ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

風をつくる

猫のひみつのお仕事。

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『ねこの風つくり工場』みずのよしえ/作、いづのかじ/絵、偕成社

町を吹く風は、じつは猫たちの秘密の工場で作られています。
猫たちが今日にぴったりの風を作るため奮闘する毎日をえがいた物語。

飼い猫も野良猫も、猫はみんなここで働いているんですって。
しかも、猫たちはとってもいそがしく働いているらしい。

工場見学に行きたい!
職場体験に行ってお手伝いしたい!

とっても魅力的な仕事場です。

そんな風つくり工場で働く猫たちのお話が3つ。

灰色猫ブラリのいたずら事件。
白猫スノウのホットミルク問題。
新入社員の風変わりな猫ハック。

ちびの黒猫ノロロや三毛猫の工場長など、個性的な猫たちも登場して、風つくり工場の物語を楽しく織りなします。

シリーズで5冊発売されています。
どれも小さなお話が3つずつ。

小学生のみなさんに教えてあげたいワクワクする猫の物語です。

鳥と草木と

そこにいるかのよう。

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『草木鳥鳥文様』梨木香歩/文、ユカワアツコ/絵、長島有里枝/写真、福音館書店

梨木香歩による、四季の野鳥と植物をめぐるエッセイ集。

画家・ユカワアツコさんが鳥の絵を描いているのは、古い「引き出し」の底。
その「引き出し」を、写真家・長島有里枝さんが撮影しています。

思い思いの場所で撮影された36点のカラー写真の、凛とした佇まい。
どんな場所もその瞬間、古道具の一部のような、物語のある空間となって切り取られています。

ため息がもれる美しさ。

四季を告げる鳥たちと植物たち。
田舎に暮らしていると、それは身近な存在で決して特別なものではありません。

梨木香歩さんのエッセイはそんな「身近」な空気を存分にまとっていて、親近感がわきました。

美しくありながら親しみの持てる本。
贈り物にしたくなる素敵な1冊です。

洋食好き

行ってみたいお店。

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『ねこのようしょくやさん』KORIRI/さく・え、金の星社

ねこの洋食屋さん。
ハンバーグが大人気です。

定員さんもお客さんも、みんなふっくら、ぽっちゃり。

おいしい洋食を食べてたら、そうなりますよね。
幸せそうなふくよかねこちゃんがたくさん登場します。

マタタビスパイスがきいた肉球印のハンバーグ、私も食べてみたい。

見ていて幸せ気分になれる猫絵本です。

空を自由に

幻想の青空。

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『もうひとつの空の飛び方』荻原規子/著、KADOKAWA

古典、ナルニアジブリまで。
荻原規子さんの「ファンタジーのDNA」を育んだ名作を紹介するブックガイド。

『ファンタジーのDNA』を文庫化したもの。
単行本の一角獣のイラストが美しい表紙も好きでしたが、文庫版の酒井駒子さんのイラストも素敵です。

大好きな作家さんがどんな本を読んできたのか。
読んだことのある本や好きな本が紹介されていると、この上なく嬉しくなります。

読んだことのない本は私も読んでみたいと思うし、チャレンジしたけど挫折した経験のある本などが登場したら、これは再チャレンジせずにはいられないと思うわけで。

数年前に単行本『ファンタジーのDNA』を読んだ後にも、紹介されていた本を探しては読み、探しては読みして、お気に入りの本がどんどん増えていきました。

その時に読めなかった本たちを、また探しては読みたいと思います。

ブーちゃん

いつの時代も子猫は可愛い。

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『ブーちゃん』藤城清治/絵・文、講談社

捨て猫だったブーちゃん。
拾われたり、飼い主が変わったり、ほかの家に入り込んだり。

「ここがぼくのうちだ」
小さいブーちゃんの、たくましく生きる日々。

美しい影絵を作り出す作家・藤城清治さん。
これは最初に出会った猫のお話だそうで、60年くらい前というから驚きです。

全然古い感じがない。
独特のタッチで描かれる子猫のなんと可愛らしいこと!

いきいきとした子猫の可愛らしさはいつの時代も変わらないんだと嬉しくなります。

猫は幸せを見つけるのが上手なんだな。
ブーちゃんを見ているとそんな風に思います。

子猫が可愛いことをひたすらに訴えてくる、一度見たら手放せなくなる猫絵本です。

借りたら返す

約束。

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『古文書返却の旅』網野善彦/著、中央公論新社

戦後の混乱期、漁村文書を収集・整理し、資料館設立を夢見る壮大な計画のもと、全国から大量の文書が借用された。
しかし、事業は打ち切りとなってしまい、大量の未返却の文書が残されてしまった。
後始末を託された著者の、古文書返却の旅。

森まゆみさんの『本とあるく旅』でこの本を知りました。

借りた古文書を何十年も返してないなんて!

そんなことがあるのかと強く興味をひかれて、この本を手に取りました。

網野さん自ら「失敗史」と言っているようにあまり誉められたことではないですが、律儀に頭を下げてまわった返却行脚はそれだけに終わらず、新たに得るものも大きかったようです。

借りたものは返す。

そんな当たり前のこともままならなくなるほど、社会全体が混乱し激動していた時代の空気に触れることができる、貴重な記録です。

食べると危険

私も勉強します。

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『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑』服部幸/監修、ねこねっこ

大切な猫を、身近にある危険から守るために。
食べると危険なモノの情報を丁寧に紹介しています。

当たり前に家の中にあるモノが、猫にとっては危険なモノかもしれない。
猫飼いさんなら「わかってるよ、そんなこと」だと思います。
でも、「じゃあ何がどう危ないの?」という疑問に対して、きちんと答えるのは難しい。
なんとなく理解して、なんとなく対処していただけの人は少なくないと思います。
私を含めてね。

そんな多くの猫飼いさんにとって、これは待望の本!

猫を危険から守るだけでなく、人の安心にもつながる大切な1冊です。

猫の誤食や中毒はなんとしても防ぎたいものです。
それでも、どんなに注意していても起こってしまう可能性はゼロではないから、冷静に対応できるように正しい知識を身につけておきたい。

猫は「痛い」「苦しい」って話せないから。
飼い主が気づいてあげるしかないんです。

正しい知識は、いざという時に役に立ちます。
猫と暮らす人は手元に持っていたい1冊です。