裏庭から
庭のある家に住んでいることが嬉しくなりました。
『裏庭』梨木香歩/著、新潮社
子どもの頃、実は「不思議の世界に迷いこむ系」のお話が苦手でした。嫌いではなかったのですが、動物としゃべったり、不思議な生き物が登場したり、その不思議な生き物は予測不能な言動をして大抵はその場をメチャメチャにしたりする、その突拍子のなさに、酔ってしまう体質だったんです。
「変なヤツが突拍子もないことをする」のが怖いと感じる。ファンタジーをリアルの世界に落とし込もうとするクセがあったので、その過程でパンクしてしまう、ある意味想像力が豊かすぎたんだと思います。
この『裏庭』は、そんな「不思議の世界に迷いこむ系」のお話のなかで、私が酔わずに読めた最初の作品です。そして大好きなお話。
今でも『不思議の国のアリス』は、ちょっと酔います。