身近に潜む不思議の穴。
『f植物園の巣穴』梨木香歩/著、朝日新聞出版
歯痛に悩む植物園の園丁が落ちた椋の木の巣穴の向こう側は、異界でした。
動植物の摩訶不思議。
淡々としていてユーモラスで、気をつけていないと迷子になる。
いつの間にかあっちの世界に行ってしまうので、注意が必要です。
梨木香歩さんのそんな作風が好き。
作品によっては混沌具合が深くて難しいものもありますが、これはそんな不思議を楽しめるお話です。
続編が出版されたというので、あらためてこの作品を読みたくなりました。
前に読んだのはもう何年前でしょう。
穴の向こうに不思議の世界というとアリスのようですが、これは日本のアリスでしょうか。
そんなことを考えながら再読したい1冊です。