ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

聞こえるよ

耳をすますと。 『きこえるきこえる』マーガレット・ワイズ・ブラウン/作、レナード・ワイズガード/絵、よしがみきょうた/訳、小峰書店目にごみが入り、お医者さんに包帯を巻いてもらった子犬のマフィン。 目をつぶったときのように真っ暗だけど、大丈夫…

ブックオフ

愛にあふれてる。 『ブックオフ大学ぶらぶら学部』夏葉社ブックオフを愛する人々による、ブックオフの魅力と思い出。私もブックオフが大好きです。 深谷の国道沿いにある2店をはしごすることも。頭の中にある「探している本リスト」を思い浮かべながら棚をチ…

ねこがいる

ねこ、なにしてる? 『ねこいるよ』武鹿悦子/作、直江みちる/絵、リーブルねこいるよ。 顔洗ったり、あくびしたり。 お母さん猫のもとをはなれて、ちょっと冒険。ちっちゃくてかわいい子猫のしぐさを丁寧に描いた絵本。子猫のぽわぽわっとした毛並みが伝わ…

たちどまる

裏表紙のアマビエが美しい。 『たちどまって考える』ヤマザキマリ/著、中央公論新社パンデミックを前にあらゆるものが停滞し動きを止めた世界。 イタリア、キューバ、ブラジル、アメリカと、世界を渡り歩いてきた漫画家・ヤマザキマリさんが、たちどまって…

エーゲ海

強い日差しのなかで。 『エーゲ海の猫』村松雪絵/著、講談社ギリシアの猫との出会いは、私の不思議体験だった。エーゲ海の猫たちの写真集。自由気ままに生きるたくましい猫たち。 白壁が続く美しい異国の風景のなかで、神秘的にさえ見えます。猫はただそこ…

10ねこ

本当に10匹なのか。 『ねこねこ10ぴきのねこ』マーティン・レーマン/さく、ほしかわなつこ/やく、童話館出版1匹目のねこは、わたしです。ページをめくると、次々と猫たちがごあいさつ。 10匹のいろんな猫にであえます。丸っこいフォルムの独特な絵がクセに…

3ねこ

何色にでもなれる。 『三びきのこねこ』ヴラジーミル・ステーエフ/ぶん、ジュリオ・マエストロ/え、さがのやよい/やく、童話館出版黒、灰色、白の、3匹の子猫。 ねずみを追いかけて粉の缶に入ったら、真っ白の3匹になっちゃった。いろんなものを追いかけ…

白い猫

黒くなりたい。 『しろねこしろちゃん』森佐智子/文、Maya Maxx/絵、福音館書店真っ黒なお母さんと真っ黒な子猫のなかに、真っ白な「しろちゃん」が1匹。 しろちゃんは、みんなとおなじ真っ黒になりたくてたまりません。自分だけ違うことを恥ずか…

図書室

奇跡のレファレンス。 『お探し物は図書室まで』青山美智子/著、ポプラ社人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。 彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。お話のな…

オオカミ

オオカミの護符に護られながら。 『オオカミの護符』小倉美惠子/著、新潮社川崎市の実家の土蔵で目にした一枚の護符。 描かれた「オイヌさま」の正体とは何か。 関東甲信の山々へ、護符をめぐる謎解きの旅が始まる。狼にはなぜか昔から惹かれます。 オオカ…

学芸員のお仕事

ただのモノじゃない。 『ただいま収蔵品整理中!』鷹取ゆう/著、河出書房新社学芸員さんの細かすぎる日常。 博物館勤務の経験を元に描かれたノンフィクションコミック。司書と学芸員、資格を取るときに悩んだなあ。 図書館で働く司書の仕事は想像しやすいで…

やまねこ

やまねこもねこです。 『やまねこのおはなし』どいかや/作、きくちちき/絵、イースト・プレス山できままに暮らすやまねこは、ある日街へ出かけようと思い立ちます。 その途中で白い子猫を助け、山に帰って一緒に暮らすことに。きくちちきさんの大胆な筆遣…

ブラジルの光と闇

ナーダとは「なんにもない」という意味。 『ナーダという名の少女』角野栄子/著、KADOKAWAブラジルのリオ・デ・ジャネイロで日本人の父と暮らす15歳のアリコ。 ある日、ナーダという名の不思議な少女と出会う。ブラジルが舞台の小説を読むのははじめてだと…

図書館の人

本の探偵。 『司書のお仕事 お探しの本は何ですか?』大橋崇行/著、小曽川真貴/監修、勉誠出版司書という仕事に興味を持っている人に向けて、司書の仕事を物語形式でわかりやすく伝える1冊。最近2巻目が出版された『司書のお仕事』。 まだ読んでいなかった…

自分だけの服

気張らず、気取らず、自分らしく。 『服のはなし 着たり、縫ったり、考えたり』行司千絵/著、岩波書店自分や母や頼まれた相手のために、この世に1枚の服を縫う。 洋裁は独学だから、商売はせず、あくまで目の前の人のために。 自分を取りまく服とおしゃれの…

ふたりの巨人

世界を船に乗せて。 『空をゆく巨人』川内有緒/著、集英社福島県いわき市の生まれながらの商売人、志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。 1980年代にいわきで出会い、数々の驚くべき「作品」を生み出してきたふたりの「巨人」の実話。と…

社史をつくる

これだって立派な「本を編む」なのだ。 『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん/著、筑摩書房社史編纂室で働く幸代は、それなりに働き、仲間と趣味の同人誌づくりに精を出す。 しかし、社の秘密に気づいてしまったことで社史作りも同人誌づくりも思わぬ…

ココアの日

あたたかいココアをどうぞ。 『木曜日にはココアを』青山美智子/著、宝島社川沿いの桜並木のそばに佇む小さな喫茶店「マーブル・カフェ」。 そのカフェで出された一杯のココアから始まる12編の連作短編集。喫茶店の話なのかと思っていたら、それは第1話の舞…

本を守る

本の力を。 『本を守ろうとする猫の話』夏川草介/著、小学館主人公は、高校生の夏木林太郎。 一緒に暮らしていた祖父が突然亡くなり、祖父が営んでいた古書店『夏木書店』をたたむことになる。 そんな時、書棚の奥に人間の言葉を話すトラネコが現れ、本を守…

読書会@古民家

1月24日、寄居読書会でした。前回から5人のメンバーで幹事を順番にまわしていくスタイルで開催していて、今回はFさんプレゼンツです。開催するかどうか、みんなで悩み相談し、きちんと対策をとりながら行うことになりました。 マスク、消毒、ディスタンス、…

ポマンダー作り@リカ

ポマンダーは、香りの魔除け。オレンジにクローブをさし、シナモンパウダーをふりかけて作ります。中学生の時に所属していた美術部は顧問の先生が変わった人で、油絵を描く合間に、陶芸や七宝焼、イースターエッグ作りなど、色々なことを体験させてくれたの…

アラスカ

アラスカに見た夢。 『アラスカの詩 夢を追う人』星野道夫/著、新日本出版社星野道夫さんの著作『旅をする木』や『長い旅の途上』から抜粋した11編を、写真と共に若い人に向けて組み直した本。ルビがふられていて文字も少し大きめで、図書館では児童書に分…

とりつく

生きているモノ以外でお願いします。 『とりつくしま』東直子/著、筑摩書房この世に未練を残して死んだ人の前に現れる「とりつくしま係」。 愛しい人のそばへ、モノになって戻ることを選んだ人たちを描いた短編集。何になりたいですか? そう問われて、私な…

あなたの海

青く澄んだ生命の海。 『海をあげる』上間陽子/著、筑摩書房年若い母親に寄り添い耳を傾ける。 愛しい娘の成長を感じる。 沖縄の人が生きている中で直面している問題をまっすぐに見つめる。 体の奥底からあふれでる言葉の力を感じるエッセイ集。『裸足で逃…

あたりまえ

生きにくい世の中だけど。 『クマのあたりまえ』魚住直子/著、植田真/絵、ポプラ社「生きること」を考えさせる、動物たちが主人公の9つの物語。「死んだように生きるのは、意味がないと思ったんだ」 子グマのこの言葉が印象的です。本のタイトルになってい…

送る

すべて自由だ。 『晴れたら空に骨まいて』川内有緒/著、ポプラ社亡くした大切な人の、それぞれの弔い方。 故人と残された人の出会いから思い出の日々、見送りの時、そしてその後。 丁寧に取材して綴られた、5組が見つめた「生と死」の物語。『バウルを探し…

ザ・ミステリー

想像以上の想定外。 『屍人荘の殺人』今村昌弘/著、東京創元社いわくつきの映画研究部の夏合宿に加わるために訪れたペンション紫湛荘。 そこに起こった想像し得なかった事態により立て籠もることになった主人公達。 そこで連続殺人が発生し…。第27回鮎川哲…

バウルの歌

自分の心に。 『バウルを探して 完全版』川内有緒/著、中川彰/写真、三輪舎ベンガル地方で歌い継がれ、今日も誰かが口すざむバウルの歌。 なぜ数百年もの間、口頭伝承され歌い継がれているのか、その謎と本質に迫ったノンフィクション。2013年に幻冬舎から…

かわいい私

わたしをつくるもの。 『わたしもかわいく生まれたかったな』川村エミコ/著、集英社ちょっと生きづらく、でもどこかほっこりするような日々。 お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコさん初のエッセイ集。まずは、共感しかない、このタイトル。 多くの女性は…

生命

寄りそう詩。 『生命は 吉野弘詩集』吉野弘/著、リベラル社吉野弘さんの詩集。埼玉にも縁のある詩人、吉野弘さん。 吉野弘さんの娘さんが営む雑貨店が本庄市にあります。 この詩集にも掲載されている代表作のひとつ「奈々子に」の、奈々子さんのお店です。…