春一番
神様は犬。
大学生になる春、美綾の家に迷い込んできたパピヨンは八百万の神様だった。
希望と悩みでいっぱいの大学生活と、ちょっと変わった神様との共同生活。
幼なじみとの再会と、昔の同級生の死にまつわるミステリー。
昨年、角川文庫版が出ましたが、元は講談社からタイガという文庫レーベルが創刊された時に出版された本。
私の手元にあるのは講談社タイガ版です。
神様が犬、しかもパピヨン。
その設定も愉快だし、神様が語る神様の話がとても面白い。
真理だなあと思うことばかり。
荻原規子さんはファンタジーのイメージが強く、現代日本が舞台の『RDG』でも異能の人々のお話だったので、今時の普通の女子大生の物語はなんだか新鮮。
と思っていたら、パピヨンの神様が出てくるあたり、やはりしっかりファンタジー。
気づかぬ間に不思議な世界に入り込んでいました。
荻原規子さんが描く少し古風な女の子がとってもキュート。
第2曲まで出版されています。
大宮氷川神社や秩父神社、三峯神社、オオカミ信仰の話なども登場し、ますます興味深い。
続きを熱望します。