太陽の奇跡
いつも一緒に。
AIロボットと病弱な少女の物語。
舞台はいつか訪れる未来なのか、架空の世界なのか。
どこか無機質な雰囲気がこの地球上のことではないようにも感じられます。
なんというか、不穏。
人々の普通の営みなのにそこに感じる不穏な空気は、きっと「これは空想の世界だ」と自分に言い聞かせることで薄らぐ程度のことなんだけれど、「これは近い未来のことかもしれない」という怖れに似た思いはどうしてもすぐに湧いてきてしまって、ザワザワとした気持ちがおさまらない。
これがカズオ・イシグロの描く世界だ。
クララの清らかさ。
AIが発する裏がない言葉に、何度救われただろう。
これは奇跡の物語。
読み始めたら止めることができなくて、1日で読んでしまいました。