ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本(一般)

おまえはドミトリー

科学はニガテ…でも大丈夫! 『ドミトリーともきんす』高野文子/著、中央公論新社不思議な学生寮「ともきんす」。 お二階には寮生さんが4人。 朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹…… 有名な科学者さん達ばかりですね。私がこの本と出会ったのは、…

ご縁とフクロウ

ネコオドルがきっかけで、素敵な出逢いがたくさんあります。 『二人が睦まじくいるためには』吉野弘/詩、童話屋先日、「本」「図書館」「猫」など、共通のキーワードで意気投合した方に教えていただいて、「行きたい!」という私を連れて行ってくださったの…

雪のように白い猫

甘くてせつない猫の片思い。 『雪猫』大山淳子/著、講談社子猫の時にごみ袋に捨てられていたところを助けてくれた理々子。 だからぼくは理々子が何より大切なんだ。 理々子がピンチの時に、人間の姿に変身できる力を手に入れた白猫タマオ。でもそれは夜だけ…

つむじ風

クラフト・エヴィング商會の吉田さんの本。 『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘/著、筑摩書房タイトルにひかれて手にした本。 クラフト・エヴィング商會の世界観が好きです。 シンプルだけどかっこいい。実はこの本を読んだのはだいぶ昔で、一度手放したのですが…

本を売る

イタリアの本屋を知る。 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』内田洋子/著、方丈社ヴェネチアの古書店からはじまる、イタリアの小さな村モンテレッジォの本を売る行商人たちの物語。最初からぐいぐい引き込まれて、所々に差し込まれた写真に心動…

黒猫といっしょ

猫と一緒に空を飛ぶ。 『魔女の宅急便』角野栄子/著、角川書店スタジオジブリの映画は、何度も繰り返し観ました。 小説を読んだのは中学生の頃。 黄色とオレンジ色の鮮やかな装丁が印象的でした。文庫本が出ているのを知って、再読のために購入しました。 …

エール

からだの中からあたたまる。 『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都/著、集英社結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。 どん底の彼女に叔母のロッカさんが提案したのは、“やりたいことリスト"の作成でした。丁寧な描写で紡がれる、じんわりと心に…

みすゞの詩

こころにしみる詩。 『わたしと小鳥とすずと 金子みすゞ童謡集』金子みすゞ/著、矢崎節夫/選、ジュラ出版局高校生の頃、学校の図書室には1冊のノートがありました。 生徒たちと司書の先生の交換ノート。「こんな本がほしい」とか「いつもありがとう」とか…

究極のエンターテイメント!

日本が未確認生物に襲われた…! 『海の底』有川浩/著、角川書店学校図書館に勤めていた時に出会った作家、有川浩さん。 はじめて読んだのは『図書館戦争』で、そのあまりの面白さに衝撃を受けました。 小説はエンターテイメントだ! それを学んだのは、有川…

ときめく輝き

キラキラしたものが好きな子どもでした。 『ときめく鉱物図鑑』宮脇律郎/監修、山と溪谷社/編、山と溪谷社山と渓谷社のこのときめく図鑑シリーズが大好きです。 なかでもこの鉱物図鑑は、ネコオドルでも人気がある1冊。ネコオドルでは地元にゆかりがある作…

おひさまのにおい

ほんわかあったかい。 『陽だまりの彼女』越谷オサム/著、新潮社十年ぶりに再会した幼なじみの彼女。 素敵な女性に変身していた彼女には、秘密があって…。おすすめされて読んだ本。 「前代未聞のハッピーエンド」「完全無欠の恋愛小説」などと紹介されてい…

服を買わない

究極のシンプルライフ。 『服を10年買わないって決めてみました』どいかや/著、白泉社絵本作家であり愛猫家であるどいかやさん。 自然に囲まれて暮らすその生き方に、私はずっと憧れを抱いています。 そのどいかやさんが10年間服を買わないで生活してきた実…

最後まで読めない本

今年最後の紹介になります。今年一番の本を。 今までは手持ちの本やネコオドルの本から紹介してましたが、今日は図書館の本です。 『熱帯』森見登美彦/著、文藝春秋待ちに待っていた森見登美彦さんの新刊は「最後まで読むことができない本」のお話です。 1…

男子の頭ン中

短歌は自由だ。 『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』木下龍也/著、岡野大嗣/著、ナナロク社木下龍也さんと岡野大嗣さんが、ふたりの男子高校生のとある7日間を短歌で描いた物語。短歌というと、尻込みする人もいるかもしれません。 馴…

かけはし

優しいほほえみ、優しいまなざし。 『橋をかける 子供時代の読書の思い出』美智子/著、すえもりブックス 美智子さまの子どもと読書についての講演を1冊の本にしたもの。 本で知った美しさ、本から感じた不安、本から得た喜びなどについて語られています。子…

大人のための猫寓話

ひと味違う、猫の物語。 『猫のエルは』町田康/文、ヒグチユウコ/絵、講談社さすが町田康、という感想。 猫が出てくる5つの寓話短編集なのですが、一筋縄ではいかないのです。 ヒグチユウコさんの挿絵が独特の世界観を増幅させています。そんな中でも、表…

本をすすめるということ

タイトルにビビってはいけません。 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子/著、 河出書房新社長いタイトルですが、その出だしの言葉でつまずかずに、最後まで読んでください。これは、本を…

葉桜の頃に

誰もがだまされる。 『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午/著 、文藝春秋「映像化できない」と言われている意味が、読むとわかります。まず、美しいタイトルにだまされてはいけません。 なかなかハードな小説です。冒頭とか途中のエピソードとか、所…

快挙

結婚とはなんぞや。 『快挙』白石一文/著、新潮社ある方からいただいた本。 自分では選ばないタイプの本だったので、読むことができてよかったです。ある一組の夫婦の十数年間の日々を描いた、夫婦小説。 決してほのぼのとした物語ではなく、どちらかという…

空を飛ぶ方法

すっごくツボにはまりました。 『少年少女飛行倶楽部』加納朋子/著、文藝春秋中学生の海月は、幼なじみに誘われて「飛行クラブ」に入部する。 活動内容は「空を飛ぶこと」という変わったクラブには、やっぱり変わった人達が集まっている。 彼らは、果たして…

碧の世界

これは紹介してはいけない本かもしれません。 『碧の迷宮 上』氷室冴子、角川書店永遠の未完の名作。 出版されたのは1989年。 私が読んだのはその10年後くらいでしたが、その時にはすでに「下巻は出ない」と言われていました。 どんな事情があったのかはわか…

魂のおむすび

心の栄養、たっぷりです。 『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』佐藤初女/著、集英社佐藤初女さんは、青森県の岩木山山麓に「森のイスキア」という癒やしの場をつくり、悩みや問題を抱えた人たちを受け入れてきました。素材の味をそのままに…

絵本の父

児童サービスのバイブル。 『幼い子の文学』瀬田貞二/著、中央公論新社図書館に勤めているのですが、児童担当ではないので、児童サービスに関われる機会は残念ながらあまりありません。でも研修会には時々参加しているので、実践の場を求めてうずうずとして…

夜の虹

高砂ブルーと呼んでいます。 『ハワイの50の宝物』高砂淳二/著、二見書房図書館の仕事に就く前、働き方や職場のことでいろいろ悩んでいた頃でした。勉強のために通っていた新宿のビルの1階で、偶然に、高砂淳二さんの写真展にであいましした。 それは海の写…

カラスのすべて

カラスの全てがこの1冊に! 『カラスの教科書』松原始/著、講談社雷鳥社版も欲しいのですが、手軽さに負けて文庫を手にしてしまいました。荻原規子さんの空色勾玉シリーズや、阿部智里さんの八咫烏シリーズが大好きな私にとって、カラスはどこか神秘な存在…

美しい言葉たち

美しいものが好きです。 『すみれの花の砂糖づけ 江國香織詩集』江國香織/詩、理論社江國香織さんの作品は大学生の頃ずっと読んでいました。 選ぶ言葉の美しさ、文章の潔さが好きで、私の中で「本を読む」とは、「美しい言葉に出会うこと」でもありました。…

少年の孤独な戦い

残念ながら映画は観ていません。 『青の炎』貴志祐介/著、KADOKAWA高校生の主人公は、母と妹との平穏な暮らしを脅かそうとする母の元夫を殺害しようと決意する。 17歳の少年の完全犯罪は成功するのか。「ラストが…ラストが…」と、読後感を共有したが…

シンプル

単純だけど難しい、それがシンプル。 『シンプルに生きる』ドミニック・ローホー/著、幻冬舎先日、「シンプルライフ」という映画を観ました。 アメリカで広がりをみせる「タイニィハウス・プロジェクト」を追ったロードムービーで、「身の丈に合った暮らし…

本と料理と兄妹

『九つの、物語』橋本紡/著、集英社数年前に死んだ兄が、幽霊になって帰ってきた。兄の手料理と、各章のタイトルにもなっている本の物語が印象的な、静かで繊細な物語です。 美しくて儚い、橋本紡さんの世界観が、この本には凝縮されている気がします。本の…

紙さま

基本、紙の本しか読みません。 『紙さまの話 紙とヒトをつなぐひそやかな物語』大平一枝/著、小林キユウ/写真、誠文堂新光社紙は、本を作る要素の一番大事な部分だと思います。 紙の色、質感、重さ、手ざわり、めくる時の指先の感触…。だから、丁寧な本作…