ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

空を飛ぶ方法

すっごくツボにはまりました。 『少年少女飛行倶楽部』加納朋子/著、文藝春秋中学生の海月は、幼なじみに誘われて「飛行クラブ」に入部する。 活動内容は「空を飛ぶこと」という変わったクラブには、やっぱり変わった人達が集まっている。 彼らは、果たして…

夜になると

人間の知らないできごと。 『はくぶつかんのよる』イザベル・シムレール/文・絵、石津ちひろ/訳、岩波書店 『あおのじかん』のシムレールの絵本。 美しく繊細な色合いに目を奪われます。みんなが眠りについた夜の時間、博物館の展示品やおもちゃ箱の人形が…

碧の世界

これは紹介してはいけない本かもしれません。 『碧の迷宮 上』氷室冴子、角川書店永遠の未完の名作。 出版されたのは1989年。 私が読んだのはその10年後くらいでしたが、その時にはすでに「下巻は出ない」と言われていました。 どんな事情があったのかはわか…

寄り添うだけで

猫はそこにいるだけで癒やしです。 『ねこの看護師 ラディ』 渕上サトリーノ/文、上杉忠弘/絵、講談社弱り痩せ細った黒猫ラディは、助けられた動物保護施設で、奇跡的な回復をみせます。 するとラディは、施設に運び込まれてくる、ケガや病気で弱った様々…

魂のおむすび

心の栄養、たっぷりです。 『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』佐藤初女/著、集英社佐藤初女さんは、青森県の岩木山山麓に「森のイスキア」という癒やしの場をつくり、悩みや問題を抱えた人たちを受け入れてきました。素材の味をそのままに…

妹の逆襲

私は妹なので、姉妹を描いた本は大好きです。 『いもうとかいぎ』石黒亜矢子/作、ビリケン出版姉に虐げられている(?)妹たちが集まって、姉を反省させるための作戦会議を開きます。 いろんな意見が出てきますが、どんどん過激になってきて…。私自身は、姉…

涙のにおい

猫には隠し事はできません。 『夜廻り猫』深谷かほる/著、講談社涙のにおいをたどって、心で泣いている人の心に寄り添うためにやってくる夜廻り猫。 傷ついた人を励ますために、毎夜、現れます。友人から「まだ読んでなかったら読んでみて」と貸してもらった…

絵本の父

児童サービスのバイブル。 『幼い子の文学』瀬田貞二/著、中央公論新社図書館に勤めているのですが、児童担当ではないので、児童サービスに関われる機会は残念ながらあまりありません。でも研修会には時々参加しているので、実践の場を求めてうずうずとして…

すべて猫のもの

猫好きならば否めない。 『わたしのものよ』マルー/えとぶん、WAVE出版大判の表紙は、緑と花に囲まれた、白い猫。 美しい絵本です。リリさんの家で、犬のゴマと共に暮らす猫のサカナの日常。 家の中で外で、出会うモノすべて「わたしのものよ」とサカナ…

夜の虹

高砂ブルーと呼んでいます。 『ハワイの50の宝物』高砂淳二/著、二見書房図書館の仕事に就く前、働き方や職場のことでいろいろ悩んでいた頃でした。勉強のために通っていた新宿のビルの1階で、偶然に、高砂淳二さんの写真展にであいましした。 それは海の写…

いいこだね

岩合さんの声が好きです。 『日本のねこみち』岩合光昭/著、朝日新聞出版もう前のことですが、この本の出版記念トークイベントの抽選に当たり、参加しました。 「世界ネコ歩き」を毎回録画して見ている私は、岩合さんの大ファンです。 猫に話しかける岩合さ…

カラスのすべて

カラスの全てがこの1冊に! 『カラスの教科書』松原始/著、講談社雷鳥社版も欲しいのですが、手軽さに負けて文庫を手にしてしまいました。荻原規子さんの空色勾玉シリーズや、阿部智里さんの八咫烏シリーズが大好きな私にとって、カラスはどこか神秘な存在…

海を照らす光

猫も出てきますよ。 『だれのものでもない岩鼻の灯台』山下明生/文、町田尚子/絵、絵本塾出版役目を終えてひとりぼっちとなり、誰のものでもなくなってしまった灯台。 でもそんな灯台のもとに、いろいろな生き物たちが訪れてきます。灯台のクールな受け答…

猫本だらけ猫だらけ

『本屋、はじめました』の隣に並べています。 『猫本屋はじめました』大久保京/著、洋泉社日本初の猫本専門店といえば書肆吾輩堂。 インターネット書店の吾輩堂の店主さんによるエッセイです。オンラインショップを見ていると、欲しい本ばかりで大変です。 …

海に送る手紙

私は海のない街で生まれ育ちました。 『ガラスの封筒と海と』アレックス・シアラー/著、金原瑞人/訳、西本かおる/訳 、求龍堂ヤングアダルト小説の名手、アレックス・シアラーの作品。 船乗りの父を海で失った少年が、瓶に手紙を入れて海に流す。 海から…

美しい言葉たち

美しいものが好きです。 『すみれの花の砂糖づけ 江國香織詩集』江國香織/詩、理論社江國香織さんの作品は大学生の頃ずっと読んでいました。 選ぶ言葉の美しさ、文章の潔さが好きで、私の中で「本を読む」とは、「美しい言葉に出会うこと」でもありました。…

それでも終わりは来る

エンデといえばこれです。 『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ/作、岩波書店高校生の夏休みに、部屋にこもって読みふけっていました。映画「ネバー・エンディング・ストーリー」が大好きで何度も繰り返し観ていて、ファルコンに乗りたいと本気で思ってい…

少年の孤独な戦い

残念ながら映画は観ていません。 『青の炎』貴志祐介/著、KADOKAWA高校生の主人公は、母と妹との平穏な暮らしを脅かそうとする母の元夫を殺害しようと決意する。 17歳の少年の完全犯罪は成功するのか。「ラストが…ラストが…」と、読後感を共有したが…

物語のヒロインたち

氷室冴子さんの作品のなかでもお気に入り。 『シンデレラ迷宮』氷室冴子/著、集英社ある朝目覚めると、別世界にいた女の子。 そこで出会う物語のヒロインたち。 思春期の少女たちの心に寄り添った、名作です。小学生の頃、氷室冴子さんの作品は全部持ってい…

シンプル

単純だけど難しい、それがシンプル。 『シンプルに生きる』ドミニック・ローホー/著、幻冬舎先日、「シンプルライフ」という映画を観ました。 アメリカで広がりをみせる「タイニィハウス・プロジェクト」を追ったロードムービーで、「身の丈に合った暮らし…

読書会@ネコオドル

10月21日、ネコオドルで読書会を開催しました。 寄居読書会の第4回目です。課題本はサン=テグジュペリ『星の王子さま』 参加者は6名。毎回、主催をしてくださっている佐藤さんが趣向をこらした演出をしてくださいます。 今回はフランスの作品ということで、…

猫の世界もむずかしい

宮沢賢治の猫のおはなし。 『猫の事務所』宮沢賢治/作、黒井健/絵、偕成社かまどの中で眠るため、いつもススだらけの「かま猫」。 体が汚れているからと猫仲間から嫌われていて、事務所でもほかの猫からいじめられています…。いろいろな猫が出てくるのです…

ずっといっしょ

大切にしているぬいぐるみ、ありましたか? 『こんとあき』林明子/さく、福音館書店あきと、おばあちゃんが作ってくれたぬいぐるみのこんは、大の仲良し。あきが大きくなってもずっと一緒ですが、だんだん古くなりほころびてしまったこん。治してもらうため…

魅惑のコレクション

宝石のように美しい。 『世界の美しいボタン』エリック・エベール/監修・コレクション・執筆、本田万里/仏語翻訳 、パイインターナショナル私にはコレクター気質がないらしく、モノを集めるということにあまり興味がありません。本も読めれば満足で「持っ…

猫のいる庭

猫好き作家さんによる猫の絵本。 『ハーニャの庭で』どいかや/作、偕成社どいかやさんの描く優しいタッチの絵が大好きです。 どいかやさんは、保護した猫たちと暮らしている猫好きさんです。新しい服を買わずに今あるものを大切に暮らすなど、その暮らし方…

男の子も女の子もお母さんも満足!

おたすけこびと、現れないかなぁ。 『おたすけこびと』なかがわちひろ/文、コヨセジュンジ/絵 、徳間書店徳間書店の編集者さんのお話を伺う機会があり、そのときにこの絵本にまつわるエピソードも聞くことができました。特に「いいなあ」と思ったエピソー…

優しい思い出

電力会社のCMでおなじみ、と言うと年代がばれてしまいますね。 『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ/さく・え、小川仁央/やく 、評論社子どもの頃、CMで見た美しい絵が印象的で、この絵本を知りました。死んでしまったアナグマさんが残し…

世界で一番美しいもの

猫は美しい。 『世界の美しい猫101』レイチェル・ヘイル・マッケナ/写真、山根義久/監修、大浜千尋/訳 、パイインターナショナルただの猫の図鑑ではありません。 美しく、可愛らしいのです。 ビジュアル重視で撮影された写真は、猫好きの心を鷲掴みに…

自然と一体になる

やっぱり猫のポーズですね。 『きみはライオン! たのしいヨガのポーズ』ユ・テウン/作絵、竹下文子/訳 、偕成社ヨガのポーズをすると、ほら、あの動物になるよ。 わかりやすい言葉と絵で、子どもたちと楽しくヨガのポーズができます。ヨガをしている女性…

最近のネコオドル

先週は金土、ブログお休みしちゃいました。本屋ネコオドルと、図書館のお仕事。 両方全力というか「全部100%」はさすがにむずかしいので、ネコオドルはゆっくりとしたペースでやってます。 「無理をしない」がキーワード。 ぼちぼちやってます。お店の前を散…