優しい思い出
電力会社のCMでおなじみ、と言うと年代がばれてしまいますね。
『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ/さく・え、小川仁央/やく 、評論社
子どもの頃、CMで見た美しい絵が印象的で、この絵本を知りました。
死んでしまったアナグマさんが残していった、忘れられない贈り物。
アナグマさんはいなくなっても、ひとりひとりの心の中にアナグマさんはずっといるのです。
死別の悲しみ、それを乗り越えること。
難しいテーマです。
美しい絵で綴る、静かで優しい物語は、決して押しつけることなく、それを子どもたちに教えてくれます。
「死別」を扱った絵本は他にもいろいろありますが、この絵本のいいところは、読んだ者の感情をむやみに揺さぶるようなことはせず、静かに穏やかに、そのことを考えるチャンスを与えてくれるような優しさを持っているところだと思います。
大人にも読んでほしい、美しく優しい絵本です。