ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

ながい言い訳とちいさな決意表明

長らく放置しているにもかかわらず毎日ブログを見にきてくださるみなさま、ありがとうございます。そしてほったらかしにしていてごめんなさい。

本屋ネコオドルを始めた頃からブログを続けていて、本の紹介や猫のこと、本屋やイベントのことなどを「書きすぎない程度に、ふんわりと」書いてきました。この「書きすぎない程度に、ふんわりと」というのが私にとっては大事なことで、「しっかり届けよう」とすると、きっと下調べや読み込むための時間や労力がかかり、仕上がりも書評のようになっていく。けど、それは私の望むものではないので、あくまでも「ふんわりと」私が感じたことを雰囲気として伝えられればという思いで綴ってきました。

そんなふんわりとしたブログ、最初は週5で更新していたのに、いつの間にか週3へ。と思ったら、あれ、週2になった?いやいや、月1か…。おや、止まってる、と、今ここ。

前置きが長くなりましたが、ここから言い訳がはじまります。

Twitterやこのブログでも時々話題にしていましたが、私は今、作家であり出版人だった祖父のことを調べています。

家族の間でも祖父について語り継がれていることはほんのわずかで、長いことその「わずかなこと」が祖父についてのすべてだと思っていました。でも、とあるきっかけで祖父のことを調べ始めたら、次々と知らなかった事実が明らかになったのです。調べれば調べるだけ、どんどんと出てくる新しい情報。私達子孫が知っている祖父の姿は、ほんの断片に過ぎなかった。

本人は出征先で亡くなり、広島の実家は原爆で焼かれ、残された少ない遺品も今は行方知れず(おそらく従兄弟が保管しているのだけれど音信不通で所在を確かめられない)。身内のことなのに手持ちのカードがほぼない状態からの調査に、私が使ったツールは図書館。司書という立場と知識と特権(?)をフル活用しました。正直、図書館だけでここまでわかるとは思っていなくて、図書館ってすげーってなりました。私自身、司書としてレファレンス能力がかなり磨かれたと思います。

約1年半、図書館の仕事と本屋の営業のあいまの、本当にわずかな隙間時間を使って調査をしてきました。それも情報の入手のためにかかる時間が圧倒的で、入手した情報を読み込むところまでいっていないし、そもそも私には時代背景となる昭和初期の文学界や出版界、戦争についての知識が笑っちゃうほど薄っぺらかったので、その勉強も同時進行でした。で、新たな知識を得ると、そこから派生した調査でさらに新発見があったりして、もう、沼。祖父の沼、どこまでも深い。

と、祖父の沼に両足をどっぷり突っ込んでしまった私には、ブログを更新する余力が残らなかったというわけなのです。長い言い訳でした。すみません。

正直言って、祖父をめぐる調査はまだまだ終わりません。今まではインターネットと、県内の図書館や文学館を駆使して得られるだけの情報を手に入れましたが、この先、ちょっと遠征しなければいけない時期に突入しています。手始めに今月、都内の機関を1泊2日で巡るツアーを企てています。その後、大阪や広島、できたら茨城や長崎や滋賀にも行きたい。ああ、終わりが見えませんね。

今年は遠征の年。そして、まとめの年にしたい。

まとめの年…つまり、調べたことをひとつの資料としてまとめる、執筆です。

本格的に調査をするようになったきっかけは、祖父の娘である私の母に、書きまとめたものを贈りたいと思ったことでした。本と呼べるほど立派なものはできないかもしれないし、正直、どんな仕上がりになるのかは想像もできません。けれど、祖父について得ることができた事実と、子孫に語り継がれてきた話と、調査をするなかで感じた驚きや喜びや哀しみと、そんないろいろなことを詰め込んだ「祖父のこと」を書きたいと思うのです。

これは、ちいさな決意表明。

今年は書きます。

そんな自分の背中を押すため…というか気分を盛り上げるために、ポメラ買っちゃいました。今月は誕生月だし自分への誕プレです。

ああ、本当に長くなってしまったのでそろそろ締めますね。ブログの更新は今後もあまりできなくなります。でも、イベントの報告とか、調査の旅の報告とか、時々は更新すると思いますので、どうぞ私の気まぐれに今後ともおつき合いいただけたら嬉しいです。

ながい言い訳とちいさな決意表明でした。