童話の狼。
『かがみの孤城』辻村深月/著、ポプラ社
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めたー。
遅ればせながら読んでみました。
中学生の、居心地の悪さとか、生きづらい感じとかが、リアルに伝わってくる物語。
異世界ファンタジーだけど、現実世界の重みもそのまま異世界に持ち込まれていて、あまりファンタジーっぽくない。どこまで行っても、ひとりの中学生のリアルな世界。
YA向きだからか、大人の私には展開や伏線がわかってしまって、驚きや感動はそこまでなかったのですが、現役世代には、響くことがたくさんあると思います。
学校と家が世界のすべてだった、あの頃の物語。
読後感が清々しいYA小説です。