物語のヒロインたち
氷室冴子さんの作品のなかでもお気に入り。
ある朝目覚めると、別世界にいた女の子。
そこで出会う物語のヒロインたち。
思春期の少女たちの心に寄り添った、名作です。
小学生の頃、氷室冴子さんの作品は全部持っていました。
ピンクのコバルト文庫。
今もお気に入りは大事に持っています。
特に好きだったのがこの作品なのですが、一緒に氷室さんの作品を読んでいた友人から「これはあまり好きじゃない」と言われて、「私は好きだ」とは言い出せなくなってしまったことを、よく覚えています。
その友人は強くて自分の考えをはっきりと言える子で、私は引っ込み思案で思っていることを表に出せない子で。そんな性格の違いもあって、作品から感じた印象がそれぞれだったのだろうと今ならわかるのですが、当時は友人の感想がただ哀しかったのを覚えています。
多感な時期の少女たちの心の動きを繊細に描いた、YA小説の名作だと思います。
今のYA世代にも読んでほしい、色あせない作品だと思うので、絶版になっているのがもったいない。
図書館などでぜひ手に取ってほしいです。
復刊されるのを期待します。