愛された書店
本の力を信じた人生。
『アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』カウテル・アディミ/著、平田紀之/訳、作品社
1936年、アルジェ。
21歳で、書店「真の富」を開業し、出版社を起こしたエドモン・シャルロ。
第二次大戦とアルジェリア独立戦争のうねりに翻弄された、実在の出版人の物語。
カミュを世に送りだし、サン=テグジュペリやジッドらとも親交があったシャルロの、豊かに輝きながらも苦悩の多い人生。
出版にまっすぐに向き合う中で発せられる言葉の数々に、胸を打たれます。
あまり世に知られていなかったシャルロの人生にスポットをあててくれた著者に、感謝の気持ちでいっぱいです。
アルジェの人々から愛された書店。
すばらしい作品に出会えました。