ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

森のピアノ

大切なもの。 『クマと森のピアノ』デイビッド・リッチフィールド/作、俵万智/訳、ポプラ社ある日森の中でピアノを見つけたこぐまのブラウン。 ピアノの演奏は森のクマたちにも大人気です。 やがて森を出て、街でピアニストとして成功しますが…。「成功す…

しずく

水の絵本。 『しずくのぼうけん』マリア・テルリコフスカ/さく、うちだりさこ/やく、ボフダン・ブテンコ/え、福音館書店バケツから飛び出したしずくの、ながーい冒険の旅。水のことがよくわかる絵本。 姿を変えて世界中を飛びまわる「しずく」の様子を描…

街を灯す

本屋好きの本。 『街灯りとしての本屋』田中佳祐/著、竹田信弥/構成、雷鳥社街の小さな本屋さんをはじめた11店舗の店主が語る、本屋をはじめるまでのこと、そしてこれからのこと。双子のライオン堂さん発行の文芸誌『しししし』のメンバーが贈る、本屋の本…

パリの

おじさん大集合。 『パリのすてきなおじさん』金井真紀/文と絵、柏書房パリのおじさんをインタビュー&スケッチ。おしゃれな装丁、パラパラめくった感じもおしゃれ。 軽い本なのかと思いきや、いろいろなおじさんの生き様からフランスという国や世界を見る…

えふ

身近に潜む不思議の穴。 『f植物園の巣穴』梨木香歩/著、朝日新聞出版歯痛に悩む植物園の園丁が落ちた椋の木の巣穴の向こう側は、異界でした。動植物の摩訶不思議。 淡々としていてユーモラスで、気をつけていないと迷子になる。 いつの間にかあっちの世界…

みずみずしい

さすらいのウェイターの話がお気に入り。 『やわらかなレタス』江國香織/著、文藝春秋江國香織さんのエッセイ。 美味しそうな食べ物がたくさん出てきます。 本にまつわるお話も所々にあり、その本もまた読んでみたくなる、本好きには嬉しいエッセイでもあり…

たどり着いた場所

『ローズのにわ』ピーター・レイノルズ/作、かとうりつこ/訳、主婦の友社ティーポットにのって冒険の旅にでたローズ。 世界中を回り、最後に見つけたものは…。表紙は色鮮やかですが、途中までセピア色のこの絵本。 レイノルズらしい優しさあふれるメッセー…

原点

考える犬。 『小さな犬』町田尚子/著、白泉社小さな犬は泣いている女の子に出会いました。 何かしてあげたくて、小さな犬は涙のわけを考えます。なかなか泣きやまない女の子のために、いっぱい考える犬。 最後はとてもあたたかい気持ちになれます。今では猫…

宝石ねこ

宝石のようにキラキラと。 『ジュエルキャット』おかだなおこ/絵と文、小学館夜になると開く宝石箱の中に住んでいる、ちいさなねこ「ジュエルキャット」。 おきにいりのネックレスをつけて、今日もおでかけします。リラックマなどのキャラクターを生み出す…

夢さがし

かえるの絵本。 『 ぴっぽのたび 』刀根里衣/著、NHK出版夢見ることを忘れてしまった孤独なカエル・ぴっぽ。 小さな羊といっしょに、夢探しの旅に出ます。 季節をめぐり、そこで見つけたものは…?12ヶ月を美しく描き、ページをめくるごとにため息がもれ…

ねこ画集

画集のような贅沢絵本。 『ねこねここねこ』ブルノー=ホルスト=ブル/ぶん、ヤーヌシ・グラビアンスキー/絵、まえかわやすお/やく、偕成社月夜に歌う猫、いたずらをする子猫。 いろいろな猫の姿をご紹介します。ポーランドの画家グラビアンスキーが描い…

ミクロの森

緑の小さな宇宙です。 『ミクロコスモス 森の地衣類と蘚苔類と』大橋弘/著、つかだま書房地衣類とは菌類・藻類、蘚苔類とはコケ植物のことだそうです。 写真家・大橋弘さんが30年以上も歳月をかけて撮影し続けてきた、森の中に生息する地衣類や蘚苔類の写真…

ねじまき

自分の心にねじを巻けるのは、じぶんだけ。 『ねじまき片想い』柚木麻子/著、東京創元社おもちゃ会社で敏腕プランナーとして働く宝子は、取引先のデザイナー西島に5年も片想い中。彼に次々と降りかかるトラブルを、持ち前の機転とおもちゃを使って解決して…

クリームソーダ

魅惑のソーダ水。 『クリームソーダ純喫茶めぐり』難波里奈/著、グラフィック社全国の喫茶店をクリームソーダを求めてめぐりました。 クリームソーダの奥深さを味わえる1冊。 店内の美しい写真も満載で、喫茶店ガイドとしても重宝します。大人になるとなか…

身近にある

つくりもののリアル。 『雨に消えた向日葵』吉川英梨/著、幻冬舎埼玉県坂戸市で、小学5年生の少女が失踪した。 誘拐か、事故か、家出か。 無事を信じて探し続ける家族の焦燥。 錯綜する情報の波に翻弄されながらも真相に迫ろうとする捜査一課の執念。身近な…

ねこおどる!

これぞ猫踊る絵本! 『ねこおどる』広瀬克也/作、絵本館どこからともなく猫たちが集まって、踊りだす。 あわおどりにフラダンス、コサックダンスまで。本屋ネコオドルに、絵本ねこおどる。 カタカナとひらがな。運命を感じます。うちの店とこの絵本、何か関…

読書会@リカ

10月14日、寄居読書会でした。 ネコオドルが移転したため場所の提供ができなくなりましたが、変わらず参加していきます。今回の会場はアトリエ・リカさん。 2階のアンティークの家具に囲まれた小部屋で、隠れ家のような素敵な空間です。 写真を撮り忘れたの…

すてき!

いもむしの旅。 『すてきってなんだろう?』アントネッラ・カペッティ/ぶん、メリッサ・カストリヨン/え、あべけんじろう/やく、あべなお/やく、きじとら出版ある日「すてきないもむしさん」と言われた、いもむし。 けれど、すてきってなんだろう? いも…

ネコハシル

ねこ、はしる。 『ねこはしる』工藤直子/著、童話屋ちょっとのろまな子猫ランと、友達になったさかなのお話。 静かに深い、友情と命の物語です。詩のような、小説のような、不思議な感覚で読みました。 美しい言葉の連なり。朗読したい!と思う本です。 言…

おんなじ猫

ちがう猫でもおなじ猫。 『ねことねこ』町田尚子/作、こぐま社ねことねこ、おなじところ、どこだ? 2匹のねこを見くらべると、おそろいが見つかるよ。『ねこヅメのよる』に出会って以来愛してやまない、町田尚子さんの猫絵本。 味のある表情、「そうきまし…

田舎ではじめる

こんな田舎でもできること。 『田舎・郊外でお店、はじめました。』長井史枝、雷鳥社地元でなにかできたらいいなあ、と、まだぼんやりと考えていた頃に、この本に出会いました。その名の通り、田舎や郊外でお店をはじめた人たちを取材した本。 開業までの流…

犬と猫

天使と悪魔? 『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい 1』松本ひで吉/著、講談社天真爛漫な犬と、凶悪ながら憎めない愛らしい猫。 どっちも飼ってる著者によるコミックエッセイです。3巻まで発売されている人気コミックエッセイ。 すすめられて読んで、ド…

猫のダンス

これも「ねこおどる」絵本! 『こねこのジェーンダンスだいすき!』バレリー・ゴルバチョフ/作、あらいあつこ/訳、きじとら出版バレリーナになることを夢見る子猫のジェーンは、朝から晩まで踊っています。 テラスで踊っていると、友だちが集まってきて、…

読書会@アトリエ

9月29日、寄居読書会でした。 ネコオドルが移転したため場所の提供ができなくなりましたが、変わらず参加していきます。今回の会場は図書館2階のアトリエでした。第16回目、課題本は新美南吉『ごんぎつね』 参加者は5名。 初参加の方もいて、フレッシュな会…

猫だもの

青年と猫のふれあい。 『猫だもの ぼくとノラと絵描きのものがたり』 いせひでこ/絵と文、かさいしんぺい/文、平凡社牛乳配達の青年が出会ったノラ猫キタカルとの日々。作家のかさいしんぺいさんが綴るキタカルとの思い出を、いせひでこさんの柔らかい絵が…

変わり者のネズミ

ねずみの絵本。 『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』レオ・レオニ/作、谷川俊太郎/訳、好学社冬にそなえて食料を集めて働く野ねずみたち。 でもフレデリックだけは、何もしないでぼんやりしています。 フレデリックが集めたのは、光と色と…

何度も

愛を見つけた。 『100万分の1回のねこ』講談社佐野洋子さんの名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる、豪華作家陣によるアンソロジー。江國香織、山田詠美、町田康、角田光代、そして谷川俊太郎まで… なんて贅沢な本なのでしょうか。 どの作品も作家さんの個…

水の近くで

熊本の久子さん。 『みぎわに立って』田尻久子/著、里山社熊本で橙書店を営む田尻久子さん。 熊本地震のあと、店舗を移転された橙書店。旧店舗での思い出と新しいお店の日々の気づきが織りまぜられた、みずみずしいエッセイ集です。雨や川など、水にまつわ…

幸せに暮らす場所

すべて尊い命。 『ねこのおうち』柳美里/著、河出書房新社ひかり公園で産み落とされた6匹の猫たち。 猫とその家族が奏でる命の物語。 不意打ちのように、残酷な運命を見せつけられる。 命は、重く、儚い。 奪うのも、愛するのも、人の勝手な都合だ。振り回…

行ってみたい。 『霧のむこうに住みたい』須賀敦子/著、河出書房新社須賀敦子さんが愛するイタリアの風景。 出会った人も、料理も、風土も、みんな魅力的です。静かで芯のある須賀さんの言葉が、心地よい。目の前のことに少し疲れた時に、ちょっとずつ読み…