どこにでもいる私の物語。
個性を消す再開発、みなと同じ幸せを迫る閉鎖性…それでもこの地を愛したい!
富山にUターンしたアラサーライターの“第二の青春”エッセイ。
私が暮らす寄居町も市街地活性化計画真っ只中なので、他人事ではなく読みました。
「この場所らしさ」ってなんだろう。
守っていくべきことと、新しく築いていくべきこと。
暮らしやすい場所を新しく提案することは、それまでの暮らしを捨てなさいと言うことと同じなのかもしれない。
ちょっと不便で、雑然としていて、混沌としている場所でも、それは歴史であり、生活そのものであり、簡単に捨てていいものではないだろう。
なにもかもが「きれい」に「スタイリッシュ」になっていくことに抵抗があって当たり前。
街をつくるのはそこに集う人々だということを忘れないようにしたい。
忘れないでほしい。
この本は、自分のことを読んでいるような感覚でした。
富山を寄居に置き換えて、映画や雑誌も別のワードに置き換えるだけで、そのまんま私の物語。
寄居町が、どこにでもあるどこかになってしまわないように。