ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫5匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

ことばは変わる

辞書にも性格がある。

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『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』佐々木健一/著、文藝春秋

元は1冊の辞典を共に作ってきた二人は、なぜ決別したのか。
辞書作りの裏側に迫ったドキュメンタリー。


三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』、どちらも三省堂から出版されているロングセラーの辞書です。

この2つの辞典、戦時中に生まれた『明解国語辞典』から、2つの流れとなって分かれたものだったと知っていましたか?

作ったのは、見坊先生と山田先生。

大学の同級生だった二人の決別。
そして辞書に捧げた二人の人生。

辞書作りって、とても人間臭かった。

そして辞書って、個性が強いものなんですね。

この本の中では、二人の人間性を表すかのような辞書の表現について、いくつも取り上げられているのですが、こんなにも作り手の感情や頭の中が辞書に反映されているのかと、面白くなりました。

図書館では、調べものの時には2つ以上の文献を当たることが常識としてありますが、辞書によってこんなに表現が違うならばそれも納得です。
あらたまって辞書の引き比べをしたことがなかったので、本当に新鮮な発見でした。

三省堂国語辞典』の見坊先生、そして「新解さん」としても有名な『新明解国語辞典』の山田先生、二人の辞書にかけた情熱は、たとえすれ違いがあったとしても、通じあっていたはずだと思います。

わが家には、昭和27年に出版された『明解国語辞典』改訂版があります。
もうぼろぼろなのですが、宝物なのです。
この辞書にまつわる物語を知ることができました。

辞書って、おもしろい。