ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本(一般)

いただきます

食すように読む。 『食卓一期一会』長田弘/著、角川春樹事務所美味しそうな詩。 食べものの詩66篇を召し上がれ。まず表紙が素敵です。 めくる前に思わず「いただきます」と言いたくなってしまいます。そして詩を堪能。美味しそうなにおいや、食材の色彩が…

17歳の物語

猫も登場します。 『いつか記憶からこぼれおちるとしても』江國香織/著、朝日新聞社17歳。 ちょっと裕福な家庭で育った、私立の女子高に通う女子高校生たち。 彼女たちの、少しずつ重なりあう6つの短編集です。江國香織さんの描く少女たちは、とても魅力的…

本屋のドラマ

行ってみたい本屋です。 『燃えよ、あんず』藤谷治/著、小学館フィクショネスという、下北沢に実在していた本屋さんのお話。著者の藤谷治さんのお店です。私は行ったことがなかったのですが、フィクショネスに実際に行ったことがある人が、この本を教えてく…

もののけ

いるのか、いないのか。『逢魔が時に会いましょう』荻原浩/著、集英社民俗学者・布目准教授の助手としてフィールドワークに行くことになった大学4年のマヤ。 座敷わらし、河童、天狗。 目撃情報ははたして本物なのか。 イケメンだけど変わり者の准教授と女…

鬼と井戸と

大好きな1冊。 『鬼の橋』伊藤遊/作、太田大八/画、福音館書店平安時代の京の都。 歴史上の人物、小野篁の少年時代をモチーフにした物語です。少年篁は、ある日、妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込みます。 そこではすでに死んだはずの征夷大将…

姉妹と兄妹

隣の姉妹と、うちの兄妹。 『となりの姉妹』長野まゆみ/著、講談社まず、この本の装丁について語らせてください。 淡い色彩の装丁画は美しく、見返しもとても凝っています。 そして特記すべきは、紙。 薄い透かし模様のある紙が使われているんです。 綴じの…

少女の冒険

15歳のアラビアンナイト。 『これは王国のかぎ』荻原規子/著、KADOKAWA失恋した15歳の誕生日、ひろみは目が覚めたらアラビアンナイトの世界に飛び込んでいた!異世界に迷い込んだ少女の冒険物語。 本当におもしろくてワクワクしながら読んだ思い出がありま…

ことり

気が強くてしっかり者。 『ぼくの小鳥ちゃん』江國香織/著、新潮社雪の朝、ぼくの部屋に迷い込んできた小鳥ちゃんと、ぼくと彼女の物語。ちょっとワガママな小鳥ちゃん。 ラム酒のかかったアイスクリームが好きだったり、ぼくのガールフレンドにやきもちを…

十二の国

強さと賢さ。 『図南の翼』小野不由美/著、新潮社十二国記を夢中で読んでいます。 もうすぐシリーズを読み終えてしまいそうで、ロスになりそう。『図南の翼』は、シリーズ6作目。 表紙を見たらわかるように、気の強い女の子が主人公。 先王がたおれて27年、…

神様の物語

この本を知っている人に出会いたい。 『ヤマトタケル』氷室冴子/著、森田じみい/絵、集英社ヤマトタケルの物語を、色鮮やかな絵と共に。小学生の頃にはじめて出会った氷室作品は『なんて素敵にジャパネスク!』で、山内直美さんの漫画とあわせて読んでいま…

愛情のリレー

『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ/著、文藝春秋そこそこ性格がひねくれている私は、本屋大賞とか直木賞とか芥川賞とか「受賞したから読もう」とはならず、どちらかというと「受賞したんだからいい本に決まってるし、私が読まなくても大丈夫でしょ」…

一緒に食事を

おいしいお酒を。 『センセイの鞄』川上弘美/著、文藝春秋駅前の居酒屋で高校の恩師の先生と、十数年ぶりに再会したツキコさん。肴をつつき、酒をたしなみ、ゆったりとした2人の時間は流れていきます。 40歳目前の女性と、30と少し年の離れたセンセイの、切…

社会のかけら

とらえどころのないものたち。 『断片的なものの社会学』岸政彦/著、朝日出版社社会学者とは、いったいどんなことをしている人たちなんだろう。テレビで過激な発言をしている人も、大学のあの人も、社会学者だという人はよく見かけるけどその中身をよく知ら…

夢のタッグ

あなたはだあれ? 『こうちゃん』須賀敦子/文、酒井駒子/画、河出書房新社本屋さんで偶然見つけるまで、須賀敦子さんがこんな物語を残していたとは知りませんでした。 須賀さんの洗練された文章と、酒井駒子さんの透き通るような優しい絵。 小さい子どもへ…

お茶してかない?

ナンパの手口じゃないです。 『「うちでお茶する?」のコツ100』三宅貴男/著、雷鳥社タイトルがよくて、手に取りました。 「うちでお茶する?」 最近じゃなかなか言わないし、聞かなくなりました。この本にはコーヒー、紅茶、ハーブティー、日本茶、中国…

橋をめぐる

橋をめぐる。 『いつかのきみへ』橋本紡/著、文藝春秋東京の深川にかかる6つの橋をめぐる、6つの短編集。それぞれ何かに悩み、人生につまづいた人々。 橋を渡り、人々と出会い、少しずつ世界が動き出すような物語です。私の生まれ育った家はすぐ近くに橋が…

はじまりの物語

ホラーとファンタジー。 『魔性の子』小野不由美/著、新潮社日本のファンタジーが好きだと話すと、「十二国記いいですよね!」とかなりの確率で言われます。もちろん読んでるでしょ、のノリです。あぁ、読んでないんです…。私が十二国記シリーズを読んでい…

みんな猫である

名前もまだない? 『吾輩も猫である』新潮社猫の視点で書かれる物語といえば、夏目漱石の『吾輩は猫である』ですよね。 これは、猫好き作家8名が漱石の「猫」に挑む、猫のアンソロジー。 猫好きにはたまりません。それぞれの作家がそれぞれの作風で描く猫の…

野菜を食べる

こだわり野菜のこだわりレシピ。 『Cool Veg 農家が提案するこれからの野菜レシピ』ホマレ姉さん/著、雷鳥社20年間有機野菜農家を営むホマレ姉さんが提案する野菜料理の本。 「楽しく食生活を送る」ことがポリシーです。 美しい写真とかわいらしいサイズ感…

猫はかしこい

世界は、肉球よりも、まるい。 『きりこについて』西加奈子/著、KADOKAWAきりこは「ぶす」な女の子。 小学校の体育館裏で、人の言葉がわかる、とても賢い黒猫ラムセス2世をひろった。 「ぶす」と言われて傷ついたきりこが見つけた、世の中で一番大切なこと…

色あせない名作。

食べること。生きること。 『キッチン』吉本ばなな/著、新潮社唯一の肉親だった祖母を亡くし、祖母と仲の良かった雄一とその母の家で暮らすことになったみかげ。 なにげない日常のなかで、時には孤独を感じながら、喪失感から癒やされていく。3編のお話どれ…

おまえはドミトリー

科学はニガテ…でも大丈夫! 『ドミトリーともきんす』高野文子/著、中央公論新社不思議な学生寮「ともきんす」。 お二階には寮生さんが4人。 朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹…… 有名な科学者さん達ばかりですね。私がこの本と出会ったのは、…

ご縁とフクロウ

ネコオドルがきっかけで、素敵な出逢いがたくさんあります。 『二人が睦まじくいるためには』吉野弘/詩、童話屋先日、「本」「図書館」「猫」など、共通のキーワードで意気投合した方に教えていただいて、「行きたい!」という私を連れて行ってくださったの…

雪のように白い猫

甘くてせつない猫の片思い。 『雪猫』大山淳子/著、講談社子猫の時にごみ袋に捨てられていたところを助けてくれた理々子。 だからぼくは理々子が何より大切なんだ。 理々子がピンチの時に、人間の姿に変身できる力を手に入れた白猫タマオ。でもそれは夜だけ…

つむじ風

クラフト・エヴィング商會の吉田さんの本。 『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘/著、筑摩書房タイトルにひかれて手にした本。 クラフト・エヴィング商會の世界観が好きです。 シンプルだけどかっこいい。実はこの本を読んだのはだいぶ昔で、一度手放したのですが…

本を売る

イタリアの本屋を知る。 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子/著、方丈社ヴェネチアの古書店からはじまる、イタリアの小さな村モンテレッジォの本を売る行商人たちの物語。最初からぐいぐい引き込まれて、所々に差し込まれた写真に心動…

黒猫といっしょ

猫と一緒に空を飛ぶ。 『魔女の宅急便』角野栄子/著、角川書店スタジオジブリの映画は、何度も繰り返し観ました。 小説を読んだのは中学生の頃。 黄色とオレンジ色の鮮やかな装丁が印象的でした。文庫本が出ているのを知って、再読のために購入しました。 …

エール

からだの中からあたたまる。 『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都/著、集英社結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。 どん底の彼女に叔母のロッカさんが提案したのは、“やりたいことリスト"の作成でした。丁寧な描写で紡がれる、じんわりと心に…

みすゞの詩

こころにしみる詩。 『わたしと小鳥とすずと 金子みすゞ童謡集』金子みすゞ/著、矢崎節夫/選、ジュラ出版局高校生の頃、学校の図書室には1冊のノートがありました。 生徒たちと司書の先生の交換ノート。「こんな本がほしい」とか「いつもありがとう」とか…

究極のエンターテイメント!

日本が未確認生物に襲われた…! 『海の底』有川浩/著、角川書店学校図書館に勤めていた時に出会った作家、有川浩さん。 はじめて読んだのは『図書館戦争』で、そのあまりの面白さに衝撃を受けました。 小説はエンターテイメントだ! それを学んだのは、有川…