幻の映画
フィルムを捜して。
『映画探偵 失われた戦前日本映画を捜して』高槻真樹/著、河出書房新社
いつのまにか消えてなくなってしまった、戦前日本映画の名作たち。
それら失われた映画に心奪われ、フィルムを捜した映画探偵たちを追いかけたドキュメント。
戦前の日本映画でフィルムが残されているのが製作本数全体の10%だとは衝撃的です。
失われた原因はひとつではなく、負の要因が幾重にも重なった結果だということ。
とても脆く、はかないフィルム。
そんな貴重なフィルムを捜し出し、修復し、後世に伝えようと活動する人たちの奮闘ぶりが伝わってくるとても興味深い記録の数々に、ぐんぐん引き込まれてしまいました。
そして、映画の捜し方を学びました。
私の捜したい映画、この本を読む前は見つけることはできないと思い込んでいたけど、読み終えた今、可能性はゼロじゃないと、思うようになりました。
奥が深い映画の世界。
眠れるフィルムを捜し出す日を夢見て。
映画探偵は、映画救世主。
ロマン溢れる世界です。