ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本(一般)

田舎ではじめる

こんな田舎でもできること。 『田舎・郊外でお店、はじめました。』長井史枝、雷鳥社地元でなにかできたらいいなあ、と、まだぼんやりと考えていた頃に、この本に出会いました。その名の通り、田舎や郊外でお店をはじめた人たちを取材した本。 開業までの流…

何度も

愛を見つけた。 『100万分の1回のねこ』講談社佐野洋子さんの名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる、豪華作家陣によるアンソロジー。江國香織、山田詠美、町田康、角田光代、そして谷川俊太郎まで… なんて贅沢な本なのでしょうか。 どの作品も作家さんの個…

水の近くで

熊本の久子さん。 『みぎわに立って』田尻久子/著、里山社熊本で橙書店を営む田尻久子さん。 熊本地震のあと、店舗を移転された橙書店。旧店舗での思い出と新しいお店の日々の気づきが織りまぜられた、みずみずしいエッセイ集です。雨や川など、水にまつわ…

幸せに暮らす場所

すべて尊い命。 『ねこのおうち』柳美里/著、河出書房新社ひかり公園で産み落とされた6匹の猫たち。 猫とその家族が奏でる命の物語。 不意打ちのように、残酷な運命を見せつけられる。 命は、重く、儚い。 奪うのも、愛するのも、人の勝手な都合だ。振り回…

行ってみたい。 『霧のむこうに住みたい』須賀敦子/著、河出書房新社須賀敦子さんが愛するイタリアの風景。 出会った人も、料理も、風土も、みんな魅力的です。静かで芯のある須賀さんの言葉が、心地よい。目の前のことに少し疲れた時に、ちょっとずつ読み…

よろず

春夏冬と書いて「あきない」と読みます。 『よろづ春夏冬中』長野まゆみ/著、文藝春秋妖しく煌く14の短篇集。あぁ、これはまさに長野まゆみ…。ボーイミーツボーイ。小さなきっかけから、いつの間にか異世界に迷いこみ、出逢ってしまった男たちの物語。じ…

猫と古民家

猫と人が幸せに暮らす家。 『猫と人と古民家と』南里秀子/著、幻冬舎古民家再生をしたいと考えている人に、参考になるのかどうかは正直わからないですが、勇気を与えてくれることは間違いない。 失敗も後悔も、隠さず全部教えてくれます。著者の南里さんの…

お茶

毎日がしあわせ。 『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』森下典子/著、新潮社私も習っていればよかった。 母が茶道をしていたのに…。通っていた女子校には茶道部があって、「茶道部に入るとお菓子が食べられるらしい」という理由で人気の部…

夜の猫

猫だけが知る。 『夜に猫が身をひそめるところ Think』吉田音/著、筑摩書房クラフト・エヴィング商會の吉田夫妻のひとり娘である吉田音さんの作品。学者にして探偵の円田さんと「ミルリトン探偵局」を結成した音さんは、円田さんの家にやってくる黒猫…

へろへろ

ネコオドル開店記念で、ネコオドルで出会える本の紹介。 今日は、読書好きへ捧げる本。 『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』鹿子裕文/著、ナナロク社お金も権力もない福岡の老人介護施設「よりあい」の人々が、森のような場所に出会い…

地名謎解き散歩

ネコオドル開店記念で、ネコオドルで出会える本の紹介。 今日は埼玉本。 『埼玉地名ぶらり詠み歩き』沖ななも/著、さきたま出版会地名にまつわるエッセイ。 学術的な解説ではなく、「へえー」と関心しながらさらりと読めるのがポイントです。寄居町にも変わ…

糸で紡ぐ物語

糸の彩り。 『刺繍小説』神尾茉利/著、扶桑社物語のなかに登場する刺繍するシーン。 そこから妄想をふくらませて作り上げた刺繍作品は、物語の世界を鮮やかに彩ります。1年くらい前に読んだ群ようこさんの『れんげ荘』にも刺繍のシーンが登場するのですが、…

着物で散歩

ネコオドルで出会える本の紹介。 2回目の今日は郷土本。 『埼玉きもの散歩 絹の記憶と手仕事を訪ねて』藤井美登利/著、さきたま出版会「着物」をテーマに埼玉をめぐる旅。 染織や織物など、埼玉各地の着物にまつわる手仕事の現場を豊富な写真で見ることがで…

ナリワイ

どのように生きるか。 『ナリワイをつくる』伊藤洋志/著、筑摩書房副題は「人生を盗まれない働き方」。働くことと生きること。仕事とプライベートの両立を謳うことはもう時代遅れだと、誰かが言っていました。ワークライフバランスではなく、ワークアズライ…

ズルい詩集

ゆるくとらえてはなさない。 『わたしたちの猫』文月悠光/著、ナナロク社ナナロク社の本はずるいと思うのです。 装丁も、紙も、帯の文章も、手触りも。 すべてがずるい。 手に取らずにはいられない。 そんな本をつくるナナロク社さんの本が大好きです。詩集…

イワナミ少年

子どものための特別な本。 『本へのとびら ー岩波少年文庫を語る』宮崎駿/著、岩波書店Twitterで岩波少年文庫が盛り上がっているので、この本をご紹介せずにはいられません。 この本では、宮崎駿さんが選んだ岩波少年文庫50冊が紹介されています。スタジ…

ピースの意味

地元が舞台。 『ピース』樋口有介/著、中央公論新社埼玉県の長瀞町と寄居町で、連続してバラバラ殺人事件が発生した。 事件の裏側に潜むものとはー。ネコオドルがある寄居町が舞台になっているミステリー小説。 あまりミステリーは読まないのですが、これは…

オマージュ

文学に触れるきっかけに。 『新釈走れメロス 他四篇 』森見登美彦/著、KADOKAWA日本の文学作品5編が、森見節で現代の京都によみがえります。 「山月記」「走れメロス」「桜の森の満開の下」など、教科書でもおなじみの名作ばかり。月に1回の読書会で名作文…

クロネコの人

クロネコヤマトの生みの親。 『小倉昌男 祈りと経営』森健/著、小学館2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。「宅急便」の生みの親である名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設し、障害者福祉に晩年を捧げた。語…

猫と散歩

私の中の猫。 『猫の目散歩』浅生ハルミン/著、中央公論新社ハルミンさんが、自分の中にいる猫と対話しながら、都内スポットを案内してくれます。猫と出会える場所や、美味しそうなお店や。時々あらわれる、ハルミンさんの中の猫目線。私は自分の中に猫はい…

鏡の向こう側

童話の狼。 『かがみの孤城』辻村深月/著、ポプラ社学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めたー。遅ればせながら読んでみました。 中学生の、居心地の悪さとか、生きづらい感じとかが、リアルに伝わって…

魔法の水

信じるということ。 『星の子』今村夏子/著、朝日新聞出版生まれながら病弱だったちひろを救うため、両親はあらゆる治療を試みる。 ある時、父が同僚からすすめられた「金星のめぐみ」という水を使うと、ちひろは回復した。 やがて両親は「あやしい宗教」に…

いただきます

食すように読む。 『食卓一期一会』長田弘/著、角川春樹事務所美味しそうな詩。 食べものの詩66篇を召し上がれ。まず表紙が素敵です。 めくる前に思わず「いただきます」と言いたくなってしまいます。そして詩を堪能。美味しそうなにおいや、食材の色彩が…

17歳の物語

猫も登場します。 『いつか記憶からこぼれおちるとしても』江國香織/著、朝日新聞社17歳。 ちょっと裕福な家庭で育った、私立の女子高に通う女子高校生たち。 彼女たちの、少しずつ重なりあう6つの短編集です。江國香織さんの描く少女たちは、とても魅力的…

本屋のドラマ

行ってみたい本屋です。 『燃えよ、あんず』藤谷治/著、小学館フィクショネスという、下北沢に実在していた本屋さんのお話。著者の藤谷治さんのお店です。私は行ったことがなかったのですが、フィクショネスに実際に行ったことがある人が、この本を教えてく…

もののけ

いるのか、いないのか。『逢魔が時に会いましょう』荻原浩/著、集英社民俗学者・布目准教授の助手としてフィールドワークに行くことになった大学4年のマヤ。 座敷わらし、河童、天狗。 目撃情報ははたして本物なのか。 イケメンだけど変わり者の准教授と女…

鬼と井戸と

大好きな1冊。 『鬼の橋』伊藤遊/作、太田大八/画、福音館書店平安時代の京の都。 歴史上の人物、小野篁の少年時代をモチーフにした物語です。少年篁は、ある日、妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込みます。 そこではすでに死んだはずの征夷大将…

姉妹と兄妹

隣の姉妹と、うちの兄妹。 『となりの姉妹』長野まゆみ/著、講談社まず、この本の装丁について語らせてください。 淡い色彩の装丁画は美しく、見返しもとても凝っています。 そして特記すべきは、紙。 薄い透かし模様のある紙が使われているんです。 綴じの…

少女の冒険

15歳のアラビアンナイト。 『これは王国のかぎ』荻原規子/著、KADOKAWA失恋した15歳の誕生日、ひろみは目が覚めたらアラビアンナイトの世界に飛び込んでいた!異世界に迷い込んだ少女の冒険物語。 本当におもしろくてワクワクしながら読んだ思い出がありま…

ことり

気が強くてしっかり者。 『ぼくの小鳥ちゃん』江國香織/著、新潮社雪の朝、ぼくの部屋に迷い込んできた小鳥ちゃんと、ぼくと彼女の物語。ちょっとワガママな小鳥ちゃん。 ラム酒のかかったアイスクリームが好きだったり、ぼくのガールフレンドにやきもちを…