週末は猫
島といえば、猫。
『週末島旅』小林希/著、幻冬舎
世界中を旅する作家・小林希さんによる、日本の島旅エッセイ。
旅に出ることがむずかしい今だから、旅にまつわる本を読みたくなる。
小林希さんは、『日本の猫宿』『世界の美しい街の美しいネコ』など、猫と旅に関する本も書かれています。
この本も、表紙は猫!
島と猫は、切っても切れない関係ですからね。
猫島として有名な田代島も登場します。
島国日本の、さらに小さな離島の数々。
ユニークな風習が残っていたり、独自の生態系を築いていたり。
それぞれの島の歴史や風土が色濃く描かれとても興味深い。
そして、私たちにとっては一時の旅先であっても、そこで生まれ暮らしている人達の大切な故郷であるということをきちんと思い出させてくれる本です。
一般のガイドブックと違って、小林さんが実際に訪れた記録だというところがいい。
情報だけではなく、ひとりの人が感じたり体験したことが体温を伴って伝わってくる感じ。
「人」が感じられる本はやっぱりいい。
よく考えてみたら、今のご時世じゃなくても、こんなに島を巡ることってなかなかできないこと。
本だからこそ体験できるディープな旅を、存分に堪能できる1冊です。