やさしさとはなにか
猫は出てこないけど。
シングルマザーのミユキさんと、日本に暮らす8歳年下スリランカ人のクマさん。
出会って惹かれあったふたり、ずっと一緒にくらしていくという願いが、突然奪われて…。
ずっと一緒にいたいだけなのに、それだけのことがこんなにも難しいなんて。
入管収容や在留資格をめぐる裁判、理不尽な世界との闘い。
以前読んだ『N女の研究』というNPOで働く女性をとりあげたノンフィクションで、難民支援に取り組むNPOで働く女性のインタビューが載っていたのを、この本を読んで思い出しました。
日本の難民問題の闇の深さ。
当時も愕然としたけど、物語として突きつけられると、心が痛む。
日本に暮らす外国人にとって、日本は優しい国であってほしいと願う。
好きな作家の小説から、「面白そう」とふと手にした本から、日本のもう一つの真実を知り、考えるきっかけになればと思います。