死刑執行のカウントダウン。
妻と喧嘩して家を飛び出し、街をさまよっていたスコットは、奇妙な帽子をかぶった女と出会う。
気まぐれで女と食事や観劇をし家に帰ると、妻は殺されていた。
スコットは自分の潔白を証明するために女を捜すが…。
防犯カメラや科学捜査、パソコンも携帯電話もなく、人々の記憶だけが頼りの時代。
そんななかで誰もが口々に「そんな女はいなかった」と証言する怖さ、そして絶望。
一緒にいたあの女は幻なのか。
ゾクゾクして続きが気になり、一気読み。
何も考えずにただ物語の世界に没頭したいと手にとった1冊。
ドンピシャでした。
私が読んだのは稲葉明雄訳の旧版ですが、今は黒原敏行訳の新訳版が出ています。
旧版は少し古めかしい表現があるので、新訳の方が読みやすいのかも。
冒頭の一文が素敵。
1942年に書かれたミステリーです。