ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本の本・本屋さんの本

校正という仕事

残さない仕事。 『文にあたる』牟田都子/著、亜紀書房 フリーランスの校正者による、校正エッセイ。 校正という仕事にとても惹かれます。 日ごろから牟田さんのSNSも拝見しているのですが、牟田さんが発する校正に対する言葉を聞いていると、ふと思うことが…

小さな出版社

小さいけど、大きい! 『日本でいちばん小さな出版社』佃由美子/著、晶文社ある日突然、出版社になってしまった著者の奮闘を綴った体験記。この本、装幀やタイトルから勝手にイメージしていたのとは、ぜんぜん違いました。 なんとなく、穏やかで和やかにコ…

だから本をつくる。

大切な人に届けるために。 『あしたから出版社』島田潤一郎/著、晶文社設立から5年目に綴られた「夏葉社」誕生までの日々、そしてそれからの歩み。1冊1冊こだわりぬいて作られた本に、ファンも多い夏葉社。いつかネコオドルで夏葉社さんの本を扱いたいな、…

千年の読書

通りすぎていった本たち。 『千年の読書 人生を変える本との出会い』三砂慶明/著、誠文堂新光社人生を変える本と出会えるのは偶然なのか。 本に人生を何度も助けられてきたという書店員が綴る読書エッセイ。冒頭で、俳優を目指していた著者の友人の話が出て…

歴史に埋もれる

元祖ひとり出版社。 『第一藝文社をさがして』早田リツ子/著、夏葉社戦前のひとり出版社「第一藝文社」の知られざる軌跡を描く。戦前の小さな出版社に興味を持って調べる。 そんな風変わりなことをする人が私以外にもいたのかと、勝手ながら同士の活動報告…

うろ覚え

曖昧上等! 『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』福井県立図書館/編著、講談社図書館で探している本のタイトルが、うろ覚えだったり、ざっくりあいまいだったり。 そんな覚え違いの中から厳選した面白おかしい90タイトルの事例集です。うろ覚えでも大…

本と旅する

本と旅は相性がいい。 『本とあるく旅』森まゆみ/著、産業編集センター旅先での本をめぐる断想を綴ったエッセイ集。名作の舞台や作家の故郷をめぐり、旅先での思いかげない本との出会いを楽しむ。名作の舞台をめぐる、と言えば、近頃は聖地巡礼といわれるア…

外は嵐

ヒグチユウコさんの美しい装画。 『図書館の外は嵐』穂村弘/著、文藝春秋歌人・穂村弘さんの読書日記。小説から歌集、漫画や絵本など、幅広いジャンルから本を紹介しています。日記形式なので、次に手にする本への流れがとても自然で、穂村さんの日常の読書…

ブックオフ

愛にあふれてる。 『ブックオフ大学ぶらぶら学部』夏葉社ブックオフを愛する人々による、ブックオフの魅力と思い出。私もブックオフが大好きです。 深谷の国道沿いにある2店をはしごすることも。頭の中にある「探している本リスト」を思い浮かべながら棚をチ…

図書館の人

本の探偵。 『司書のお仕事 お探しの本は何ですか?』大橋崇行/著、小曽川真貴/監修、勉誠出版司書という仕事に興味を持っている人に向けて、司書の仕事を物語形式でわかりやすく伝える1冊。最近2巻目が出版された『司書のお仕事』。 まだ読んでいなかった…

シェイクスピア

伝説の本屋さん。 『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー/著、市川恵里/訳、河出書房新社パリ・左岸にある伝説のシェイクスピア&カンパニー書店に偶然住みつくこととなった、カナダから来た元新聞記者による回想記。これほ…

橙色の

まちの人と本。 『橙書店にて』田尻久子/著、晶文社お店で出会う人たちのこと、本のこと。 熊本で橙書店を営む店主が綴るエッセイ。なにげない日々のなかで出会う、お守りのような言葉たち。 背中をおしてくれたり、勇気づけてくれたり。 そのひとつひとつ…

めんどくさい

私もめんどくさい本屋です。 『めんどくさい本屋』竹田信弥/著、本の種出版100年後まで残る本屋を。 東京・赤坂の選書専門書店『双子のライオン堂』の店主の、これまでとこれから。本屋はお守り、という言葉にグッときました。 私も本屋をはじめて、同じよ…

本の魔法

本も人も癒します。 『ルリユール』村山早紀/緒、ポプラ社ひと夏を過ごすことになった風早の街で、瑠璃はルリユール職人のクラウディアと出会う。 大切な本と、本にまつわる人々の思い出を癒していく、不思議な物語。現実とファンタジーの境界がなく、いつ…

詩集を愛でる

手作りのぬくもり。 『明治・大正 詩集の装幀』工藤早弓/著、紫紅社明治・大正に発行された詩集コレクション。 美しいデザイン、温かみのある活字に魅了されます。今では考えられないくらい贅沢に、1冊1冊に人の手の存在を感じます。実物を手にすることはな…

夢の本屋

猫本屋が見る夢。 『夢の猫本屋ができるまで』井上理津子/著、ホーム社東京の三軒茶屋にある猫本屋Cat's Meow Booksができるまでを丁寧に追った本。店主の安村さんが7期生として受講したBUKATSUDOの「これからの本屋講座」、私も10期生として受講しました。…

毎日の本

本を読むということ。 『365日のほん』辻山良雄/著、河出書房新社荻窪にある本屋titleの店主、辻山さんが選んだ365冊の本。 ジャンルもばらばらに季節にあわせて紹介された本たちを、その紹介文から想像するのも楽しい1冊です。図書館で働き本屋で働き、本…

しるし本

愛され本屋さん。 『ほんやのポンチョ』にしのあきひろ/著、幻冬舎商売は下手だけど、好きな本に囲まれているから幸せなポンチョ。 売り物なのに、面白い本に書き込みをしたり折ったりしてしまうのがクセでした。 そんな本が「世界にひとつだけのしるし本」…

愛された書店

本の力を信じた人生。 『アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』カウテル・アディミ/著、平田紀之/訳、作品社1936年、アルジェ。 21歳で、書店「真の富」を開業し、出版社を起こしたエドモン・シャルロ。 第二次大戦とアルジェリア独立戦争のうねりに翻弄…

街を変える

街と本屋。 『街を変える小さな店』堀部篤史/著、京阪神エルマガジン社京都の個性的な個人店を取材した本。当時の恵文社一乗寺店店長による、街のなかで小さなお店を続けていくためのヒントが詰まった1冊です。著者の堀部さんは、現在は誠光社の店主さん。…

街を灯す

本屋好きの本。 『街灯りとしての本屋』田中佳祐/著、竹田信弥/構成、雷鳥社街の小さな本屋さんをはじめた11店舗の店主が語る、本屋をはじめるまでのこと、そしてこれからのこと。双子のライオン堂さん発行の文芸誌『しししし』のメンバーが贈る、本屋の本…

水の近くで

熊本の久子さん。 『みぎわに立って』田尻久子/著、里山社熊本で橙書店を営む田尻久子さん。 熊本地震のあと、店舗を移転された橙書店。旧店舗での思い出と新しいお店の日々の気づきが織りまぜられた、みずみずしいエッセイ集です。雨や川など、水にまつわ…

糸で紡ぐ物語

糸の彩り。 『刺繍小説』神尾茉利/著、扶桑社物語のなかに登場する刺繍するシーン。 そこから妄想をふくらませて作り上げた刺繍作品は、物語の世界を鮮やかに彩ります。1年くらい前に読んだ群ようこさんの『れんげ荘』にも刺繍のシーンが登場するのですが、…

人生を変えた本屋さん

表紙の猫がいいですね。 『人生を変えた本と本屋さん』ジェーン・マウント/著、清水玲奈/訳、エクスナレッジその名のとおり。 世界中の素敵な本屋さんと読書家の人々の愛読書をイラストで紹介するオシャレな1冊。ぺらぺらとめくってみて、はじめてこの本の…

イワナミ少年

子どものための特別な本。 『本へのとびら ー岩波少年文庫を語る』宮崎駿/著、岩波書店Twitterで岩波少年文庫が盛り上がっているので、この本をご紹介せずにはいられません。 この本では、宮崎駿さんが選んだ岩波少年文庫50冊が紹介されています。スタジ…

本屋のドラマ

行ってみたい本屋です。 『燃えよ、あんず』藤谷治/著、小学館フィクショネスという、下北沢に実在していた本屋さんのお話。著者の藤谷治さんのお店です。私は行ったことがなかったのですが、フィクショネスに実際に行ったことがある人が、この本を教えてく…

本の街

いつか訪れたい夢の街です。 『世界のかわいい本の街』アレックス・ジョンソン/著、井上舞/訳、エクスナレッジ世界の小さくてかわいい41の本の街を集めました。日本で「本の街」といえば、神保町。 世界中にもこんなにたくさん「本の街」があるなんて、本…

ギフト

贈り物のような本。 『本を贈る』三輪舎本をつくり、本を届ける10人がそれぞれに綴った言葉を集めました。いろいろな人の手を経て本はつくられ、私たちの手に届きます。 装丁家、校正、出版社、印刷会社、本屋…。 1冊の本が手元に届くことはまるで奇跡のよう…

本を売る

イタリアの本屋を知る。 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子/著、方丈社ヴェネチアの古書店からはじまる、イタリアの小さな村モンテレッジォの本を売る行商人たちの物語。最初からぐいぐい引き込まれて、所々に差し込まれた写真に心動…

本屋の猫になりたい

安定感半端ない女主人、登場です。 『ほんやのねこ』ヒグチユウコ/絵と文、白泉社『せかいいちのねこ』のシリーズ第3弾は、ほんやのねこです。 ひとくせあるお客さんたちに、本屋の主人はそれぞれにぴったりの本をおすすめします。猫好きの本屋好きにはた…