬の手仕事として作られてきた伝統の工芸「猫つぐら」。 保温性の高い稲藁で、「かまくら」のような形に編んで作ります。本場の職人さんの「猫つぐら」は人…

ちまちまちま

縁起がいい。 『チマチマ記』長野まゆみ/著、講談社宝来家で飼われることになったネコ兄弟、チマキとノリマキ。 猫目線で描かれる、変わった家族と美味しい料理の物語。居候もいて複雑な家族関係、しかも名前がみんな変わっているためかなかなか覚えられな…

万葉

言の葉の調べ。 『万葉集』リービ英雄/英訳、中西進/日本語現代語訳・本文、井上博道/写真、パイインターナショナル万葉集のなかから厳選された和歌の英語訳集。 美しい写真が添えられた、文庫サイズの本です。図書館の講座で万葉集を何年か担当していま…

猫の魔法

猫の想い。 『猫が魔法を使うとき』松井雄功/絵、田中マルコ/文、幻冬舎猫は愛する人のためにとっておきの魔法を使います。子猫との出会いから別れまでの猫の一生と、24の「猫の魔法」。 猫をかわいがっている人には染みる本です。猫の何気ないしぐさや…

絵本から飛び出して

囲まれてみたい。 『絵本の国のぬいぐるみ』原優子/著、白泉社ぐりとぐら、こねこのぴっち、ビロードのうさぎ。 ぼくの小鳥ちゃんから、ちいさいおうちまで。 絵本でおなじみのキャラクターをぬいぐるみで作れる、夢のような本です。私は、数年前、こねこの…

タックチック

この本を持っている人に出会いたい。 『Tuck Chick Born』大川久乃/ことば、関澤絵里子/え、婦人生活社前向きな言葉いっぱいの、大人のための優しい絵本。私が大型書店でアルバイトをしていた時のこと。 この本が発売されて、平積みになっていました。 個…

街を変える

街と本屋。 『街を変える小さな店』堀部篤史/著、京阪神エルマガジン社京都の個性的な個人店を取材した本。当時の恵文社一乗寺店店長による、街のなかで小さなお店を続けていくためのヒントが詰まった1冊です。著者の堀部さんは、現在は誠光社の店主さん。…

よるくま

くまのこが来たんだよ。 『よるくま』酒井駒子/作・絵、偕成社夜中にやってきたくまの子「よるくま」と、くまのお母さんを探しに行った男の子のお話。夜の眠りにつく前に、ベッドのなかでお母さんに話して聞かせた、ぼくと「よるくま」との冒険のこと。 お…

森のピアノ

大切なもの。 『クマと森のピアノ』デイビッド・リッチフィールド/作、俵万智/訳、ポプラ社ある日森の中でピアノを見つけたこぐまのブラウン。 ピアノの演奏は森のクマたちにも大人気です。 やがて森を出て、街でピアニストとして成功しますが…。「成功す…

しずく

水の絵本。 『しずくのぼうけん』マリア・テルリコフスカ/さく、うちだりさこ/やく、ボフダン・ブテンコ/え、福音館書店バケツから飛び出したしずくの、ながーい冒険の旅。水のことがよくわかる絵本。 姿を変えて世界中を飛びまわる「しずく」の様子を描…

街を灯す

本屋好きの本。 『街灯りとしての本屋』田中佳祐/著、竹田信弥/構成、雷鳥社街の小さな本屋さんをはじめた11店舗の店主が語る、本屋をはじめるまでのこと、そしてこれからのこと。双子のライオン堂さん発行の文芸誌『しししし』のメンバーが贈る、本屋の本…

パリの

おじさん大集合。 『パリのすてきなおじさん』金井真紀/文と絵、柏書房パリのおじさんをインタビュー&スケッチ。おしゃれな装丁、パラパラめくった感じもおしゃれ。 軽い本なのかと思いきや、いろいろなおじさんの生き様からフランスという国や世界を見る…

えふ

身近に潜む不思議の穴。 『f植物園の巣穴』梨木香歩/著、朝日新聞出版歯痛に悩む植物園の園丁が落ちた椋の木の巣穴の向こう側は、異界でした。動植物の摩訶不思議。 淡々としていてユーモラスで、気をつけていないと迷子になる。 いつの間にかあっちの世界…

みずみずしい

さすらいのウェイターの話がお気に入り。 『やわらかなレタス』江國香織/著、文藝春秋江國香織さんのエッセイ。 美味しそうな食べ物がたくさん出てきます。 本にまつわるお話も所々にあり、その本もまた読んでみたくなる、本好きには嬉しいエッセイでもあり…