踊る踊る
猫もしゃくしも。
『踊る猫』折口真喜子/著、光文社
読書記録をつけているのですが、数年前にこの『踊る猫』を読んだことになっていて、でもどんな内容だったのか記憶がなく、本当に読んだのかピンとこなかったのです。
そこで改めて読むことにしました。
タイトルになっている「踊る猫」は短編のひとつ。
猫は踊るもの、という説は蕪村の時代から変わらないようです。
蕪村と応挙が戯れに描いた踊る猫としゃくしの絵、楽しげな雰囲気が伝わってきます。
検索すると見ることができますので、興味のある方はぜひ。
蕪村の句や絵を軸にして紡がれる幻想的な物語集。
河童、月の兎、雪女、ウブメ。
妖しげなものたちがたくさん登場します。
時にもの悲しく、優しく、妖しい物語たち。
本のタイトルが『踊る猫』じゃなかったら、もしかしたら手に取らなかったかもしれない本。
タイトルに導かれて出会うことができました。
読めてよかった。
続編に『恋する狐』があります。