海に送る手紙
私は海のない街で生まれ育ちました。
『ガラスの封筒と海と』アレックス・シアラー/著、金原瑞人/訳、西本かおる/訳 、求龍堂
ヤングアダルト小説の名手、アレックス・シアラーの作品。
船乗りの父を海で失った少年が、瓶に手紙を入れて海に流す。
海から返事が届いたことによって物語が大きく動き出す、ヒューマン・ファンタジー。
シアラーらしい、ワクワクさせる楽しさと優しさに触れられる作品。
少年が見せる孤独感、父を失った悲しさが、じわじわっと伝わってきて切なくもなります。
少年の繊細な部分が、言葉にせずとも伝わってくる、奥深さも感じました。
シアラー作品は、図書館に勤めだしてからはじめて出会いました。
YA世代のためにたくさんの素敵な作品を生み出しています。
私の子ども時代にもあったらよかったなぁと、ついつい考えてしまいます。