ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

パリで働く

仕事と暮らし。

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『パリの国連で夢を食う。』川内有緒/著、幻冬舎

パリの国連で働いていた5年半のあれこれ体験記。

川内有緒さんが取材して書いたノンフィクションを読んでいたら、その端々に見え隠れする川内さん自身の生き方にとても興味がわいてきて、この本にたどり着きました。
これぞまさしく川内さん自身について書かれた本。

パリ、国連、と単語だけ見たらなんともリッチな香りが漂ってきますが、そんな先入観も忘れてしまいました。
シャンゼリゼとかセーヌ川のほとりとかはあまり関係なかった。
たまたまパリの中にある、国際色豊かな世界。
多様性とか平等や平和を目指す組織なのに、なかなかな格差と不平等さとを味わえる場所という印象でした。

私は大学でフランス語と英語にかなり密着した4年を過ごしたわりに、というか、過ごしたはずなのに、それ以降はずっと外国と縁がない生活を送ってきてしまいました。
日本語でもコミュニケーションに難ありだった自分には、外国語なんて夢のまた夢という感じだったんですよね。
でも大学時代の友人には外国語を活かした仕事についている人が多くいることを思うと、もったいないことをしたような気がします。
環境だけ整っていても本人に意欲がないと人は育たないといういい例でした。

それにしても。
やっぱり川内有緒さんは興味深い。
川内有緒さんがおもしろい人だから書く本もおもしろくなるんだと確信しました。

彼女の見る世界をずっと追い続けたい。

この本を読み終えた今、『パリでメシを食う。』が読みたくてたまらなくなったので、次はこれだな。