ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

本(中高生)

映画館で働く

『幻想電氣館』堀川アサコ/著、講談社趣味はシリトリという古風な高校生スミレは、ある日商店街の映画館に迷い込む。 そこで映写技師に一目惚れしたスミレは、アルバイトを始めることに。 風変わりな特技を持つスミレと、不思議な映画館で出会う不思議な人…

魔女が生み出すファンタジー

想像の空を飛んで。 『ファンタジーが生まれるとき 『魔女の宅急便』とわたし』角野栄子/著、岩波書店幼い頃からの体験、童話作家としての歩み。 想像の世界とのつきあい方から、『魔女の宅急便』誕生の裏側まで、角野栄子さんの創作の秘密を垣間見られます…

魅惑の部屋

この世界のすべて。 『ヴンダーカンマー ここは魅惑の博物館』樫崎茜/著、理論社職業体験で県立博物館に行くことになった5人の中学生。 それぞれ別々の仕事を手伝うことに。 博物館にまったく興味のなかった5人の、それぞれの成長物語。魚類、鳥類、哺乳類…

春一番

神様は犬。 『エチュード春一番 第1曲』荻原規子/著、講談社大学生になる春、美綾の家に迷い込んできたパピヨンは八百万の神様だった。 希望と悩みでいっぱいの大学生活と、ちょっと変わった神様との共同生活。 幼なじみとの再会と、昔の同級生の死にまつわ…

ブラジルの光と闇

ナーダとは「なんにもない」という意味。 『ナーダという名の少女』角野栄子/著、KADOKAWAブラジルのリオ・デ・ジャネイロで日本人の父と暮らす15歳のアリコ。 ある日、ナーダという名の不思議な少女と出会う。ブラジルが舞台の小説を読むのははじめてだと…

図書館の人

本の探偵。 『司書のお仕事 お探しの本は何ですか?』大橋崇行/著、小曽川真貴/監修、勉誠出版司書という仕事に興味を持っている人に向けて、司書の仕事を物語形式でわかりやすく伝える1冊。最近2巻目が出版された『司書のお仕事』。 まだ読んでいなかった…

アラスカ

アラスカに見た夢。 『アラスカの詩 夢を追う人』星野道夫/著、新日本出版社星野道夫さんの著作『旅をする木』や『長い旅の途上』から抜粋した11編を、写真と共に若い人に向けて組み直した本。ルビがふられていて文字も少し大きめで、図書館では児童書に分…

あたりまえ

生きにくい世の中だけど。 『クマのあたりまえ』魚住直子/著、植田真/絵、ポプラ社「生きること」を考えさせる、動物たちが主人公の9つの物語。「死んだように生きるのは、意味がないと思ったんだ」 子グマのこの言葉が印象的です。本のタイトルになってい…

猫との約束

猫と人間の物語。 『約束の猫』村山早紀/著、げみ/イラスト、立東舎4つの、猫にまつわる短編集。 きれいなイラストがやさしく寄り添い、物語を彩ります。村山早紀とげみのコラボ3作目。捨てられていた白い子猫のエピソードが多いのは、村山さんの経験なの…

雪ふる校舎

思い出して。 『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月/著、講談社ある雪の日、男女8人の高校生が学校に閉じこめられた。 開かない扉、5時53分で止った時計。 8人は2ヵ月前に自殺したクラスメートのことを思い出すが、その顔と名前がわからない。 どうして忘れ…

ペンギン

ファンタジーの境界線。 『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦/著、KADOKAWA小学4年生のぼくが住む郊外の町に、突然ペンギンたちが現れた。 この事件には歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっているみたいだ。 謎を研究するぼくの極上のファンタジー物語…

水晶と少年

石の妖精。 『水晶庭園の少年たち』蒼月海里/著、集英社亡くなった祖父の鉱物コレクションと、不思議な雰囲気の少年との出会い。 少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。愛犬のメノウを亡くした喪失感があまりに深くて、読ん…

賢治せんせ

私はどこへ行くのだろう。 『賢治先生』長野まゆみ/著、河出書房新社賢治が汽車のなかで出会った「ジョバンナ」と「カムパネッラ」は、どこへ行ったのでしょうか。幻想的な物語。出てくるものや言葉が美しくて、うっとりしてしまいます。長野まゆみさんが描…

千年の森

ブルースを歌う犬。 『 千年の森をこえて』キャシー・アッペルト/著、片岡しのぶ/訳、デイビッド・スモール/絵、あすなろ書房テキサス州東部、メキシコ湾へと流れこむサビーン川の上流。 うっそうとした森に1匹の捨て猫が迷いこみ、千年にわたる不思議な…

きみは何色

私は黒猫。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ/著、新潮社イギリスに暮らすブレイディみかこさん。 人種も貧富もごちゃまぜの「元・底辺中学校」に通う息子の日常を描くノンフィクションです。話題になっていた本をようやく…

水の番人

なぜ世界は失われたのか。 『水の継承者ノリア』エンミ・イタランタ/著、末延弘子/訳、西村書店東京出版編集部資源や技術が失われた世界。 水が貴重なものとなった世界で、違法に水を得た者は厳罰に処される。 人知れず残された泉を守る使命を持った「茶人…

わたしたち

One。 『わたしの全てのわたしたち』サラ・クロッサン/著、最果タヒ/訳、金原瑞人/訳、ハーパーコリンズ・ジャパングレースとティッピは16歳の、腰から下がつながった結合双生児。 はじめての学校生活、かけがえのない友達、家族、恋、別れ。 つまりは普…

風町

行ってみたい場所。 『風町通信』竹下文子/著、ポプラ社「風町」と呼ばれる架空の町でひっそりと紡がれる、ちょっと不思議で心地よい日々。 31のファンタジー短編集です。文庫本になったと知って、この表紙を見たときの喜びといったら。 猫さん、素敵ですよ…

水惑星

わたしたちは水です。 『水の手紙 群読のために』井上ひさし/著、萩尾望都/絵、平凡社すべての水はひとつにつながっています。 子どもたちの未来と水惑星・地球の行方への祈りをこめて。これは、2003年に井上ひさしさんの出身地である山形県で上演された群…

マドレーヌ

理想の夫婦。 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学/著、KADOKAWAかのこちゃんは小学1年生の女の子。 マドレーヌ夫人はアカトラの猫。 かのこちゃんと友だちのすずちゃん、マドレーヌ夫人と犬の玄三郎。 ドキドキする毎日は、ちょっと不思議に満ちてい…

本の魔法

本も人も癒します。 『ルリユール』村山早紀/緒、ポプラ社ひと夏を過ごすことになった風早の街で、瑠璃はルリユール職人のクラウディアと出会う。 大切な本と、本にまつわる人々の思い出を癒していく、不思議な物語。現実とファンタジーの境界がなく、いつ…

光車

光と闇。 『光車よ、まわれ!』天沢退二郎/著、ポプラ社ある雨の朝、一郎は周囲の様子がいつもと違うことに気づく。 奇怪な事件が続出する中、一郎は神秘的な美少女・龍子らとともに、不思議な力を宿すという“光車”を探すことになるのだが―。詩人の天沢退二…

ブックカバー3

【7日間ブックカバーチャレンジ】_______________________目的:読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ 方法:好きな本を1日1冊選び、本についての説明はナシで表紙画像を7日間アップし続ける。 _______________…

ブックカバー2

【7日間ブックカバーチャレンジ】_______________________目的:読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ 方法:好きな本を1日1冊選び、本についての説明はナシで表紙画像を7日間アップし続ける。 _______________…

ブックカバー1

SNSで流行っている【7日間ブックカバーチャレンジ】、私の元にもまわってきて、友達限定のFacebookでチャレンジしました。毎日ブログで本の紹介をしてるので、いつもと違うことがしたいと思って趣向を変えて本を選びました。 それがなんだか楽しかったので、…

プチキング

あべこべ。 『ちいさなちいさな王様』アクセル・ハッケ/作、ミヒャエル・ゾーヴァ/絵、講談社僕のまえに現れた、人差し指サイズの小さな王様。 大きく生まれてだんだん小さくなっていく、あべこべな世界の王様はちょっと偉そうで、グミベアーが大好きです…

人気者をつくる

自分を演じる。 『野ブタ。をプロデュース』白岩玄/著、河出書房新社編入生のいじめられっ子、野ブタを人気者にする。 人気者の着ぐるみを着た桐谷修二は見事プロデュースできるのか?テレビドラマ、再放送されてますね。小説では、野ブタは男。 修二には彰…

うさぎ

パンが食べたくなります。 『うさぎパン』瀧羽麻子/著、幻冬舎幼い頃に母を亡くし、仲の良いまま母と暮らす優子。 高校生になって、家庭教師の美和ちゃんが来るようになった。 同級生の富田くんとはパン好き同士で気があって、大好きなパン屋巡りを始める。…

海が近くに

方言っていいなと思う。 『海がきこえる』氷室冴子/著、徳間書店高知の大学を卒業し、東京の大学に通う杜崎拓。 武藤里伽子が東京にいると聞いて、高知の高校時代のことを思い出すー。ジブリでアニメ映画化をされたので、氷室冴子さんの作品のなかでも知ら…

風神

芸能の持つ不思議な力。 『風神秘抄』荻原規子/著、徳間書店平安末期、平治の乱。 笛を吹くのは好きな青年草十郎と、不思議な力を持つ舞を舞う糸世の物語。今、わけあって「平家物語」を読んでいるのですが、どうしてもこの本が読みたくなって仕方ないので…