おのれのためは、猫のため。
『猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記』かたやま和華/著、集英社
ある事情で白猫の姿になってしまった武士の宗太郎は、裏長屋でよろず請け負い家業「猫の手屋」を営んでいる。
善行を積んで、元の人の姿に戻れる日はやってくるのか。
一風変わった時代小説。
愉快で大好きなお話です。
猫の姿とはいっても、背丈は人間のままで二足歩行、人の言葉をしゃべるのだから、今で言ったら猫の着ぐるみを着た人のようですね。
そんな宗太郎のことを周りの人達は「人に化けきれない猫」だと信じていて優しく見守っている、すんなりと受け入れるそのおおらかさがとてもいい。
宗太郎自身も、猫太郎とか猫先生とか呼ばれる度に「猫ではない…」と思いつつ、とっても前向きに現状を受け入れているところが素敵。
これがサムライ精神か。
猫は頭に手ぬぐいをのせて踊ると人に化けられるとか。
そんな、人になりたくて踊る猫も描かれていて、これは紛うことなき猫踊る本!
猫達が人になりたい理由も、とっても素敵です。
表紙イラストは石黒亜矢子さん。
世界観にぴったりはまってます。
シリーズ化されてる人気作、ホッと優しい気持ちになれる物語です。