ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

春と

風を感じる。 『写訳 春と修羅』齋藤陽道/著、宮沢賢治/著、ナナロク社宮沢賢治の四篇の詩と、写真家・齋藤陽道が東北を中心に撮影した写真群。ミュージシャンの米津玄師さんが、創作に影響を受けた作品と語っていた宮沢賢治の「春と修羅」。 その詩の世界…

書くことは生きること

天職かもしれない。 『食っちゃ寝て書いて』小野寺史宜/著、KADOKAWA年齢的にも仕事的にもあとがない作家とあとがない編集者。 二人は自分の殻を破って先に進むことができるのか。「出版社とか編集の仕事をやりたいと思ったことあるの?」と、ある…

千年の森

ブルースを歌う犬。 『 千年の森をこえて』キャシー・アッペルト/著、片岡しのぶ/訳、デイビッド・スモール/絵、あすなろ書房テキサス州東部、メキシコ湾へと流れこむサビーン川の上流。 うっそうとした森に1匹の捨て猫が迷いこみ、千年にわたる不思議な…

床下の

上と下の世界。 『 床下の奴ら 庭付き・ネコ付き・一戸建て』Moon Ligft Sword/著、雷鳥社一軒家の住人と「床下の奴ら」の、日常のお話。 ほのぼのとあたたかく、おかしくて、ちょっとせつない。素敵な写真がたくさん。 お話からも写真からも、猫たちへの愛…

きみは何色

私は黒猫。 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ/著、新潮社イギリスに暮らすブレイディみかこさん。 人種も貧富もごちゃまぜの「元・底辺中学校」に通う息子の日常を描くノンフィクションです。話題になっていた本をようやく…

菓子パン

私はメロンパンがいいな。 『あんぱんジャムパンクリームパン』青山ゆみこ・牟田都子・村井理子/著、亜紀書房本にかかわる仕事をする3人が、自粛生活中のあれこれを交換日記風に綴ったエッセイ。「女三人モヤモヤ日記」というサブタイトルからも伝わってく…

シェイクスピア

伝説の本屋さん。 『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー/著、市川恵里/訳、河出書房新社パリ・左岸にある伝説のシェイクスピア&カンパニー書店に偶然住みつくこととなった、カナダから来た元新聞記者による回想記。これほ…

青い目

猫はねずみが好き。 『あおい目のこねこ』エゴン・マチーセン/さく・え、せたていじ/やく、福音館書店青い目のこねこは、ねずみのくにを探して冒険に!とてもシンプルでユーモラスな物語。 テンポ良く展開していくお話がとても楽しくて、何度も読みたくな…

よくばり

ちょっとだけ。 『欲が出ました』ヨシタケシンスケ/著、新潮社ちょっと欲が出たときの人の顔っておもしろい。 描きためていたスケッチに解説をつけた、浅いようで深いスケッチエッセイです。『思わず考えちゃう』に続く、ヨシタケシンスケさんのエッセイ。 …

橙色の

まちの人と本。 『橙書店にて』田尻久子/著、晶文社お店で出会う人たちのこと、本のこと。 熊本で橙書店を営む店主が綴るエッセイ。なにげない日々のなかで出会う、お守りのような言葉たち。 背中をおしてくれたり、勇気づけてくれたり。 そのひとつひとつ…

水の番人

なぜ世界は失われたのか。 『水の継承者ノリア』エンミ・イタランタ/著、末延弘子/訳、西村書店東京出版編集部資源や技術が失われた世界。 水が貴重なものとなった世界で、違法に水を得た者は厳罰に処される。 人知れず残された泉を守る使命を持った「茶人…

けもの!

けもの愛。 『世界のかわいいけもの!』パイインターナショナルかわいいだけじゃないけど、かわいい! 42種類の動物たちの楽しい写真集。砂漠の天使スナネコ。 那須どうぶつ王国で赤ちゃんが生まれたことで、一躍人気者になりましたが、この本にもしっかりと…

忘れない

すべてはつながっている。 『コロナの時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ/著、飯田亮介/訳、早川書房コロナの時代を生きる人々へイタリアを代表する小説家が贈る、2月29日から3月4日までに書かれた27編の短いエッセイ。私たちは、今をどのようにして生き…

白い靴

何色だってハッピー。 『ねこのピート だいすきなしろいくつ』エリック・リトウィン/作、ジェームス・ディーン/絵、大友剛/訳、長谷川義史/文字画、ひさかたチャイルドねこのピートは新しい白い靴でお出かけ。 歌いながら歩いていると、イチゴの山に登っ…

タイムマシン

タイムマシンの無駄使い。 『四畳半タイムマシンブルース』上田誠/原案、森見登美彦/著、KADOKAWA真夏の京都で、学生アパートに唯一のエアコンが動かなくなった。 そんな時にあらわれたタイムマシン。 このタイムマシンで昨日に戻って、壊れる前のリモコン…

地名から

雀の宮。 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』梨木香歩/著、筑摩書房地名から喚起され、想起された世界を描くエッセイ集。はじめの地図に、「雀宮」という地名を見つけて、気になった1冊。 寄居町の荒川沿いの崖の上に、「雀宮公園」という公園があるんです。 雀宮…

黒猫と暮らす

本名はくろあんです。 『黒猫ろんと暮らしたら』AKR/著、KADOKAWA5年前、保護猫だった黒猫のろんと出会って、ねこ飼いデビュー。 いろんなイメージを覆してくれる、黒猫ろんとの日常を綴ったコミックエッセイ。黒猫はクールなイメージだけど、実際は人懐っ…

てぬぐい

そのポテンシャル。 『かまわぬの手ぬぐい使い方手帖』河出書房新社いろいろな使い方ができる1枚の布、手ぬぐい。 手ぬぐいの使い方、楽しみ方のアイデア満載の1冊です。マスクやお買い物バックなど、今まで使い捨てだった物を見直しはじめた今だからこそ、…

クローゼットのなか

着ることは生きること。 『LILY'S CLOSET』石田ゆり子/著、マガジンハウス石田ゆり子さんのクローゼットのなか。 おしゃれと暮らし、石田ゆり子さんの生き方が見えてきます。猫と犬と暮らす石田ゆり子さん。 Instagramを見るのが毎日の楽しみになっています…

雨と猫

雨を楽しむ。 『ぴっちゃんぽっちゃん』accototo/さく・え、大日本図書雨降りの日、お散歩しているこねこのプチュ。 雨のなか、いろいろなお友達に出会います。猫はぬれるのが苦手だけど、雨の日にお散歩したら、こんな出会いがあるのかも。 かたつむりやカ…

仕事本

2020年4月の日記。 『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』左右社緊急事態宣言が発せられた日から始まる、77人の様々な職業の人々の日記。 仕事をテーマにした本であり、新型コロナウイルスと向き合うすべての人々が過ごした日常の記録でもあります。パン屋さ…

山で猫と

こんな暮らしがしてみたい。 『五十八歳、山の家で猫と暮らす』平野恵理子/著、亜紀書房母を亡くしたあと、八ヶ岳の麓の家に猫を連れてやってきた。 1年だけのつもりが、いつの間にか2年余り。 美しい四季、山暮らしの不便さ、ご近所さんとのおつき合い、厳…

わたしたち

One。 『わたしの全てのわたしたち』サラ・クロッサン/著、最果タヒ/訳、金原瑞人/訳、ハーパーコリンズ・ジャパングレースとティッピは16歳の、腰から下がつながった結合双生児。 はじめての学校生活、かけがえのない友達、家族、恋、別れ。 つまりは普…

海の音

海で遊ぼう。 『うみざざざ』ひがしなおこ/さく、きうちたつろう/え、くもん出版東直子さんと木内達郎さんコンビによる絵本シリーズ。海の音、波の音。海の色、空の色。すべてが夏。 キラキラまぶしくて、楽しい夏の1日です。夏にぴったりの海の絵本。浮き…

めんどくさい

私もめんどくさい本屋です。 『めんどくさい本屋』竹田信弥/著、本の種出版100年後まで残る本屋を。 東京・赤坂の選書専門書店『双子のライオン堂』の店主の、これまでとこれから。本屋はお守り、という言葉にグッときました。 私も本屋をはじめて、同じよ…

猫のおまじない

猫が運ぶしあわせ。 『しあわせのねこまじない』Forshow/著、小学館恋愛、健康、金運、人間関係… 生活に役立つプチおまじないを、猫たちが教えてくれます。おまじないと猫の写真のコラボで、とってもしあわせな1冊になっています。小さな悩みならこの本が吹…

菊ちゃん

一緒に暮らそう。 『猫の菊ちゃん』湊文/著、KADOKAWA保護猫カフェからやってきた、引っ込み思案な猫の菊ちゃん。 菊ちゃんと老夫婦がおくるしあわせな毎日を綴ったコミックエッセイです。出会えたことがしあわせ。 一緒にいられることがしあわせ。何をやっ…

魔女の庭

自然の声に耳をすませて。 『魔女のシークレット・ガーデン』飯島都陽子/著、山と渓谷社魔女の暮らしに欠かすことのできない植物52種を、季節ごとに、神話や言い伝えを交えて紹介しています。 美しいイラストがふんだんにちりばめられた贅沢な本。魔女と言…

猫の浮世絵

江戸の猫。 『にゃんとも猫だらけ』平木浮世絵財団浮世絵の中に描かれた猫たちを集めた贅沢な画集。女性と戯れる猫もいれば、擬人化された猫に、化け猫まで。 浮世絵にこんなにたくさんの猫が描かれていたとは驚きです。 猫が人々に愛されていたことが伝わっ…

誰かの特別な場所

どこにでもいる私の物語。 『どこにでもあるどこかになる前に。』藤井聡子/著、里山社個性を消す再開発、みなと同じ幸せを迫る閉鎖性…それでもこの地を愛したい! 富山にUターンしたアラサーライターの“第二の青春”エッセイ。私が暮らす寄居町も市街地活性…