ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

あたりまえ

生きにくい世の中だけど。

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『クマのあたりまえ』魚住直子/著、植田真/絵、ポプラ社

「生きること」を考えさせる、動物たちが主人公の9つの物語。

「死んだように生きるのは、意味がないと思ったんだ」
子グマのこの言葉が印象的です。

本のタイトルになっている「クマのあたりまえ」は、死ぬのが怖くて、死なないものになりたいと思いたつ子グマのお話。
とても短いお話ですが、生と死、生きるということの本質を、易しく端的に表わしている。
ハッとさせられます。

サイコパスなアオダイショウ、布を織るアメンボなど、登場する動物も個性豊か。
そしてみんな、どこか不器用で、一生懸命生きている。

寓話のように、やさしくあたたかな語りで強く鋭いパスを渡してくる。
ほんわかとしているだけではない、厳しさを持った物語たちです。

静かに考えながら読みたい本です。