ネコオドルのほんのつぶやき

自然豊かな小さな町で、猫4匹と暮らしています。小さな本屋「ネコオドル」店主が、本のこと猫のことなどをつぶやきます。

冬ごもりマルシェ

12月4日、冬ごもりマルシェ@桶川に出店しました。

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会場は元郵便局だったというレトロで素敵な建物。
室内なので温かく、本の大敵である雨風日差しの心配もない快適な場所です。

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ネコオドルのスペースはこちら。

ブックイベントではないので、本は少なめ。
子育て世代の親子のお客さまがメインとのことだったので、絵本と雑貨多めにしました。
あとはクリスマスっぽく、ギフトにしたくなる美しい本たち。

他の出店者さんは、絵本屋さんが2店、キャンドルやハーバリウム、マッサージ、カレー、タコライスのキッチンカーなどバラエティに富んでいて、とても賑やかでした。

あたたかく穏やかな時間のなかで、素敵な人達との出会いや再会があり、とても楽しいひとときでした。

思い返してみると、イベント出店は約2年半ぶり。
2019年の手術から回復して「いざイベント!」と思った矢先のコロナ禍で、ずっとイベントができずにいました。
これから徐々にイベント再開していけるといいな。

チュチュ

もちろん踊ります。

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『ちびねこのチュチュと、スプーンのあかちゃん』二宮由紀子/作、牧野千穂/絵、岩崎書店

ちびねこのチュチュは、スプーンさんの家に生まれた赤ちゃんを見に行くことになりました。

黒猫のチュチュ、スプーンのあかちゃんに会いに行って、歌ったり、踊ったり!
とってもかわいらしいお話です。

牧野千穂さんのやわらかいタッチの絵と、ナンセンス絵本の二宮由紀子さんの独特なセンスがあいまって、ふんわかしているのにちょっとピリッとした刺激も感じる不思議なテイストになっています。

チュチュを着た黒猫といえば庄野ナホコさんの『バレエのおけいこ』もありますね。

黒猫にチュチュはよく似合います。

おしゃまなちびねこチュチュの魅力にメロメロになる1冊です。

うろ覚え

曖昧上等!

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『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』福井県立図書館/編著、講談社

図書館で探している本のタイトルが、うろ覚えだったり、ざっくりあいまいだったり。
そんな覚え違いの中から厳選した面白おかしい90タイトルの事例集です。

うろ覚えでも大丈夫、図書館の司書が正しい本を探してくれます。
そんなメッセージが込められたこの本。

そんなにざっくりした質問でもいいのか!

と、みなさんが勇気を出して司書に声をかけてくれるきっかけになれば素敵ですね。

ちなみに私が受けた忘れられない覚え違いレファレンスをひとつご紹介します。

「ひまなライオン」って絵本あるでしょ?

・・・。

顔なじみの利用者さんだったので、「あ、これはざっくりしたやつだな」とすぐにわかりました。
最近出た絵本で、新刊本コーナーで見たばかりだというのをヒントに検索し…。

正しくは『たいくつなトラ』でした。

言葉のチョイス!
ざっくりネコ科!

うーん、全体的に惜しいけど、全然違った!

もう何年も前のことですが、忘れられない覚え違いレファレンスでした。

本屋ねこ

本屋のねこはマイペース。

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『ほんやねこ』石川えりこ/作、講談社

本屋のねこが窓を閉め忘れて出かけてしまったある日の夕暮れ。
窓から強い風が入りこみ、本の中から物語の登場人物たちを窓の外へ吹き飛ばしてしまいました。

何も知らずに散歩していた本屋のねこ。
本の中から飛びだした物語の登場人物たちを行く先々で見つけていきます。

本から飛びだしたとて、ちょっと驚くだけで「散歩があるから」とマイペースなねこ。
積極的に探しまわるわけでもないところがいい。
それぞ猫、これぞ猫。

もしうちの本屋の本のなかから登場人物たちが飛びだしたら…。
町中がいろんな猫だらけになりますね。
11ぴきのねこを探すだけでもう疲れ果てるかもしれません。
そして、やたらと踊る猫が多いかも。

あ、考えるとちょっと愉快。

想像がふくらむ楽しい猫絵本です。

バレエねこ

くるっとまわれ。

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『バレエのおけいこ』石津ちひろ/文、庄野ナホコ/絵、ブロンズ新社

バレエ教室に通いはじめた黒猫のミイさん。
おけいこは楽しいけれど、ピルエットがちっともうまくまわれません。
そんなある夜、ぬいぐるみのクマ先生がおけいこをつけてくれてー。

「すき」な気持ちがあれば、だいじょうぶ。
ミイさんの一生懸命さに心打たれます。

そして、きっとできる!と、あきらめない気持ちが勇気を与えてくれます。

踊る猫の絵本。

バレエを踊る黒猫ですよ。

かわいい・・・。

庄野ナホコさんの絵がとってもチャーミングで、何度も繰り返し読みたくなります。

バレエを愛する人に贈りたくなる素敵な絵本です。

オシャレ

キレイだね。

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『おしゃれねこ』工藤直子/ぶん、小沢良吉/え、サンリード

おしゃれが好きなおしゃれねこ。
街のみんなは褒めてくれるのだけど、ぼさねこは「よっ」と言うだけ。
ぼさねこに褒めてもらいたいおしゃれねこ。
とびきりのおしゃれをするために、パーティーを開くことに。

おしゃれがエスカレートしていく様子が、紅白歌合戦の衣裳のようで…。
「おしゃれ」ばかりで「ねこ」がいない。
衣裳に埋もれてしまって見えない猫を表わすこの言葉がなんとも言えない。

小沢良吉さんが描く猫、色気があって好きなんです。
『うちのねこちゃん』もおしゃれな猫さんの絵本で、この絵本に通じるところがあります。
お風呂に入っている猫の表紙絵がなんとも色っぽいんですよ。
「あかちゃんのわらべうた」というシリーズなのに、大人っぽい。
とっても気に入っている絵本です。
『おしゃれねこ』にもお風呂シーンの絵があって、なんか嬉しい。

さて、ぼさねこの気をひきたいおしゃれねこ、どうなっていくのでしょうか。

とっても素敵なお話です。
絶版になっているのが残念。

チリとチリリとおどる猫

ねこのお祭り。

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『チリとチリリ よるのおはなし』どいかや/作、アリス館

チリとチリリはおはやしの音に誘われて、自転車で出かけていきます。
黒猫のドリンクスタンドでおつきみドリンクを飲みました。
すると・・・。

どいかやさんのチリとチリリシリーズ。
第8作目は、猫たちが踊ってますよ。

やさしいタッチの絵の、楽しいお話。
どこまでも自転車で冒険にでていくかわいい女の子たち。

こんなに安心感に満ちた冒険ものってめずらしいかも。

わくわく、わくわく。
ちょっとドキドキするけど、優しさに包まれた世界だから、安心。

子どもからの人気はもちろんのこと、大人でもはまってしまう世界観です。