ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

絵本

母の願い

人魚伝説。 『赤い蝋燭と人魚』小川未明/文、酒井駒子/絵、偕成社小川未明の童話「赤い蝋燭と人魚」を、酒井駒子さんの絵で。北の海に棲む人魚の母親は、娘の幸せを願い、人間の老夫婦に託します。 でもやがて、欲に目がくらんだ人間によって、人魚の願い…

絵本から飛び出して

囲まれてみたい。 『絵本の国のぬいぐるみ』原優子/著、白泉社ぐりとぐら、こねこのぴっち、ビロードのうさぎ。 ぼくの小鳥ちゃんから、ちいさいおうちまで。 絵本でおなじみのキャラクターをぬいぐるみで作れる、夢のような本です。私は、数年前、こねこの…

タックチック

この本を持っている人に出会いたい。 『Tuck Chick Born』大川久乃/ことば、関澤絵里子/え、婦人生活社前向きな言葉いっぱいの、大人のための優しい絵本。私が大型書店でアルバイトをしていた時のこと。 この本が発売されて、平積みになっていました。 個…

よるくま

くまのこが来たんだよ。 『よるくま』酒井駒子/作・絵、偕成社夜中にやってきたくまの子「よるくま」と、くまのお母さんを探しに行った男の子のお話。夜の眠りにつく前に、ベッドのなかでお母さんに話して聞かせた、ぼくと「よるくま」との冒険のこと。 お…

森のピアノ

大切なもの。 『クマと森のピアノ』デイビッド・リッチフィールド/作、俵万智/訳、ポプラ社ある日森の中でピアノを見つけたこぐまのブラウン。 ピアノの演奏は森のクマたちにも大人気です。 やがて森を出て、街でピアニストとして成功しますが…。「成功す…

しずく

水の絵本。 『しずくのぼうけん』マリア・テルリコフスカ/さく、うちだりさこ/やく、ボフダン・ブテンコ/え、福音館書店バケツから飛び出したしずくの、ながーい冒険の旅。水のことがよくわかる絵本。 姿を変えて世界中を飛びまわる「しずく」の様子を描…

たどり着いた場所

『ローズのにわ』ピーター・レイノルズ/作、かとうりつこ/訳、主婦の友社ティーポットにのって冒険の旅にでたローズ。 世界中を回り、最後に見つけたものは…。表紙は色鮮やかですが、途中までセピア色のこの絵本。 レイノルズらしい優しさあふれるメッセー…

原点

考える犬。 『小さな犬』町田尚子/著、白泉社小さな犬は泣いている女の子に出会いました。 何かしてあげたくて、小さな犬は涙のわけを考えます。なかなか泣きやまない女の子のために、いっぱい考える犬。 最後はとてもあたたかい気持ちになれます。今では猫…

宝石ねこ

宝石のようにキラキラと。 『ジュエルキャット』おかだなおこ/絵と文、小学館夜になると開く宝石箱の中に住んでいる、ちいさなねこ「ジュエルキャット」。 おきにいりのネックレスをつけて、今日もおでかけします。リラックマなどのキャラクターを生み出す…

夢さがし

かえるの絵本。 『 ぴっぽのたび 』刀根里衣/著、NHK出版夢見ることを忘れてしまった孤独なカエル・ぴっぽ。 小さな羊といっしょに、夢探しの旅に出ます。 季節をめぐり、そこで見つけたものは…?12ヶ月を美しく描き、ページをめくるごとにため息がもれ…

ねこ画集

画集のような贅沢絵本。 『ねこねここねこ』ブルノー=ホルスト=ブル/ぶん、ヤーヌシ・グラビアンスキー/絵、まえかわやすお/やく、偕成社月夜に歌う猫、いたずらをする子猫。 いろいろな猫の姿をご紹介します。ポーランドの画家グラビアンスキーが描い…

ねこおどる!

これぞ猫踊る絵本! 『ねこおどる』広瀬克也/作、絵本館どこからともなく猫たちが集まって、踊りだす。 あわおどりにフラダンス、コサックダンスまで。本屋ネコオドルに、絵本ねこおどる。 カタカナとひらがな。運命を感じます。うちの店とこの絵本、何か関…

すてき!

いもむしの旅。 『すてきってなんだろう?』アントネッラ・カペッティ/ぶん、メリッサ・カストリヨン/え、あべけんじろう/やく、あべなお/やく、きじとら出版ある日「すてきないもむしさん」と言われた、いもむし。 けれど、すてきってなんだろう? いも…

おんなじ猫

ちがう猫でもおなじ猫。 『ねことねこ』町田尚子/作、こぐま社ねことねこ、おなじところ、どこだ? 2匹のねこを見くらべると、おそろいが見つかるよ。『ねこヅメのよる』に出会って以来愛してやまない、町田尚子さんの猫絵本。 味のある表情、「そうきまし…

猫のダンス

これも「ねこおどる」絵本! 『こねこのジェーンダンスだいすき!』バレリー・ゴルバチョフ/作、あらいあつこ/訳、きじとら出版バレリーナになることを夢見る子猫のジェーンは、朝から晩まで踊っています。 テラスで踊っていると、友だちが集まってきて、…

猫だもの

青年と猫のふれあい。 『猫だもの ぼくとノラと絵描きのものがたり』 いせひでこ/絵と文、かさいしんぺい/文、平凡社牛乳配達の青年が出会ったノラ猫キタカルとの日々。作家のかさいしんぺいさんが綴るキタカルとの思い出を、いせひでこさんの柔らかい絵が…

変わり者のネズミ

ねずみの絵本。 『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』レオ・レオニ/作、谷川俊太郎/訳、好学社冬にそなえて食料を集めて働く野ねずみたち。 でもフレデリックだけは、何もしないでぼんやりしています。 フレデリックが集めたのは、光と色と…

ごんごん

色彩の洪水。 『ねこのごんごん』大道あや/さく、福音館書店1匹の子猫がある家に迷いこんできました。 年老いた猫のちょんは、子猫にごんごんという名を与え、あたたかく見守ります。何事も、自分でおぼえるが肝心。 ちょんが繰り返すこの言葉が印象に残り…

猫の気持ち

一緒に成長。 『わたしはねこ』松田奈那子/絵・文、リトルモアある日、私の家に人間の赤ちゃんのかなこがやってきた。 遊ぶときも眠るときも、いつも一緒。 でも、かなこは成長するにつれ、忙しそうで…。赤ちゃんのころは同じくらいの大きさだったのに、人…

ふたりに

とっておきの1冊。 『ふたり』甲斐みのり/作、福田利之/絵、ミルブックスわたしたちは出会って、ふたりになれた。甲斐みのりさんの美しい詩のような言葉と、福田利之さんの幻想的な絵が織りなす世界。 愛にあふれた絵本です。幸せなふたりに贈りたい絵本は…

なりたい夢

ブルーナの猫。 『こねこのねる』ディック・ブルーナ/ぶんえ、いしいももこ/やく、福音館書店インディアンになりたい、こねこのねるのお話。うさぎのミッフィーでおなじみ、ディック・ブルーナの猫絵本。 表紙の猫、インパクトがあります。 小さい目とバッ…

てんひとつ

芸術はバクハツだ! 『てん』ピーター・レイノルズ/作、谷川俊太郎/訳、あすなろ書房お絵描きが大嫌いなワシテが苦しまぎれに描いたのは、ちっぽけな“てん”ひとつ。 そのちっぽけな“てん”から、ワシテの世界は変わっていきます。お絵描きが苦手なすべての…

猫にスイカ

ネコオドル開店記念で、ネコオドルで出会える本の紹介。 今日は、夏に読みたい猫絵本。 『おおきなスイカ』庄野ナホコ/作、講談社マグロのおさしみに憧れる、猫のルッキオとフリフリ。 ある日、庭になった大きなスイカを売ってマグロのおさしみを食べようと…

平和への旅

開店記念で、今週もネコオドルで出会える本の紹介を。 今日は、いま話題の絵本。 『ジャーニー国境をこえて』フランチェスカ・サンナ/作、青山真知子/訳、きじとら出版戦争から逃れ、安心して暮らせる場所をめざして旅にでる母と子。 重いテーマですが、童…

びしょぬれサイコー!

バババババッ! 『どしゃぶり』おーなり由子/ぶん、はたこうしろう/え、講談社暑い夏の日。 モクモクと雲がたちこめ、どしゃぶりに! 雨の音、雨のにおい、たくさんの雨粒。 突然の夕立ちと、それを全身で楽しむ男の子の、さわやかで臨場感あふれる絵本で…

おばあちゃんのミシン

ネコオドルで出会える本の紹介。 4回目の今日は、絵本。 『カタカタカタ おばあちゃんのたからもの』 リンシャオペイ/さく、宝迫典子/やく、ほるぷ出版おばあちゃんのミシンはすごい! 服でもなんでも縫ってしまうんです。 でもある日、ミシンが壊れてしま…

猫の団結!

今日からオープン日まで、ネコオドルで出会える本たちを紹介。 まずは猫絵本です。 『11ぴきのねこ』馬場のぼる/著、こぐま社猫たちが、力をあわせて大きな魚を捕まえます。馬場のぼるさんの人気絵本、11ぴきのねこシリーズの第1作目。 子どもの頃に読んで…

砂糖ちゃん

ちいサイズ。 『金曜日の砂糖ちゃん』酒井駒子/著、偕成社たぶん私が酒井駒子さんをロックオンしたのはこの絵本。表紙の少女の美しさ。なんだか気になるタイトル。砂糖ちゃん。 砂糖さん。 佐藤さん? ……。ページを開く前の私の頭のなか(笑)小さいサイズの…

美味しいコーヒー

大人のためのおしゃれ絵本。 『コーヒーの絵本』庄野雄治/作、平澤まりこ/絵、mille books人気焙煎所・アアルトコーヒーの庄野雄治さんによる、コーヒーの絵本。 コーヒーの基本から淹れ方まで、お話仕立てで楽しくわかりやすく教てくれます。平澤まりこさ…

美しい言葉

やさしいまなざし。 『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』マーガレット・ワイズ・ブラウン/詩、レナード・ワイスガード/絵、木坂涼/訳、フレーベル館小さな生き物たちへのやさしい思いを感じる、ワイズ・ブラウンの詩の絵本。 レナード・ワイスガードが絵を手…