ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

愛情のリレー

『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ/著、文藝春秋そこそこ性格がひねくれている私は、本屋大賞とか直木賞とか芥川賞とか「受賞したから読もう」とはならず、どちらかというと「受賞したんだからいい本に決まってるし、私が読まなくても大丈夫でしょ」…

読書会@ネコオドル

4月28日、ネコオドルで読書会を開催しました。 寄居読書会の第11回目です。課題本は武者小路実篤『友情』 参加者は5名。私は今回はじめて『友情』を読んだのですが、読んでも読んでも恋愛のお話で、友情らしくない。『友情』というより『片思い』の方がいい…

フワフワさん

生きるように働くとはこういうことかもしれません。 『フワフワさんは けいとやさん』樋勝朋巳/文・絵、福音館書店フワフワさんは毛糸屋さん。 毛糸を売るだけでなく、編んだ商品を提供したり、編み物教室をしたりと大忙しです。 そんなフワフワさんがある…

一緒に食事を

おいしいお酒を。 『センセイの鞄』川上弘美/著、文藝春秋駅前の居酒屋で高校の恩師の先生と、十数年ぶりに再会したツキコさん。肴をつつき、酒をたしなみ、ゆったりとした2人の時間は流れていきます。 40歳目前の女性と、30と少し年の離れたセンセイの、切…

桜色

少女とりゅうの友情。 『さくらいろのりゅう』町田尚子/作、アリス館いつもひとりぼっちの少女コイシに初めてできた友だちはりゅうでした。 ある日、りゅうがコイシに青いうろこをくれたので、コイシは自分の宝物の桜色の貝と交換します。 そのうろこが、村…

本屋ときがわ町

4月20日、埼玉県ときがわ町のiofficeにて「本屋ときがわ町」がオープンしました。ときがわ町には本屋さんがありません。 そのときがわ町にちいさな本屋さんを町中にたくさんつくり、本の街をつくる「本屋ときがわ町」プロジェクト。 その記念すべき最初の1日…

うちのこ。

久々、うちのこ。 ニャンモナイト。母と娘。 ニャンモナイト。息子。まるい。

夢をのせて走ります

1度は乗ってほしい! 『ぼくはSLパレオエクスプレス』おいかわまゆみ/作、クリハラマリ/絵、秩父鉄道役目を終えて、小学校のかたすみでお休みしていたSL。 ある日、整備されてまた走ることになりました。 いつか走っているSLに乗ってみたい、と言ってくれ…

社会のかけら

とらえどころのないものたち。 『断片的なものの社会学』岸政彦/著、朝日出版社社会学者とは、いったいどんなことをしている人たちなんだろう。テレビで過激な発言をしている人も、大学のあの人も、社会学者だという人はよく見かけるけどその中身をよく知ら…

野菜をそだてる

野菜と一緒に大きくなろう。 『ソフィーのやさいばたけ』ゲルダ・ミューラー/作、ふしみみさを/訳、BL出版ソフィーがいなかのおじいちゃんとおばあちゃんの家で野菜づくりを体験した1年を描いた絵本。 いろいろな野菜が出てきて、四季を通じた野菜づくり…

水の不思議

託された思い。 『みずとはなんじゃ?』かこさとし/作、鈴木まもる/絵、小峰書店昨年5月に92歳で逝去されたかこさとしさん。 これはかこさとしさんが亡くなる直前まで手がけていた絵本です。 絵を手がけたのは、鳥の巣研究でも有名な絵本作家、鈴木まもる…

ネコオドル、次のステップへ。

駅前のチャレンジショップスペースで開店して約9ヶ月。 いろいろな気づきがあります。はじめてみなければわからなかったことは、それはもうたくさんあって、そのチャンスをいただけたことはこの上なく幸運なことでした。チャレンジショップという制度は、開…

日本の神話

大迫力! 『スサノオ』飯野和好/文・絵、パイインターナショナルアマテラスのおさめる高天原で騒ぎを起こし、地上界に追放されたスサノオ。 八岐大蛇から美しい娘クシナダを救うため、大蛇を退治することに。 スサノオと八岐大蛇の闘いをダイナミックに描い…

夢のタッグ

あなたはだあれ? 『こうちゃん』須賀敦子/文、酒井駒子/画、河出書房新社本屋さんで偶然見つけるまで、須賀敦子さんがこんな物語を残していたとは知りませんでした。 須賀さんの洗練された文章と、酒井駒子さんの透き通るような優しい絵。 小さい子どもへ…

猫とピンク

『モンテロッソのピンクの壁』江國香織/作、荒井良二/絵、集英社夢に出てきたピンクの壁。 モンテロッソに行かなくちゃ! 猫のハスカップの旅の物語。江國香織さんの猫絵本。 絵本にはまだあまり興味がなかった20代前半のころ、文庫で手に入れました。 私…

お茶してかない?

ナンパの手口じゃないです。 『「うちでお茶する?」のコツ100』三宅貴男/著、雷鳥社タイトルがよくて、手に取りました。 「うちでお茶する?」 最近じゃなかなか言わないし、聞かなくなりました。この本にはコーヒー、紅茶、ハーブティー、日本茶、中国…

橋をめぐる

橋をめぐる。 『いつかのきみへ』橋本紡/著、文藝春秋東京の深川にかかる6つの橋をめぐる、6つの短編集。それぞれ何かに悩み、人生につまづいた人々。 橋を渡り、人々と出会い、少しずつ世界が動き出すような物語です。私の生まれ育った家はすぐ近くに橋が…

はじまりの物語

ホラーとファンタジー。 『魔性の子』小野不由美/著、新潮社日本のファンタジーが好きだと話すと、「十二国記いいですよね!」とかなりの確率で言われます。もちろん読んでるでしょ、のノリです。あぁ、読んでないんです…。私が十二国記シリーズを読んでい…

カエルのジャンプ

甲斐さんのやさしいまなざし。 『のげしとおひさま』甲斐信枝/さく、福音館書店甲斐信枝さんの絵本は、小さな草花への愛であふれています。 雑草と呼ばれてしまうような、道ばたに生えている草花。 その姿をじっと見つめ、語りかけ、甲斐さんの絵本は生まれ…

読書会@桜の下

3月30日、寄居町の鉢形城址のエドヒガン「氏邦桜」の満開の下で読書会を開催しました。 寄居読書会の第10回目、ネコオドルを飛び出してお花見読書会です。課題本は坂口安吾『桜の森の満開の下』 参加者は8名。まずはネコオドルに集合。 みんなで散策しながら…