平和への旅
開店記念で、今週もネコオドルで出会える本の紹介を。
今日は、いま話題の絵本。
『ジャーニー国境をこえて』フランチェスカ・サンナ/作、青山真知子/訳、きじとら出版
戦争から逃れ、安心して暮らせる場所をめざして旅にでる母と子。
重いテーマですが、童話のような可愛らしい絵とストーリーで、シリアスさを軽減しています。
私がこの本に出会ったのは日本語版が発売される前、いたばし国際絵本翻訳大賞の課題本としてでした。
友人が毎年挑戦している翻訳コンクール。
英語版の絵本に友人がつけた日本語訳で読み、深く心に染みたのを覚えています。
難民という難しい問題を子どもたちにどう伝え、どう受け止められるか。
特に日本の子どもたちには、遠い国のファンタジーのようなお話かもしれません。
でも、それでいいんだと思います。
今はファンタジーの世界のちょっと怖い冒険のお話でも、何度目かに読んだときに、「これは現実に起こっていることなんだ」と気づく日が来るかもしれない。そのときに、大人がきちんと話してあげられること。
それが大事なのかなあと思います。
絵本がすべてを伝える必要はない。
そんなことを考えさせてくれた、素晴らしい絵本です。