人魚伝説。
『赤い蝋燭と人魚』小川未明/文、酒井駒子/絵、偕成社
小川未明の童話「赤い蝋燭と人魚」を、酒井駒子さんの絵で。
北の海に棲む人魚の母親は、娘の幸せを願い、人間の老夫婦に託します。
でもやがて、欲に目がくらんだ人間によって、人魚の願いは裏切られて…。
物語の持つ神秘的な世界観に、酒井駒子さんの絵がよく合います。
妖しく美しい人魚、赤い絵が描かれたろうそく、海の生き物たち。
酒井駒子さんのために創られた物語なのではないかと錯覚するほどに、この童話にはこの絵しかあり得なくなってしまいました。
文章と絵のバランスも素晴らしい。
もの悲しいお話です。
人魚の話は、かなしい結末が多いですね。