猫を抱く
それぞれの幸せのかたち。
東京郊外を流れる青目川に架かる「ねこすて橋」。
この橋では、夜になると猫たちが集会を開いている。
飼い猫、野良猫…それぞれの事情を持つ猫と人間たちが織りなす連作短編集。
映画化されているのを知りませんでした。
元々私は猫が語り部となっている小説はあまり読まない人だったので、最近になって遡っていろいろ読んでいるのです。
読んでみると面白いのに、なんで読んでこなかったのか。
でも、いつでも読める、それが本のいいところです。
どうしたって飼い主である人間の都合に左右されてしまう、猫たちの不安定な暮らし。
猫の幸せは、どこにあるのか。
きっとそれは、猫によって違うし、人間には決められないもの。
猫に選んでもらえるように、私なりの幸せを分けていきたい。
切なくてあたたかい物語です。