パリで生きる
この場所で。
『パリでメシを食う。』川内有緒/著、幻冬舎
パリに住み働く10人の日本人の生き方。
丁寧な取材をもとに綴られたルポルタージュです。
海外の地で職を得て暮らしていくことは、きっと想像以上に生きる力の強さが必要だ。
料理人、漫画喫茶の店主、スタイリスト、カメラマンなど職種は様々で、決して成功しているわけではなく、まだまだ道の途中、今いる場所が到達点ではない。
たまたま、いま、パリにいる。
そんな軽やかな空気が感じられます。
自分探しにパリに行くと潰されて帰ってくる、と、大学で仏文学を学んでいた頃によく聞かされていました。
自分自身を持っていないと暮らしていけない場所。
この本を読んでそのイメージが完全に覆ることはなかったけれど、でもパリの優しさにも触れることができて、なんだか嬉しかった。
思っていたよりパリって懐広いんじゃん。
単なる成功体験談より多くのことが得られる本。
日本に縛られている心が、少しだけ解放された気がします。