本屋ときがわ町
4月17日、第37回「本屋ときがわ町」に出店しました。
埼玉県ときがわ町のiofficeにて行われる、ときがわカンパニーさん主催のブックイベントです。
ネコオドルは2年半ぶりの出店。
だいぶご無沙汰していましたが、あたたかく迎えていただき、すぐに馴染んでしまいました。
出店場所は屋内と屋外の2か所。
屋外はなんとテント!
素敵な演出にワクワクします。
屋外は古本を並べました。
あまり数がないので、見ばえする本を面だしして。
屋内には新刊をならべました。
「仕事と暮らし」「手仕事」をテーマに選書し、そこに猫の本や雑貨を盛りこみました。
準備したり、他の出店者さんのスペースを見たりしていたらいつの間にか開始時間を30分も過ぎていて、あわててSNSに「はじまったよー」と投稿。
ぬるっとスタートしてたんですね。
写真を取り忘れたのですがネコオドルの他には4名の個性豊かな出店者さんが参加されてました。
午後には不思議な本を作るワークショップもあり、こちらは子ども達に大人気で賑わっていました。
出店者さんもお客さまも、久しぶりの方にたくさんお会いできて、思いがけない再会もあり、嬉しさと驚きとで終始気分が高まってました。
途中で雨に降られる時間帯もありましたが、テントのおかげて慌てずに対処できて、なんてありがたい。
イベント性と実用性を兼ね揃えた素敵アイテムですね。
とにかく楽しく、あっという間でした。
また参加したいと思います!
千年の読書
通りすぎていった本たち。
『千年の読書 人生を変える本との出会い』三砂慶明/著、誠文堂新光社
人生を変える本と出会えるのは偶然なのか。
本に人生を何度も助けられてきたという書店員が綴る読書エッセイ。
冒頭で、俳優を目指していた著者の友人の話が出てきます。
サン・テグジュペリの『夜間飛行』を読み、パイロットになることを決意した男。
実は私の知っている人なんです。
私が舞台衣裳の仕事をしていた頃、衣装を担当した劇団の劇団員でした。
出会った頃はまだ俳優で、何度か一緒に舞台を創り、しばらくしてパイロットになる夢をかなえるべく彼は劇団を離れていったのでした。
この『夜間飛行』の話も、その当時に聞いていた気がします。
本人から聞いたのか、まわりの仲間から聞いたのか、はっきりとは覚えていないのですが、本との出会いで人生を決めた彼のことを「こいつすごいんだよ!」と、仲間たちが誇らしげにしていたことはよく覚えています。
私の人生を変えた本はなんだろう。
もう出会っているのだろうか。
本の内容より、本の存在によって、人生が動いている気がする。
私にとって読書は、そういうものかもしれない。
森で過ごす
自然の恩恵、いいとこどりで。
ふと思いついて、田舎暮らしをはじめた早川さん。
東京で働き、時々早川さんに会いに来る友人のマユミちゃんとせっちゃん。
森を歩き、湖で遊ぶ、3人のスローな週末時間。
ラフな絵柄でやわらいでるけど、益田さんて実はけっこう辛口だと思うんです。
そう気づいていっそう好きになった作家さん。
漫画じゃないエッセイを読むと、辛口具合がよくわかりますよ。
甘いことばかり言われても…って思っちゃう私みたいな人、たくさんいそうです。
このコミックも、「田舎暮らし=スローライフ、ナチュラル志向」という思い込みや、田舎で暮らすならこうしなければ的な世間の期待という名の押しつけを、一蹴してくれてます。
畑を耕したり、古民家をDIYでリフォームしたりする生活に「のんびり暮らしたいはずなのにがんばっちゃってない?」って感じることは間違いじゃないんですよ。
田舎でも東京でもどこでも、好きなように暮らすのがいちばん。
田舎のいいところと、便利な社会のいいところ、いいとこ取りで暮らしたい。
週末だけ田舎ライフを満喫しにやってくる友達の、自然とのつきあい方もいい。
だれもが田舎暮らしができるわけじゃないし、仕事を辞めたり引っ越したりできるわけじゃない。
日々のストレスやイライラがなくなるわけじゃないかもしれないけど、デトックスできる場所があるってことが素敵だなあと思うのです。
益田ミリさんのコミックのなかで一番好きな作品です。
お花見マルシェ
4月3日、お花見マルシェ@桶川に出店しました。
桶川市の旧川田谷郵便局、今は私有のレトロな建物が会場で、私は12月の冬ごもりマルシェに続き、2回目の参加です。
すぐ近くの城山公園は桜が満開!
まさにお花見マルシェ!…となるはずが、あいにくの雨。
到着した時間はまだ小降りでしたが、外に出店予定だったフードやワークショップ系の出店が急きょ、室内に移動になったりと、はじまる前からわちゃわちゃしてました。
ネコオドルはこんな感じ。
前回の参加で、お客さまはママと子どもが多いとわかったので、今回はファミリー向け選書にしました。
ほかの出店者さん、みなさん素敵です!
毎回フード系を撮り忘れちゃうのですが、キッチンカーやタイカレー、そして美味しいコーヒー屋さんもありました。
会場の一番いい場所にはピアノが。
ギターの弾き語りと、ピアノの弾き語り。
午後におふたりのライブが開催され、会場がひとつになったあたたかい雰囲気のなか、イベント終了になりました。
今回は、ライブがメインのイベントという感じで、会場のレイアウトも物販は端っこに小さくまとまっていました。
私もだけど、みんな前回のようには売り上げが出なかったのではないかと思うけど、それ以上に人との交流が楽しい時間になったと思います。
主催さんのまわりにはたくさんのあたたかい人たちがいるんだなぁと、アットホームなイベントで人のあたたかさを感じる1日になりました。
神様
神様は偉大で、やっかいだ。
『その午後、巨匠たちは、』藤原無雨/著、河出書房新社
町にふらりと現れた、歳を取らない女性・サイトウ。
山の中に建てた神社に6人の巨匠画家を神様として呼び寄せた。
町は、画家たちが描く絵画の世界に支配されていくが…。
北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。
名前を聞いてピンとこなくても、絵を見ればわかるような有名画家たちです。
「画家を神様に」とはどういうことか。
よくわからないままに読み進めていたら、注釈に次ぐ注釈で重ねられていく物語の面白さにいつの間にか取り憑かれていました。
知っている事柄に付いてる注釈って読み飛ばしてしまいがちだけど、これは絶対に読み飛ばしてはならない。
全然関係ないんだけど、子どもの頃に見ていたアニメのこと。
かわいいセーラー戦士たちのお話、胸をときめかせて楽しく見ていたのです。
それが最終章になると、宇宙規模の平和を守る話になって、かわいいとか面白いとか、それだけじゃ済まされなくなってきたのです。
私はかわいくて楽しいアニメを見ていたはずなのに、なんで今、こんなに壮大な話を深刻に見ているんだろう。
引き込まれた先は、想像していたよりも大人の世界でした。
そんなことを思い出した読書体験。
こんなに面白い本、久々に読みました。
ホラーか猫か
怖くない、は嘘になる。
ホラー漫画家・伊藤潤二の猫コミックエッセイ。
コミックエッセイという響きがこんなに似合わないコミックエッセイがあったでしょうか。
ギャグとホラーが入り交じってとにかく強烈なのです。
猫好き仲閒との会話で、石黒亜矢子さんの絵本の話から「だんなさんがホラー漫画家の」という話になり、「よんむーのマンガは読むべし!」とおすすめされて手にした本。
ホラーでしょ?と敬遠していたら、これは怖くないから!とのこと。
うん、怖くないし、むしろめっちゃ笑える!
でも絵は怖いけどな…。
慣れないテイストに最初、笑っていいのかためらってしまったけどな。
猫の可愛さとかあるあるとか、そういうことではなくて、猫に翻弄される人間をユニークに描いていて、他にない唯一無二の猫コミックだと思います。
今現在の伊藤石黒家の猫エッセイといえば石黒亜矢子さんの『てんまると家族絵日記』。
こちらは脱力のほほん系です。