ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、保護猫5匹と暮らしています。本屋さんになるための修行中。

碧の世界

これは紹介してはいけない本かもしれません。

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『碧の迷宮 上』氷室冴子角川書店

永遠の未完の名作。
出版されたのは1989年。
私が読んだのはその10年後くらいでしたが、その時にはすでに「下巻は出ない」と言われていました。
どんな事情があったのかはわかりません。

でも、とても素敵な小説なんです。
平安時代が舞台の、王朝ロマンたっぷりのミステリー。
「下巻は出ない」と言われているのに読みはじめ、読み終わると「ああ、下巻が読みたい!」と身もだえしました。
氷室冴子さんの王朝モノは、他にも代表作といわれる作品がいくつもあり、どの作品も好きですが、私はこれが自分のなかの1番になる予感を感じていました。完成しなかったので、その答えあわせはできないままですが…。

氷室冴子さんがご存命の間は「もしかしたら…」という淡い期待もしていましたが、他界された今となっては、本当に永遠の未完となってしまいました。

表紙のイラストも、タイトルも、何もかもがとても気に入っています。
未完成のまま心に残る、宝物の1冊です。