ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

たくさんサンタ

1人でいいから会いたい。

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『100にんのサンタクロース』谷口智則/作・絵、文溪堂

あるところに100人のサンタクロースが住むまちがありました。
サンタさんは100人みんなで協力してクリスマスの準備をします。
そしてみんなにプレゼントを配り終わったあとは…?

個性的なサンタクロースが100人も!
この表紙、圧巻です。
思わず数えたくなっちゃう。

あなたのお気に入りのサンタさんを探してくださいね。

クリスマスが楽しみになる、夢あふれる絵本。

おしゃれでかわいい、プレゼントにも喜ばれる1冊です。

十二国の戦い

心の中で「高里くん」と呼んでいます。

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『白銀の墟 玄の月』全4巻、小野不由美/著、新潮社

早く続きが読みたい、でも読み終えたくない、というせめぎ合い。
少しずつ読み進めたけど、最後の数章はもう止められず、寝不足覚悟で深夜まで読んでしまいました。

18年ぶりの新作、という十二国記
そんな記念すべき年とは知らずに、私は偶然今年、このシリーズを読み始めました。
そしてハマった。
見事に。

陽子とか、泰麒とか、この世界から十二国に行った人物に共感しやすく、とくに泰麒はとにかく気になるキャラクターだったので、その泰麒の話が読めて嬉しかったです。
泰麒はいままで客観的に描かれることが多く、その心情はわかりにくい存在だったのですが、この新作ではそのあたりも細やかに描かれていて、それはもう泣けてしまいます。

まだこの十二国記を読んだことのない人は、ぜひ手に取ってほしい。

この世界を知らずに生きてきた年月を振り返り「なんてもったいないことをしてきたんだ…!」と自分に憤慨した私からは、とにかく読んでほしいというメッセージを送ることで、自分を慰めていきたいと思います。

布の絵本コンクール

12月7日、群馬県桐生市の有鄰館で開催中の手づくり布の絵本全国コンクール展へ行ってきました。

2年に1回開催されるこのコンクール、今年は11回目。
私は第8回目から毎回訪れています。

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会場の有鄰館は桐生市指定重要文化財に指定されている11棟の建物群で、歴史あるレンガ造りの蔵がさまざまな催し物の会場として使用されています。

桐生市は絹織物の産地として栄えた街。現在も買場紗綾市や桐生ファッションウィークなど、織物に関連したイベントが盛んに行われています。

そんな桐生市だからこそ布絵本にも力を入れているのでしょう。市内には布絵本グループがたくさん存在するようです。ひとつの自治体に1グループあるだけでも恵まれている地域からすると、とても羨ましく、目指すべき存在です。

私は主に図書館の仕事のなかで布絵本普及のための活動しているのですが、実際、図書館と布絵本グループはセットになって活動する自治体が多いです。ボランティアとして布絵本を作り、図書館がそれを買い取り図書館資料として貸出をする、という流れ。製作費を図書館が出すところもありますが、どちらにしても図書館の協力がないと作品は作れず、そうなると、活動自体が狭い範囲のものになりがちです。

でも、複数のグループがそれぞれの作品作りをしている桐生市のグループの作品を見ていると、それとは違うものを感じます。桐生市にとっての布絵本は、もっと自由で、布絵本それ自体が可能性を持っているような。
うまく表現できないのですが、桐生市の布絵本は、とても生き生きと存在しているように感じました。

さて、全国コンクール。
全国というだけあって、東京、埼玉、神奈川などの関東圏はもちろん、九州など遠くからの参加もありました。
グループでの出品はもちろん、個人での出品も多くあります。

長年見てきた分析では、受賞する作品は、大型で物語性のある作品が選ばれる傾向があるなと思います。
そしてそれは、子どものための絵本というより、大人に技術を見せるための絵本。
私個人としては、もっと子ども目線で楽しめる作品、作成者も楽しんで作ったことが伝わってくるような作品が、もっと評価されるといいなと思っています。

2年に1回の布の絵本コンクール。
もう今から新しい作品作りをはじめる人もいるのかも。
また2年後が楽しみです。

キノ

エルメスは言葉を話す二輪車です。

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キノの旅時雨沢恵一/著、KADOKAWA

キノとエルメスの旅の物語。

都内の学校図書館に勤めていた頃、このシリーズは生徒たちに人気で、イラストも素敵だったので気になっていたものの、読んだことがありませんでした。

そんなずっと気になっていた本、少し前に入院した時に友人が贈ってくれて、ようやく読むことができました。

旅の先で行き着いた国。出会う人々。
描かれる物語はとても静かで、深い。

いわゆるライトノベルですが、大人でも考えさせられることが多いと思います。

人気のシリーズ、22巻まで刊行されていて、学園モノの『学園キノ』もあります。
キノの世界にどっぷり浸かってみるのはいかがでしょうか。

猫とターシャ

ターシャの猫本。

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『こねこのクリスマス』ターシャ・テューダー/絵、エフナー・テューダー・ホールムス/作、辻紀子/訳、いのちのことば社フォレストブックス

自然豊かな森の中で昔ながらの伝統を大切に暮らしていた絵本作家のターシャ・テューダー
絵本のなかでも特に描かれてきたのが、クリスマスです。
これは、そんなターシャのクリスマス絵本のなかでも、猫が登場する猫本。
私にとっては特別な1冊です。

温かい絵と、やさしい笑顔を誘うしあわせな物語。
クリスマスには特別なことが起こるんですね。

動物好きのすべての人に読んであげたい、素敵な絵本です。

世界の猫

旅も猫も大好き。

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『世界の美しい街の美しいネコ』小林希/著、エクスナレッジ

世界中の美しい街と猫をめぐる旅。

旅エッセイで知られる小林希さん、私にとっては猫旅本作家さんです。
『日本の猫宿』はもちろんのこと、『週末島旅』は表紙が猫ですからね。

この本は、世界54の街とそこで出会った猫の本。
旅本として読んでも猫本として読んでもOKの、美しい写真満載の1冊です。

猫って、その国の顔をしているよなあ、と、世界の猫の写真を見ると思います。
おなじ猫でも、日本で暮らす猫は日本の顔をしている。
日本に生まれてきてくれてありがとう。

実はこの本、最近、完全版が発売されました。
そちらも気になる…。

旅も猫も愛する人による、旅と猫を愛する人へ贈る本。

美しい鳥

ブルガリアの昔話です。

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『金の鳥』八百板洋子/文、さかたきよこ/絵、BL出版

王に命じられて金の鳥をさがす旅にでた三人の王子。
途中で出会ったおじいさんの忠告をきいた勇気ある末の王子は…。

古くからの昔話の要素がたくさんつまっています。
読みながら、これはストーリーテリングにしてみたい、と思いました。
物語の持つ世界の素晴らしさに引き込まれるのがわかりました。

そしてこの絵本は、絵がすばらしい。
幻想的なのにどこか素朴な雰囲気をもつ絵が、物語の世界にぴったりです。

大判がうれしい、美しい絵本です。