神様
神様は偉大で、やっかいだ。
『その午後、巨匠たちは、』藤原無雨/著、河出書房新社
町にふらりと現れた、歳を取らない女性・サイトウ。
山の中に建てた神社に6人の巨匠画家を神様として呼び寄せた。
町は、画家たちが描く絵画の世界に支配されていくが…。
北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。
名前を聞いてピンとこなくても、絵を見ればわかるような有名画家たちです。
「画家を神様に」とはどういうことか。
よくわからないままに読み進めていたら、注釈に次ぐ注釈で重ねられていく物語の面白さにいつの間にか取り憑かれていました。
知っている事柄に付いてる注釈って読み飛ばしてしまいがちだけど、これは絶対に読み飛ばしてはならない。
全然関係ないんだけど、子どもの頃に見ていたアニメのこと。
かわいいセーラー戦士たちのお話、胸をときめかせて楽しく見ていたのです。
それが最終章になると、宇宙規模の平和を守る話になって、かわいいとか面白いとか、それだけじゃ済まされなくなってきたのです。
私はかわいくて楽しいアニメを見ていたはずなのに、なんで今、こんなに壮大な話を深刻に見ているんだろう。
引き込まれた先は、想像していたよりも大人の世界でした。
そんなことを思い出した読書体験。
こんなに面白い本、久々に読みました。