読書会@ネコオドル
4月28日、ネコオドルで読書会を開催しました。
寄居読書会の第11回目です。
課題本は武者小路実篤『友情』
参加者は5名。
私は今回はじめて『友情』を読んだのですが、読んでも読んでも恋愛のお話で、友情らしくない。『友情』というより『片思い』の方がいいんじゃないか?と思うほど、どこまでも片思いの物語でした。
でもタイトルは『友情』。
そこで2度目には、野島と大宮の友情に視点をおいて読んでみました。そうすると、実篤が描きたかったモノがうっすら見えてくるような…。
みんなの感想がとても気になり、読書会が待ち遠しかったです。
読書会ではそれぞれ感想を言い合い、気になるところを朗読しました。
盲目的な片思い。
大宮の仕打ちはひどい。なにも雑誌に公表しなくても…
それをバネに野島、仕事がんばれ。
野島の女性観(結婚観?)にはちょっとひく…
野島、いい人みつけてしあわせになってほしい。
自分ならもう友情は続かないと思う。
など、いろんな感想が出ました。
恋愛や結婚に対する考え方が今とは違う時代の話ということもあり、なかなか理解できないこともあったりしますが、3角関係のドロドロや裏切り、失恋などの心の痛みは、いつの時代も変わりません。野島の前向きな人生、しあわせな未来を願う声が多くあがったようでした。
また女性の参加者が多かったこともあり、野島のイメージ、大宮のイメージ、杉子のイメージを有名人に例えたりして盛り上がりました。お一人漫画の『友情』を持って来られたので、そのイラストを見て想像していたイメージとくらべてみたり。
それぞれの恋愛や友情に対する思いなども飛び出し、なかなか熱い読書会になりました。
こんな機会でもないと語れないテーマで盛り上がれるのも、読書会の魅力のひとつですね。
2人の友情は、その後も続くのか。
「あんなこともあったねえ」といいながら笑い合える日がいつか訪れるといいと、後日談が気になるのでした。
武者小路実篤は「目についた女性のことごとくに恋心を抱くほど多感」な青年だったそうです。
なんだか実篤のイメージもずいぶんと覆された、楽しい読書会になりました。