社史をつくる

これだって立派な「本を編む」なのだ。

『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん／著、筑摩書房

社史編纂室で働く幸代は、それなりに働き、仲間と趣味の同人誌づくりに精を出す。
しかし、社の秘密に気づいてしまったことで社史作りも同人誌づくりも思わぬ道へ。

社史編纂室のメンバーが個性的でおもしろい。
同人誌の世界ものぞき見られて興味深いし、そしてBLの世界はきっともっと奥深い。

それにしても。

社史編纂室とはいわゆる窓際部署なわけですが。
私には夢のようなお仕事にしか思えないのです。
社史を編纂する！

一般的には、商社に就職したら企画とか営業とか最前線で華やかに働きたいし、そもそもそのために商社に就職するんだろうと思います。
しかし私だったら、最初から社史編纂室を希望しちゃうかも。
だって、社史を編纂するんですよ。
出版系に興味がある人なら、この感覚わかるんじゃないでしょうか。
なんかワクワクしちゃうんですよね。

個性的な登場人物と、ただの社史編纂には終わらないストーリー。

漢字だらけのタイトルに「なんだか難しそう…」とか思っちゃってる人でもきっと楽しめるエンターテイメント作品です。