猫がいる百貨店
百貨店には魔法使いがいる。
戦後の焼け跡のなかに、街の人々の希望として生まれ、愛されてきた星野百貨店。
創業50年を迎えた今、閉店が近いのではないかとささやかれている。
魔法を使う白い子猫がいるという噂がある百貨店で働く人たちの、奇跡のような物語。
エレベーターガールもテナントのスタッフも役員も、誰もが百貨店を愛している。
そしてそれぞれのやりかたで、百貨店を守ろうとしている。
強く、優しく、美しい。
そこで働く人々の誇りと願いがまっすぐに伝わってくる物語です。
この物語を読みながら、熊谷の八木橋百貨店のことを思いました。
かつて空襲に焼かれた街の、地元に愛される百貨店。
私も子どもの頃は両親に連れられてよく買い物に行っていましたが、いつのまにか、訪れる機会も減ってしまいました。
近々、できればこのクリスマスの時期に、百貨店の魔法を見つけに、行きたくなりました。