虹と蛇
今年最後の本の紹介です。
『虹いろ図書館のへびおとこ』櫻井とりお/著、河出書房新社
いじめがきっかけで学校に行けなくなった、小学6年生の火村ほのか。
たどり着いたおんぼろ図書館でみどり色の司書、謎の少年、そしてたくさんの本に出会い、ほのかの世界は少しずつ動き出す!
氷室冴子青春文学賞大賞受賞作と聞いて、期待しながら本を手に取りました。
氷室冴子さんの本で育った私にとって、この冠は見過ごせないものがあります。
そして、読み終えて…、期待以上に素敵な本でした!
図書館で出会えるのは、本だけじゃない。
本と、人と、経験と。
図書館に勤める身として、子どもたちにとっての図書館がこんな場所であると嬉しいな、と思います。
現役の司書さんが書いた本というだけあって、図書館の仕事の描写もリアリティがあります。
ああ、見習わなければ…と本筋と違うところで胸にささることがたびたび。
図書館の役割についてあらためて考えるいいきっかけになりました。
図書館があなたのこころを彩る感動の物語。
今の子どもたちに、こんな本があるよ!と自信を持って紹介できる作品が生まれてきたことが嬉しいです。