ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

美しい言葉たち

美しいものが好きです。 『すみれの花の砂糖づけ 江國香織詩集』江國香織/詩、理論社江國香織さんの作品は大学生の頃ずっと読んでいました。 選ぶ言葉の美しさ、文章の潔さが好きで、私の中で「本を読む」とは、「美しい言葉に出会うこと」でもありました。…

それでも終わりは来る

エンデといえばこれです。 『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ/作、岩波書店高校生の夏休みに、部屋にこもって読みふけっていました。映画「ネバー・エンディング・ストーリー」が大好きで何度も繰り返し観ていて、ファルコンに乗りたいと本気で思ってい…

少年の孤独な戦い

残念ながら映画は観ていません。 『青の炎』貴志祐介/著、KADOKAWA高校生の主人公は、母と妹との平穏な暮らしを脅かそうとする母の元夫を殺害しようと決意する。 17歳の少年の完全犯罪は成功するのか。「ラストが…ラストが…」と、読後感を共有したが…

物語のヒロインたち

氷室冴子さんの作品のなかでもお気に入り。 『シンデレラ迷宮』氷室冴子/著、集英社ある朝目覚めると、別世界にいた女の子。 そこで出会う物語のヒロインたち。 思春期の少女たちの心に寄り添った、名作です。小学生の頃、氷室冴子さんの作品は全部持ってい…

シンプル

単純だけど難しい、それがシンプル。 『シンプルに生きる』ドミニック・ローホー/著、幻冬舎先日、「シンプルライフ」という映画を観ました。 アメリカで広がりをみせる「タイニィハウス・プロジェクト」を追ったロードムービーで、「身の丈に合った暮らし…

読書会@ネコオドル

10月21日、ネコオドルで読書会を開催しました。 寄居読書会の第4回目です。課題本はサン=テグジュペリ『星の王子さま』 参加者は6名。毎回、主催をしてくださっている佐藤さんが趣向をこらした演出をしてくださいます。 今回はフランスの作品ということで、…

猫の世界もむずかしい

宮沢賢治の猫のおはなし。 『猫の事務所』宮沢賢治/作、黒井健/絵、偕成社かまどの中で眠るため、いつもススだらけの「かま猫」。 体が汚れているからと猫仲間から嫌われていて、事務所でもほかの猫からいじめられています…。いろいろな猫が出てくるのです…

ずっといっしょ

大切にしているぬいぐるみ、ありましたか? 『こんとあき』林明子/さく、福音館書店あきと、おばあちゃんが作ってくれたぬいぐるみのこんは、大の仲良し。あきが大きくなってもずっと一緒ですが、だんだん古くなりほころびてしまったこん。治してもらうため…

魅惑のコレクション

宝石のように美しい。 『世界の美しいボタン』エリック・エベール/監修・コレクション・執筆、本田万里/仏語翻訳 、パイインターナショナル私にはコレクター気質がないらしく、モノを集めるということにあまり興味がありません。本も読めれば満足で「持っ…

猫のいる庭

猫好き作家さんによる猫の絵本。 『ハーニャの庭で』どいかや/作、偕成社どいかやさんの描く優しいタッチの絵が大好きです。 どいかやさんは、保護した猫たちと暮らしている猫好きさんです。新しい服を買わずに今あるものを大切に暮らすなど、その暮らし方…

男の子も女の子もお母さんも満足!

おたすけこびと、現れないかなぁ。 『おたすけこびと』なかがわちひろ/文、コヨセジュンジ/絵 、徳間書店徳間書店の編集者さんのお話を伺う機会があり、そのときにこの絵本にまつわるエピソードも聞くことができました。特に「いいなあ」と思ったエピソー…

優しい思い出

電力会社のCMでおなじみ、と言うと年代がばれてしまいますね。 『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ/さく・え、小川仁央/やく 、評論社子どもの頃、CMで見た美しい絵が印象的で、この絵本を知りました。死んでしまったアナグマさんが残し…

世界で一番美しいもの

猫は美しい。 『世界の美しい猫101』レイチェル・ヘイル・マッケナ/写真、山根義久/監修、大浜千尋/訳 、パイインターナショナルただの猫の図鑑ではありません。 美しく、可愛らしいのです。 ビジュアル重視で撮影された写真は、猫好きの心を鷲掴みに…

自然と一体になる

やっぱり猫のポーズですね。 『きみはライオン! たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作絵、竹下文子/訳 、偕成社ヨガのポーズをすると、ほら、あの動物になるよ。 わかりやすい言葉と絵で、子どもたちと楽しくヨガのポーズができます。ヨガをしている女性…

最近のネコオドル

先週は金土、ブログお休みしちゃいました。本屋ネコオドルと、図書館のお仕事。 両方全力というか「全部100%」はさすがにむずかしいので、ネコオドルはゆっくりとしたペースでやってます。 「無理をしない」がキーワード。 ぼちぼちやってます。お店の前を散…

うちのこ

わが家の姫です。 カメラきらい。普段はひとりが好きですが、時々、すごい勢いで甘えてくるのが可愛いこです。 カメラきらい。カメラは絶対見ません!という意思の強さを感じますね。強い女性は素敵ですよ。

小さな本屋さん

ネコオドルは、小さな小さな小さな小さな本屋さんです。 『日本の小さな本屋さん』和氣正幸/著 、エクスナレッジ写真がとても美しく、眺めているだけでも楽しめる1冊です。たくさんの本屋さんをぎゅっと詰め込んだガイドブックではなく、厳選されたひとつひ…

猫しかいない町

猫町、猫好きにはたまらない響きです。 『猫町』萩原朔太郎/著、心象写真制作スタッフ/著 、ベストセラーズいつもの道を散歩していたら、猫ばかりの世界に迷い込んでしまった…。詩人、萩原朔太郎の短編小説を写真付きで楽しめる1冊。 私の手持ちの『猫町』…

本と料理と兄妹

『九つの、物語』橋本紡/著、集英社数年前に死んだ兄が、幽霊になって帰ってきた。兄の手料理と、各章のタイトルにもなっている本の物語が印象的な、静かで繊細な物語です。 美しくて儚い、橋本紡さんの世界観が、この本には凝縮されている気がします。本の…

紙さま

基本、紙の本しか読みません。 『紙さまの話 紙とヒトをつなぐひそやかな物語』大平一枝/著、小林キユウ/写真、誠文堂新光社紙は、本を作る要素の一番大事な部分だと思います。 紙の色、質感、重さ、手ざわり、めくる時の指先の感触…。だから、丁寧な本作…

本を直す

手製本の美篶堂が教えてくれます。 『美篶堂とはじめる本の修理と仕立て直し』美篶堂/著、本づくり協会/監修、河出書房新社 図書館では本の修理をします。 ページが外れたり、破れたり、簡単な修理で直るものもあれば、一度解体して組み直さないといけない…

うちのこ

最近のうちのこ。肌寒くなってきた夜、くっついて眠るようになったこたち。 人間をはさんで、川の字になって寝ます。 人間が起きたあと、微妙な距離感。 そして緊張感。 もっと仲良くして。

生き方を選ぶ

帯の文に惹き付けられました。 『れんげ荘』群ようこ/著、角川春樹事務所月10万円で、心穏やかに楽しく暮らす。残りの人生を暮らせるだけの貯金をつくり、高給取りのキャリア職を早期退職して、安アパートに引っ越したキョウコ45歳。月10万円で、必要最低限…

命のリレーの物語

バートンの名作絵本の改訂版。 『せいめいのれきし 改訂版』バージニア・リー・バートン/文・絵、いしいももこ/訳、まなべまこと/監修、岩波書店1964年に生まれた絵本ですが、現在の知見に合わせて2015年に内容の改訂が行われました。 子どもたちに正しい…

家守

ヤモリじゃなくて、イエモリです。 『家守綺譚』梨木香歩/著、新潮社梨木作品のなかでも支持する人の多い『家守綺譚』。 私も大好きな作品です。梨木さんは不可思議を飄々と描く天才だと思います。 面白いんですよね。データベースの紹介文を引用させていた…