ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

家の見る景色

名作絵本です。 『ちいさいおうち』ばーじにあ・りー・ばーとん/ぶん・え、いしいももこ/やく 、岩波書店私が住む家のまわりも、昔とはだいぶ景色が変わりました。 がらっと変わるのではなく、少しずつ少しずつ変わっていくので、元の景色がどんなだったか…

葉桜の頃に

誰もがだまされる。 『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午/著 、文藝春秋「映像化できない」と言われている意味が、読むとわかります。まず、美しいタイトルにだまされてはいけません。 なかなかハードな小説です。冒頭とか途中のエピソードとか、所…

読書会@ネコオドル

11月18日、ネコオドルで読書会を開催しました。 寄居読書会の第5回目です。課題本は萩原朔太郎『猫町』 参加者は6名。ネコオドルにふさわしく猫本を、ということで参加者の方がこの本を選んでくださいました。 主催者さんからは、『猫町』にちなんで猫のお菓…

月とおさんぽ

フランスで愛されてきた名作絵本です。 『こねことおつきさま』アルベルティーヌ・ドゥルタイユ/作・絵、ふしみみさを/訳 、徳間書店やんちゃな子猫が、満月の夜にお散歩にでかけると、月が追いかけてきます。 月と一緒に遊びながらどんどん進んでいくと……

相棒

何度でも言いますが、犬も大好きです。 『わたしのそばできいていて』リサ・パップ/作、菊田まりこ/訳、WAVE出版 字を読むのが嫌いなマディ。だってうまく読めないから。 ある日ママと行った図書館には犬のボニーがいて、マディが本を読むのを笑わずに聞い…

お散歩猫②

お店へ向かう道中に出会う猫。にゃあにゃあよく鳴く。必死です。人なつっこくて、ついてきます。行き帰り、探してしまう。出会えるといいことありそう。

赤いてぶくろ

木枯らし、吹きませんね。 『てぶくろがいっぱい』 フローレンス・スロボドキン/文、 ルイス・スロボドキン/絵、偕成社寒くなってきたので、この季節にぴったりな絵本を。赤い手袋の片方をなくしてしまった双子の男の子。 するとみんなが落とし物の手袋を…

快挙

結婚とはなんぞや。 『快挙』白石一文/著、新潮社ある方からいただいた本。 自分では選ばないタイプの本だったので、読むことができてよかったです。ある一組の夫婦の十数年間の日々を描いた、夫婦小説。 決してほのぼのとした物語ではなく、どちらかという…

お散歩猫

ネコオドルのお店の前をお散歩コースにしている猫。 毎日同じ場所に佇んでます。 タネさんと呼んでます。 綺麗な猫。 青い目をしています。 だんだん距離を縮めていきたい。

空を飛ぶ方法

すっごくツボにはまりました。 『少年少女飛行倶楽部』加納朋子/著、文藝春秋中学生の海月は、幼なじみに誘われて「飛行クラブ」に入部する。 活動内容は「空を飛ぶこと」という変わったクラブには、やっぱり変わった人達が集まっている。 彼らは、果たして…

夜になると

人間の知らないできごと。 『はくぶつかんのよる』イザベル・シムレール/文・絵、石津ちひろ/訳、岩波書店 『あおのじかん』のシムレールの絵本。 美しく繊細な色合いに目を奪われます。みんなが眠りについた夜の時間、博物館の展示品やおもちゃ箱の人形が…

碧の世界

これは紹介してはいけない本かもしれません。 『碧の迷宮 上』氷室冴子、角川書店永遠の未完の名作。 出版されたのは1989年。 私が読んだのはその10年後くらいでしたが、その時にはすでに「下巻は出ない」と言われていました。 どんな事情があったのかはわか…

寄り添うだけで

猫はそこにいるだけで癒やしです。 『ねこの看護師 ラディ』 渕上サトリーノ/文、上杉忠弘/絵、講談社弱り痩せ細った黒猫ラディは、助けられた動物保護施設で、奇跡的な回復をみせます。 するとラディは、施設に運び込まれてくる、ケガや病気で弱った様々…

魂のおむすび

心の栄養、たっぷりです。 『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』佐藤初女/著、集英社佐藤初女さんは、青森県の岩木山山麓に「森のイスキア」という癒やしの場をつくり、悩みや問題を抱えた人たちを受け入れてきました。素材の味をそのままに…

妹の逆襲

私は妹なので、姉妹を描いた本は大好きです。 『いもうとかいぎ』石黒亜矢子/作、ビリケン出版姉に虐げられている(?)妹たちが集まって、姉を反省させるための作戦会議を開きます。 いろんな意見が出てきますが、どんどん過激になってきて…。私自身は、姉…

涙のにおい

猫には隠し事はできません。 『夜廻り猫』深谷かほる/著、講談社涙のにおいをたどって、心で泣いている人の心に寄り添うためにやってくる夜廻り猫。 傷ついた人を励ますために、毎夜、現れます。友人から「まだ読んでなかったら読んでみて」と貸してもらった…

絵本の父

児童サービスのバイブル。 『幼い子の文学』瀬田貞二/著、中央公論新社図書館に勤めているのですが、児童担当ではないので、児童サービスに関われる機会は残念ながらあまりありません。でも研修会には時々参加しているので、実践の場を求めてうずうずとして…

すべて猫のもの

猫好きならば否めない。 『わたしのものよ』マルー/えとぶん、WAVE出版大判の表紙は、緑と花に囲まれた、白い猫。 美しい絵本です。リリさんの家で、犬のゴマと共に暮らす猫のサカナの日常。 家の中で外で、出会うモノすべて「わたしのものよ」とサカナ…

夜の虹

高砂ブルーと呼んでいます。 『ハワイの50の宝物』高砂淳二/著、二見書房図書館の仕事に就く前、働き方や職場のことでいろいろ悩んでいた頃でした。勉強のために通っていた新宿のビルの1階で、偶然に、高砂淳二さんの写真展にであいましした。 それは海の写…

いいこだね

岩合さんの声が好きです。 『日本のねこみち』岩合光昭/著、朝日新聞出版もう前のことですが、この本の出版記念トークイベントの抽選に当たり、参加しました。 「世界ネコ歩き」を毎回録画して見ている私は、岩合さんの大ファンです。 猫に話しかける岩合さ…

カラスのすべて

カラスの全てがこの1冊に! 『カラスの教科書』松原始/著、講談社雷鳥社版も欲しいのですが、手軽さに負けて文庫を手にしてしまいました。荻原規子さんの空色勾玉シリーズや、阿部智里さんの八咫烏シリーズが大好きな私にとって、カラスはどこか神秘な存在…

海を照らす光

猫も出てきますよ。 『だれのものでもない岩鼻の灯台』山下明生/文、町田尚子/絵、絵本塾出版役目を終えてひとりぼっちとなり、誰のものでもなくなってしまった灯台。 でもそんな灯台のもとに、いろいろな生き物たちが訪れてきます。灯台のクールな受け答…

猫本だらけ猫だらけ

『本屋、はじめました』の隣に並べています。 『猫本屋はじめました』大久保京/著、洋泉社日本初の猫本専門店といえば書肆吾輩堂。 インターネット書店の吾輩堂の店主さんによるエッセイです。オンラインショップを見ていると、欲しい本ばかりで大変です。 …

海に送る手紙

私は海のない街で生まれ育ちました。 『ガラスの封筒と海と』アレックス・シアラー/著、金原瑞人/訳、西本かおる/訳 、求龍堂ヤングアダルト小説の名手、アレックス・シアラーの作品。 船乗りの父を海で失った少年が、瓶に手紙を入れて海に流す。 海から…