橋本紡さんの作品には、いつも猫が登場します。
これは、その猫がテーマの作品。
突然失踪してしまった母親、残された私と小さい弟。
捨てられていた子猫。
助けられなかった命、助けてあげたい命。
かなり重たいテーマをいくつも重ね合わせているのですが、子ども目線で描かれているからかあまり現実感がなく、どこかファンタジーのようにも感じられる小説です。それでも読み終わった後に、ずっしりと残るものがある。
猫を助けるためにできることをやろうとする、高校生の勇気の物語。
猫好きには読んでほしいけれど、猫好きにはつらい描写もあります。
読後感を誰かと共有したくなる1冊です。