ブラジルの光と闇
ナーダとは「なんにもない」という意味。
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで日本人の父と暮らす15歳のアリコ。
ある日、ナーダという名の不思議な少女と出会う。
ブラジルが舞台の小説を読むのははじめてだと思います。
物語の冒頭から、独特な空気感を感じながら読み始めました。
翻訳小説を読む時の感覚と似ているかもしれません。
異文化に対するなじめなさのようなもの。
日本人が書いたブラジルの話なのにこれは、とてもすごいことのように思います。
光あふれる陽気な街で、影のように孤独に暮らす父と子。
左右の目の色が異なる風変わりな少女。
あいつは死んでいるはずだと皆が言う魅力的な青年。
闇があって、光がある。
光があって、闇がある。
ブラジルの強い太陽の光と色濃い影が織りなす、不思議な物語。