ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本(一般)

山のこと

山のようにどっしりと。 『街と山のあいだ』若菜晃子/著、KTC中央出版登山の専門出版社に勤めはじめて山の魅力にどっぷりハマった著者による、山のエッセイ。静かな文章で描かれる、豊かな山と自然の風景。私が最後に山に登ったのは、覚えているかぎりで…

連想

言葉のちから。 『言の葉連想辞典』あわい/絵、遊泳舎/編、遊泳舎ひとつの言葉から連想される言葉たち。1ページに一文字の漢字。 そこからひろがることばの海へ。 温かみのあるかわいいイラストが、言葉の世界に彩りを添えています。私のお気に入りは「舞…

お父さん

ドラえもん並みに色々出てきます。 『中野のお父さんは謎を解くか』北村薫/著、文藝春秋編集者の娘が日常や本の中で出合う謎を、父が解く。 『中野のお父さん』の第2弾です。なんでも知ってるお父さん。 中野に住んでいます。なんというか、平和なんです。 …

図書館の歴史

人にも建物にも、物語がある。 『夢見る帝国図書館』中島京子/著、文藝春秋上野で出会った喜和子さん。 明治にこの国に初めてできた「図書館」。 喜和子さんが生きた人生と、図書館の歴史をたどる物語。図書館が主人公の小説を書くという発想、子どもの頃に…

猫のあたし

あたしのお話。 『あたしの一生 猫のダルシーの贈り物』ディー・レディー/著、江國香織/訳、飛鳥新社猫の「あたし」と「あたしの人間」の物語。私が読んだのはずっと昔で、新装版になる前の本。 猫本にまだそこまで興味がなかった頃で、江國香織さんが訳し…

てんてん

これ読めますか? 『御命授天纏佐左目谷行』日和聡子/著、講談社猫の君子・夜見闇君の命を受け、佐左目谷君を訪ねる旅に出る私の、奇想天外な物語。 他に「行方」「かげろう草紙」も収録されています。ヒグチユウコさんが装画、名久井直子さんが装丁を担当…

浅間山のふもと

暖炉がほしくなりました。 『火山のふもとで』松家仁之/著、新潮社1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘。 夏のあいだだけ、村井設計事務所はこの軽井沢の地に拠点を移すのだ。 秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向ける所員たちの…

愛された書店

本の力を信じた人生。 『アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』カウテル・アディミ/著、平田紀之/訳、作品社1936年、アルジェ。 21歳で、書店「真の富」を開業し、出版社を起こしたエドモン・シャルロ。 第二次大戦とアルジェリア独立戦争のうねりに翻弄…

猫のごーしちご

ねこだっていっくよみたいときがある。 『ねこはい』南伸坊/著、KADOKAWAこれは猫を詠んだ俳句ではありません。 猫が詠んだ俳句です。南伸坊さんが猫の気持ちになって作った俳句たち。猫が詠んだらこうなるだろう、という発想がすてきです。ときに…

アイスクリン

文明開化の音がする。 『アイスクリン強し』畠中恵/著、講談社江戸から明治に変わり、文明開化の音が聞こえる東京。 念願だった西洋菓子店を開いたミナこと皆川真次郎の元に、甘いお菓子を求める「若様組」がやっかいな騒動と一緒にやってくる!チヨコレイ…

違いのわかる人

違いがわかる大人になりたい。 『ちがいがわかるいきもの図鑑』成島悦雄/監修、小林万里子・仲島綾乃/絵、高橋書店タヌキとアライグマの違い、わかりますか?違うことはわかるけど「どう違うの?」って聞かれると答えられなかったり。そんな曖昧な認識のな…

マチネ

運命には、時間も距離も関係ない。 『マチネの終わりに』平野啓一郎/著、文藝春秋3年位前に出会った本。 読み終えた時の感覚を忘れられません。 あまりにも深く意識を持っていかれてしまって、すべての感覚を現実に取り戻すのに時間がかかりました。上質な…

十二国の戦い

心の中で「高里くん」と呼んでいます。 『白銀の墟 玄の月』全4巻、小野不由美/著、新潮社早く続きが読みたい、でも読み終えたくない、というせめぎ合い。 少しずつ読み進めたけど、最後の数章はもう止められず、寝不足覚悟で深夜まで読んでしまいました。1…

道草しよう

美しい図鑑です。 『子どもと一緒に覚えたい道草の名前』稲垣栄洋/監修、加古川利彦/絵、マイルスタッフ歩いているとよく見かける道草を、華麗なボタニカルアートとたくさんの写真で丁寧に紹介。美しい表紙と手触りの、飾っておきたくなる上質な本です。ア…

スパイシーな寓話

動物たちが教えてくれる人生の教訓。 『ラ・フォンテーヌ寓話』ラ・フォンテーヌ/作、ブーテ・ド・モンヴェル/絵、大澤千加/訳、洋洋社17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで…

猫のおうち

「猫ちぐら」とも言うらしい。 『猫つぐらの作り方』誠文堂新光社/編、誠文堂新光社雪深い農村で、冬の手仕事として作られてきた伝統の工芸「猫つぐら」。 保温性の高い稲藁で、「かまくら」のような形に編んで作ります。本場の職人さんの「猫つぐら」は人…

ちまちまちま

縁起がいい。 『チマチマ記』長野まゆみ/著、講談社宝来家で飼われることになったネコ兄弟、チマキとノリマキ。 猫目線で描かれる、変わった家族と美味しい料理の物語。居候もいて複雑な家族関係、しかも名前がみんな変わっているためかなかなか覚えられな…

万葉

言の葉の調べ。 『万葉集』リービ英雄/英訳、中西進/日本語現代語訳・本文、井上博道/写真、パイインターナショナル万葉集のなかから厳選された和歌の英語訳集。 美しい写真が添えられた、文庫サイズの本です。図書館の講座で万葉集を何年か担当していま…

絵本から飛び出して

囲まれてみたい。 『絵本の国のぬいぐるみ』原優子/著、白泉社ぐりとぐら、こねこのぴっち、ビロードのうさぎ。 ぼくの小鳥ちゃんから、ちいさいおうちまで。 絵本でおなじみのキャラクターをぬいぐるみで作れる、夢のような本です。私は、数年前、こねこの…

パリの

おじさん大集合。 『パリのすてきなおじさん』金井真紀/文と絵、柏書房パリのおじさんをインタビュー&スケッチ。おしゃれな装丁、パラパラめくった感じもおしゃれ。 軽い本なのかと思いきや、いろいろなおじさんの生き様からフランスという国や世界を見る…

えふ

身近に潜む不思議の穴。 『f植物園の巣穴』梨木香歩/著、朝日新聞出版歯痛に悩む植物園の園丁が落ちた椋の木の巣穴の向こう側は、異界でした。動植物の摩訶不思議。 淡々としていてユーモラスで、気をつけていないと迷子になる。 いつの間にかあっちの世界…

みずみずしい

さすらいのウェイターの話がお気に入り。 『やわらかなレタス』江國香織/著、文藝春秋江國香織さんのエッセイ。 美味しそうな食べ物がたくさん出てきます。 本にまつわるお話も所々にあり、その本もまた読んでみたくなる、本好きには嬉しいエッセイでもあり…

ミクロの森

緑の小さな宇宙です。 『ミクロコスモス 森の地衣類と蘚苔類と』大橋弘/著、つかだま書房地衣類とは菌類・藻類、蘚苔類とはコケ植物のことだそうです。 写真家・大橋弘さんが30年以上も歳月をかけて撮影し続けてきた、森の中に生息する地衣類や蘚苔類の写真…

ねじまき

自分の心にねじを巻けるのは、じぶんだけ。 『ねじまき片想い』柚木麻子/著、東京創元社おもちゃ会社で敏腕プランナーとして働く宝子は、取引先のデザイナー西島に5年も片想い中。彼に次々と降りかかるトラブルを、持ち前の機転とおもちゃを使って解決して…

クリームソーダ

魅惑のソーダ水。 『クリームソーダ純喫茶めぐり』難波里奈/著、グラフィック社全国の喫茶店をクリームソーダを求めてめぐりました。 クリームソーダの奥深さを味わえる1冊。 店内の美しい写真も満載で、喫茶店ガイドとしても重宝します。大人になるとなか…

身近にある

つくりもののリアル。 『雨に消えた向日葵』吉川英梨/著、幻冬舎埼玉県坂戸市で、小学5年生の少女が失踪した。 誘拐か、事故か、家出か。 無事を信じて探し続ける家族の焦燥。 錯綜する情報の波に翻弄されながらも真相に迫ろうとする捜査一課の執念。身近な…

田舎ではじめる

こんな田舎でもできること。 『田舎・郊外でお店、はじめました。』長井史枝、雷鳥社地元でなにかできたらいいなあ、と、まだぼんやりと考えていた頃に、この本に出会いました。その名の通り、田舎や郊外でお店をはじめた人たちを取材した本。 開業までの流…

何度も

愛を見つけた。 『100万分の1回のねこ』講談社佐野洋子さんの名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる、豪華作家陣によるアンソロジー。江國香織、山田詠美、町田康、角田光代、そして谷川俊太郎まで… なんて贅沢な本なのでしょうか。 どの作品も作家さんの個…

水の近くで

熊本の久子さん。 『みぎわに立って』田尻久子/著、里山社熊本で橙書店を営む田尻久子さん。 熊本地震のあと、店舗を移転された橙書店。旧店舗での思い出と新しいお店の日々の気づきが織りまぜられた、みずみずしいエッセイ集です。雨や川など、水にまつわ…

幸せに暮らす場所

すべて尊い命。 『ねこのおうち』柳美里/著、河出書房新社ひかり公園で産み落とされた6匹の猫たち。 猫とその家族が奏でる命の物語。 不意打ちのように、残酷な運命を見せつけられる。 命は、重く、儚い。 奪うのも、愛するのも、人の勝手な都合だ。振り回…