ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

今年もありがとうございました

2019年最後のブログは、ちょっとだけ振り返りを。今年はなんといっても、チャレンジショップ卒業からの新店舗開店。 移転先は元たばこ屋さんだった、小さな小さな店舗です。1週間に1,2日だけの営業になりましたが、その分、本ともお客さまともきちんと向き…

虹と蛇

今年最後の本の紹介です。 『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお/著、河出書房新社いじめがきっかけで学校に行けなくなった、小学6年生の火村ほのか。 たどり着いたおんぼろ図書館でみどり色の司書、謎の少年、そしてたくさんの本に出会い、ほのかの世界…

アイスクリン

文明開化の音がする。 『アイスクリン強し』畠中恵/著、講談社江戸から明治に変わり、文明開化の音が聞こえる東京。 念願だった西洋菓子店を開いたミナこと皆川真次郎の元に、甘いお菓子を求める「若様組」がやっかいな騒動と一緒にやってくる!チヨコレイ…

猫と袋

袋があったら入ります。 『そらとぶそりとねこのタビー』C・ロジャー・メイダー/作・絵、齋藤絵里子/訳、徳間書店ある真夜中、ねこのタビーがひょいっと入ったからっぽの袋は、サンタさんの袋でした。 いつのまにかサンタさんのおうちへ来てしまったタビ…

もみの木

ワイズ・ブラウンのクリスマス絵本。 『ちいさなもみのき』マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく、バーバラ・クーニー/え、かみじょうゆみこ/やく、福音館書店森のはずれに、さみしく立つ1本の小さなもみの木。 冬になると、とある家に運ばれてクリスマ…

読書会@リカ

12月8日、寄居読書会でした。 前回に引き続き、アトリエ・リカさんにて。 2階の、アンティーク家具に囲まれた素敵な小部屋です。第18回目、課題本はディケンス『クリスマス・キャロル』、村岡花子訳。 今回も写真を撮り忘れたので、主催佐藤さんのブログから…

違いのわかる人

違いがわかる大人になりたい。 『ちがいがわかるいきもの図鑑』成島悦雄/監修、小林万里子・仲島綾乃/絵、高橋書店タヌキとアライグマの違い、わかりますか?違うことはわかるけど「どう違うの?」って聞かれると答えられなかったり。そんな曖昧な認識のな…

ぐりぐらのクリスマス

名コンビのクリスマス。 『ぐりとぐらのおきゃくさま』中川李枝子/さく、山脇百合子/え、福音館書店ぐりとぐらが雪の上に見つけた大きな足あとは、自分たちの家までつづいていました。 しかも、玄関には真っ赤なコートが…。 みんな大好きぐりとぐらの、ク…

マチネ

運命には、時間も距離も関係ない。 『マチネの終わりに』平野啓一郎/著、文藝春秋3年位前に出会った本。 読み終えた時の感覚を忘れられません。 あまりにも深く意識を持っていかれてしまって、すべての感覚を現実に取り戻すのに時間がかかりました。上質な…

たくさんサンタ

1人でいいから会いたい。 『100にんのサンタクロース』谷口智則/作・絵、文溪堂あるところに100人のサンタクロースが住むまちがありました。 サンタさんは100人みんなで協力してクリスマスの準備をします。 そしてみんなにプレゼントを配り終わっ…

十二国の戦い

心の中で「高里くん」と呼んでいます。 『白銀の墟 玄の月』全4巻、小野不由美/著、新潮社早く続きが読みたい、でも読み終えたくない、というせめぎ合い。 少しずつ読み進めたけど、最後の数章はもう止められず、寝不足覚悟で深夜まで読んでしまいました。1…

布の絵本コンクール

12月7日、群馬県桐生市の有鄰館で開催中の手づくり布の絵本全国コンクール展へ行ってきました。2年に1回開催されるこのコンクール、今年は11回目。 私は第8回目から毎回訪れています。会場の有鄰館は桐生市指定重要文化財に指定されている11棟の建物群で、歴…

キノ

エルメスは言葉を話す二輪車です。 『キノの旅』時雨沢恵一/著、KADOKAWAキノとエルメスの旅の物語。都内の学校図書館に勤めていた頃、このシリーズは生徒たちに人気で、イラストも素敵だったので気になっていたものの、読んだことがありませんでし…

猫とターシャ

ターシャの猫本。 『こねこのクリスマス』ターシャ・テューダー/絵、エフナー・テューダー・ホールムス/作、辻紀子/訳、いのちのことば社フォレストブックス自然豊かな森の中で昔ながらの伝統を大切に暮らしていた絵本作家のターシャ・テューダー。 絵本…

世界の猫

旅も猫も大好き。 『世界の美しい街の美しいネコ』小林希/著、エクスナレッジ世界中の美しい街と猫をめぐる旅。旅エッセイで知られる小林希さん、私にとっては猫旅本作家さんです。 『日本の猫宿』はもちろんのこと、『週末島旅』は表紙が猫ですからね。こ…

美しい鳥

ブルガリアの昔話です。 『金の鳥』八百板洋子/文、さかたきよこ/絵、BL出版王に命じられて金の鳥をさがす旅にでた三人の王子。 途中で出会ったおじいさんの忠告をきいた勇気ある末の王子は…。古くからの昔話の要素がたくさんつまっています。 読みなが…

道草しよう

美しい図鑑です。 『子どもと一緒に覚えたい道草の名前』稲垣栄洋/監修、加古川利彦/絵、マイルスタッフ歩いているとよく見かける道草を、華麗なボタニカルアートとたくさんの写真で丁寧に紹介。美しい表紙と手触りの、飾っておきたくなる上質な本です。ア…

スパイシーな寓話

動物たちが教えてくれる人生の教訓。 『ラ・フォンテーヌ寓話』ラ・フォンテーヌ/作、ブーテ・ド・モンヴェル/絵、大澤千加/訳、洋洋社17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで…

猫と日だまり

他にはない絵本。 『ひなたぼっこねこ』おづちともか/作、エディション・エフ猫の家には、東と西に窓があります。 猫とお日さまのおはなし。一筆箋のような姿のこの絵本。 子どもの手にもなじむかわいいサイズです。そしてこの絵本、フランス語が併記されて…

にゃおん

猫本はじめ。 『にゃおんのおはなし』いのまたむつみ/著、徳間書店イラストレーターいのまたむつみさんの愛猫イラストエッセイ。これはおそらく、私がはじめて買った猫本です。猫は好きだけど猫本や猫グッズには興味がなかった10代の私。 当時『風の大陸』…

母の願い

人魚伝説。 『赤い蝋燭と人魚』小川未明/文、酒井駒子/絵、偕成社小川未明の童話「赤い蝋燭と人魚」を、酒井駒子さんの絵で。北の海に棲む人魚の母親は、娘の幸せを願い、人間の老夫婦に託します。 でもやがて、欲に目がくらんだ人間によって、人魚の願い…

猫に媚びる

猫の幸せが私の幸せ。 『ネコに媚びる26の方法』エリザベス・キング・ブラウンド/著、弓場隆/訳、ベストセラーズA~Zまで、猫とうまく付き合う方法を教えてくれます。はじめに明かされる、この本が誕生するまでのいきさつがいい。 それは猫に仕える家族…

猫のおうち

「猫ちぐら」とも言うらしい。 『猫つぐらの作り方』誠文堂新光社/編、誠文堂新光社雪深い農村で、冬の手仕事として作られてきた伝統の工芸「猫つぐら」。 保温性の高い稲藁で、「かまくら」のような形に編んで作ります。本場の職人さんの「猫つぐら」は人…

ちまちまちま

縁起がいい。 『チマチマ記』長野まゆみ/著、講談社宝来家で飼われることになったネコ兄弟、チマキとノリマキ。 猫目線で描かれる、変わった家族と美味しい料理の物語。居候もいて複雑な家族関係、しかも名前がみんな変わっているためかなかなか覚えられな…

万葉

言の葉の調べ。 『万葉集』リービ英雄/英訳、中西進/日本語現代語訳・本文、井上博道/写真、パイインターナショナル万葉集のなかから厳選された和歌の英語訳集。 美しい写真が添えられた、文庫サイズの本です。図書館の講座で万葉集を何年か担当していま…

猫の魔法

猫の想い。 『猫が魔法を使うとき』松井雄功/絵、田中マルコ/文、幻冬舎猫は愛する人のためにとっておきの魔法を使います。子猫との出会いから別れまでの猫の一生と、24の「猫の魔法」。 猫をかわいがっている人には染みる本です。猫の何気ないしぐさや…

絵本から飛び出して

囲まれてみたい。 『絵本の国のぬいぐるみ』原優子/著、白泉社ぐりとぐら、こねこのぴっち、ビロードのうさぎ。 ぼくの小鳥ちゃんから、ちいさいおうちまで。 絵本でおなじみのキャラクターをぬいぐるみで作れる、夢のような本です。私は、数年前、こねこの…

タックチック

この本を持っている人に出会いたい。 『Tuck Chick Born』大川久乃/ことば、関澤絵里子/え、婦人生活社前向きな言葉いっぱいの、大人のための優しい絵本。私が大型書店でアルバイトをしていた時のこと。 この本が発売されて、平積みになっていました。 個…

街を変える

街と本屋。 『街を変える小さな店』堀部篤史/著、京阪神エルマガジン社京都の個性的な個人店を取材した本。当時の恵文社一乗寺店店長による、街のなかで小さなお店を続けていくためのヒントが詰まった1冊です。著者の堀部さんは、現在は誠光社の店主さん。…

よるくま

くまのこが来たんだよ。 『よるくま』酒井駒子/作・絵、偕成社夜中にやってきたくまの子「よるくま」と、くまのお母さんを探しに行った男の子のお話。夜の眠りにつく前に、ベッドのなかでお母さんに話して聞かせた、ぼくと「よるくま」との冒険のこと。 お…